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賢者リノア
大事件の後始末
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ゴウキ・ファミリーの主要メンバーである、リノア誘拐事件は解決した。
セントラルギルドの大失態だが、終わりました、トマスのせいでした、そんなんでこの大事件の後始末が終わるわけがない。
この一件により、セントラルギルドは大きなスキャンダルを抱えてしまったわけだが、ギルドの打った手は「トカゲのしっぽ切り」だった。
「部下達が勝手に判断してやったこと」
と、ギルドマスターは声明を出し、あくまで知らぬ存ぜぬを突きとおした。
トマスの仕掛けた自爆の罠の餌食にしても良いと思っていた有象無象の職員はともかく、それを把握しながらコントロールして証拠隠滅を図ろうとした職員は、セントラルギルドでもそこそこの立場であり、権利を有していた者だった。
だから予算も人員も動かせるために、彼らが暴走したと言われれば一応は無理矢理感があるが筋が通せないこともない。
だが、切られることになる職員は優秀だった。
多方面に人脈を作り、ギルドの運営に大きく貢献していた人物だ。そんな人間をしっぽ切りするのは、セントラルギルドとしても大きな大きな痛手になる。
とはいえ、トマスの暴走にセントラルギルドが組織的に関与していたなどと、口が裂けても言えるわけがない。絶対に認められない。認めたら即座にギルドの終焉なのだから。
一応ギルドマスターは表向きはしっぽ切りをしつつも、それでも後で内々に切られた彼らには金なりでフォローするつもりだった。そして時間をかけてまたこっそりギルドに戻せば良い・・・そうすればギルドの混乱も収まるだろうと。
職員たちに戻ってきてもらわなければ、ギルドはますます困窮することになる。
「すまんが今だけは耐えてくれ!」とギルドマスターは切実に願っていたのだが・・・
「こいつらは独断でやったってことだな?なら、こいつらをこっちでどう料理しようが、かまわねぇよな?」
ギルドとの話し合いの場を任されたスミレは、そう言ってその場を立った。
職員たちは、ゴウキ・ファミリーから解放されることはなく、ゴウキの知らぬところで延々と拷問を受け、最後は遠い地でその身柄を奴隷商人に売られることになる。
人の命を軽んじ、間違った相手に敵意を向けてしまった彼らは、もう二度とまともな暮らしに戻ることは出来なかった。
そして功労者をしっぽ切りで失ってしまったセントラルギルドは、業務が滞るようになっただけでなく職員たちの不信感が蔓延し、さらなる窮地に陥ることになるのであった。
セントラルギルドの大失態だが、終わりました、トマスのせいでした、そんなんでこの大事件の後始末が終わるわけがない。
この一件により、セントラルギルドは大きなスキャンダルを抱えてしまったわけだが、ギルドの打った手は「トカゲのしっぽ切り」だった。
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と、ギルドマスターは声明を出し、あくまで知らぬ存ぜぬを突きとおした。
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