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賢者リノア
囚われのゴウキ
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トマスの仕掛けた本命の罠・・・転送のトラップにかかったゴウキは、単身で檻に閉じ込められていた。
「スミレもデニスもいないのか・・・俺だけってことか?」
薄暗い周囲を見渡すと、じめじめとした岩盤に囲まれた空間におり、どうやら地下にいるらしいことだけはわかった。僅かに松明の照明がある程度で、後はゴウキを包む強固な檻があるのみの空間だった。
照明はあくまで魔道具を通してスポンサーであるセントラルギルドの職員達に、囚われているゴウキを良く見せるために用意されているものであって、それ以外の用途はない。
囚われているゴウキに食事を提供することはない。出すこともない。このままここで飢え死にさせるつもりだった。
無論、ただ黙って大人しくしているゴウキではないが。
「ふんっっ!!」
ゴウキは鉄格子に手をかけ、力を入れる。力づくで破壊しての脱出を試みたのだが、檻はビクともしなかった。
檻はトマスが用意したものではない。セントラルギルドが用意した、賞金首の拘束用に開発した特別製の檻であり、魔法攻撃には滅法弱い代わりに、物理的な力に対する防御に全振りした特性を持つものである。
つまり、魔法を使うことの出来ないゴウキを拘束するにはもってこいのものなのだ。
「んぬぅぅぅぅぅぅぅっっ!!」
檻の持つそんな特性を知るはずもないゴウキは、ただただ力任せに檻を曲げようと力を入れる。
「あははははっ!そんなことで破れるわけがないだろうその檻が!脳筋の野獣め!!」
映像を通してそんなゴウキを見ているギルドの職員達は、腹を抱えて笑っていた。
が、笑っていられたのも数分までだった。
ゴキィン
ゴウキの力は、設計者の想定していたそれを上回っていた。
「えっ・・・」
「は?」
「ウッソだろ・・・?」
決して肉体的な力だけでは破れるはずのない檻が、ゴウキの手によって無惨に破壊されてしまい、職員達は言葉を失う。
「やれやれ、ちっと手こずったが何とかなったか」
ゴウキは檻から脱出すると、出口を求めて歩き出す。
「待ってろよ・・・ぶっ殺してやるぜ」
目をギラつかせ、づかづかと歩いていくゴウキ。
だが、そんな彼の歩を阻むものがあった。
「・・・スライム・・・?」
出口を通せんぼするように体を広げている、巨大なスライムの姿がゴウキに目に入った。
「スミレもデニスもいないのか・・・俺だけってことか?」
薄暗い周囲を見渡すと、じめじめとした岩盤に囲まれた空間におり、どうやら地下にいるらしいことだけはわかった。僅かに松明の照明がある程度で、後はゴウキを包む強固な檻があるのみの空間だった。
照明はあくまで魔道具を通してスポンサーであるセントラルギルドの職員達に、囚われているゴウキを良く見せるために用意されているものであって、それ以外の用途はない。
囚われているゴウキに食事を提供することはない。出すこともない。このままここで飢え死にさせるつもりだった。
無論、ただ黙って大人しくしているゴウキではないが。
「ふんっっ!!」
ゴウキは鉄格子に手をかけ、力を入れる。力づくで破壊しての脱出を試みたのだが、檻はビクともしなかった。
檻はトマスが用意したものではない。セントラルギルドが用意した、賞金首の拘束用に開発した特別製の檻であり、魔法攻撃には滅法弱い代わりに、物理的な力に対する防御に全振りした特性を持つものである。
つまり、魔法を使うことの出来ないゴウキを拘束するにはもってこいのものなのだ。
「んぬぅぅぅぅぅぅぅっっ!!」
檻の持つそんな特性を知るはずもないゴウキは、ただただ力任せに檻を曲げようと力を入れる。
「あははははっ!そんなことで破れるわけがないだろうその檻が!脳筋の野獣め!!」
映像を通してそんなゴウキを見ているギルドの職員達は、腹を抱えて笑っていた。
が、笑っていられたのも数分までだった。
ゴキィン
ゴウキの力は、設計者の想定していたそれを上回っていた。
「えっ・・・」
「は?」
「ウッソだろ・・・?」
決して肉体的な力だけでは破れるはずのない檻が、ゴウキの手によって無惨に破壊されてしまい、職員達は言葉を失う。
「やれやれ、ちっと手こずったが何とかなったか」
ゴウキは檻から脱出すると、出口を求めて歩き出す。
「待ってろよ・・・ぶっ殺してやるぜ」
目をギラつかせ、づかづかと歩いていくゴウキ。
だが、そんな彼の歩を阻むものがあった。
「・・・スライム・・・?」
出口を通せんぼするように体を広げている、巨大なスライムの姿がゴウキに目に入った。
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