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今カノ(?) 対 元カノ その6
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フローラにビシッと指を指されたクローザは、気圧されるでもなく不敵に笑みを浮かべたままだった。
「ふふっ、本当若いわね・・・」
そう呟くクローザからは、小馬鹿にした感じもあり、羨みの感情も感じられるとシュウは思った。
(ボス・・・そんな発言すると、本当に老けたように感じられますよ・・・)
拘束魔法にねじ伏せられたボイドは、そんなことを考えながらクローザを苦々しい目で見ている。「美人なのにもったいない」と。
そんな風に見られていることなど露とも思わないクローザは、貫禄を見せつけるようにやや踏ん反り返ってフローラを見下ろす。
「確かに認めるわ。昔の私は、今の貴方のような勢いが無かった。貴方のように全てを投げうってまでシュウと一緒になろうとまでは、考えられなかったかもしれない」
意外にも、クローザの発言はフローラに対して敗北を認めたような内容だった。
だが、それをフローラは表情も変えずに聞いている。
「確かに今貴方はシュウと一緒にいられているかもしれない。だけど、これからずっとそうしていけるのかしら?」
「・・・」
急に優しく諭すような口調になったクローザ。
ここでフローラの表情が僅かに変わった。
「わかっているでしょう?貴方達はお尋ね者なのよ。今はまだ帝国の世論があるから追跡は本格的に始まっていないかもしれない。だけど、それも時間の問題よ。いずれ貴方達には本格的に追手が差し向けられることになるわ」
フローラはクローザを軽く睨むように目を細める。
「ですから、それは覚悟の上で」
「今の私なら、シュウにそんな危ない橋を渡らせない。今からでも彼に安全な生活を送らせられるように、様々な手を打つことが出来るわ」
フローラの反論を遮り、クローザは優しい口調から一転、やや声を張り上げて言った。
「これがね・・・若い貴方が持っていない、今の私が持っている力なのよ。先の見えない絶望的な将来じゃなく、平穏な暮らしを提供出来るの」
「・・・そんなの、わかんないじゃないですか・・・」
「出来るのよ。お金だけじゃなく、私にはコネクションが多いから。元聖女だという貴方もそこそこにコネは持っているかもしれないけれど、恐らく私とは比較にならないほどしょぼいものよね」
自信満々に言うクローザに対し、フローラは若干歯切れが悪かった。
何しろ実際に追手に襲撃を受けているのだ。それも何度も。
実際に襲撃したことのあるトールも気まずそうにそっぽを向いていた。
クローザの言うことはハッタリではなかった。
実際にあの手この手で追手の目を眩ませ、シュウを安全な場所で囲えるだけの力もコネを持っている。
「勢いだけの愛を貫くのもいいけれど、私は貴方と違ってより現実的なプランを用意できるの。私は本当にシュウの幸せを考えているし、それを実現出来る力を持っているのよ」
特にポーズを取っているわけではないが、クローザの佇まいには妙に貫禄があり、その言葉はビシッとフローラの心に突き刺さっていた。
「ふふっ、本当若いわね・・・」
そう呟くクローザからは、小馬鹿にした感じもあり、羨みの感情も感じられるとシュウは思った。
(ボス・・・そんな発言すると、本当に老けたように感じられますよ・・・)
拘束魔法にねじ伏せられたボイドは、そんなことを考えながらクローザを苦々しい目で見ている。「美人なのにもったいない」と。
そんな風に見られていることなど露とも思わないクローザは、貫禄を見せつけるようにやや踏ん反り返ってフローラを見下ろす。
「確かに認めるわ。昔の私は、今の貴方のような勢いが無かった。貴方のように全てを投げうってまでシュウと一緒になろうとまでは、考えられなかったかもしれない」
意外にも、クローザの発言はフローラに対して敗北を認めたような内容だった。
だが、それをフローラは表情も変えずに聞いている。
「確かに今貴方はシュウと一緒にいられているかもしれない。だけど、これからずっとそうしていけるのかしら?」
「・・・」
急に優しく諭すような口調になったクローザ。
ここでフローラの表情が僅かに変わった。
「わかっているでしょう?貴方達はお尋ね者なのよ。今はまだ帝国の世論があるから追跡は本格的に始まっていないかもしれない。だけど、それも時間の問題よ。いずれ貴方達には本格的に追手が差し向けられることになるわ」
フローラはクローザを軽く睨むように目を細める。
「ですから、それは覚悟の上で」
「今の私なら、シュウにそんな危ない橋を渡らせない。今からでも彼に安全な生活を送らせられるように、様々な手を打つことが出来るわ」
フローラの反論を遮り、クローザは優しい口調から一転、やや声を張り上げて言った。
「これがね・・・若い貴方が持っていない、今の私が持っている力なのよ。先の見えない絶望的な将来じゃなく、平穏な暮らしを提供出来るの」
「・・・そんなの、わかんないじゃないですか・・・」
「出来るのよ。お金だけじゃなく、私にはコネクションが多いから。元聖女だという貴方もそこそこにコネは持っているかもしれないけれど、恐らく私とは比較にならないほどしょぼいものよね」
自信満々に言うクローザに対し、フローラは若干歯切れが悪かった。
何しろ実際に追手に襲撃を受けているのだ。それも何度も。
実際に襲撃したことのあるトールも気まずそうにそっぽを向いていた。
クローザの言うことはハッタリではなかった。
実際にあの手この手で追手の目を眩ませ、シュウを安全な場所で囲えるだけの力もコネを持っている。
「勢いだけの愛を貫くのもいいけれど、私は貴方と違ってより現実的なプランを用意できるの。私は本当にシュウの幸せを考えているし、それを実現出来る力を持っているのよ」
特にポーズを取っているわけではないが、クローザの佇まいには妙に貫禄があり、その言葉はビシッとフローラの心に突き刺さっていた。
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