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ゴウキ・ファミリー

ゴウキの魅力

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(あら・・・?そこそこの女を連れてるから慣れてるかと思いきや、意外と初心なのね)


ゴウキの部屋にやってきた採寸係のリーダー格の美女はセイラといい、年齢はゴウキより少し年上であったが、こうしたを始めとして男性経験はそれなりに積んでいた。
そのセイラからしてゴウキは命令でなくても手を付けたいと思うほどの美丈夫であったが、彼の女性経験の無さをセイラは意外に思う。


「差し出がましいようですが、ゴウキ様はもう少しご自分に自信をお持ちになってよろしいかと存じます」


セイラに正面から見つめられ、ゴウキはたじろいだ。
ゴウキは確かに精悍な顔つきをしているが、額の傷と、常にどこか不機嫌そうにしている表情のせいか圧を与えるらしく、王都で参加したパーティーなどでも女性には敬遠されていた。


「ゴウキ様のお国ではどうかはわかりませんが、少なくともレジプスではゴウキ様は言い寄る女性が後を絶たないほどの美丈夫であると断言できます」


「そ、そうすか・・・」


正面から褒められ、どう反応して良いかわからずたじろくゴウキ。


「しかしそうですね・・・ご無礼を承知で言わせていただきますと・・・」


セイラはそう言って少し背伸びをし、落としてあるゴウキの前髪をたくし上げた。


「この髪は上げたほうがよろしいかと思われます。傷は戦士の勲章。あえて隠すものではないというのがこの国の主流です」


ゴウキは額の傷をあまり見えないようにするために、前髪を少し長めにして下ろしている。だが、それはセイラ曰くレジプスの主流ではないらしい。


「ゴウキ様。パーティー当日は、ワタクシ達によるコーディネートをお楽しみにしてくださいませ」


「えっ」


「きっと、新しいゴウキ様に出会えることになると思います」


セイラはそう言って微笑むと、スッとゴウキと体を離した。


「本日のところはこれにて失礼いたしますが、何かありましたらお呼びください。何時でもかまいませんし、昂られたときでも・・・」


そう言ってセイラ達の魅了されるような美しい笑顔を見せられ、ゴウキは顔を真っ赤にしながら「はぁ」とだけ返事をした。

本当にの用事で呼ぶわけにはいかないと思いつつもモヤモヤしたが、ハッと気が付いたとき、リノアが能面のような顔で何かを察しているかのような目線をゴウキに向けていることに気付き、恐怖でモヤモヤは頭から消し飛んだ。
もし昂ったからとセイラ達を呼んだものなら、何が起こるかわからないーー! ホッとしたような、少し残念なような、そんな気持ちを抱えながらゴウキは特にセイラを呼ぶことはせず、パーティー当日を迎えるのであった。
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