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ゴウキ・ファミリー
砂漠の昼の悪夢
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「おいおい、信じられねーものが見えるぜ」
砂漠のど真ん中で、男が長い望遠鏡を覗きながら感嘆の声を上げた。
「どうした?絶世の美女がトップレスが歩いてたか?」
傍で他の方角を望遠鏡で見ていたもう一人の男がお道化る。
「それより驚くかもしれねぇ。ワームちゃんが今しがた殺された」
「あ?」
お道化た男が、望遠鏡を同じ方向に向けた。
「誰か人がいるようだが・・・ワームちゃんいねぇじゃん」
男が望遠鏡で捉えた人影は、ゴウキ達のものであった。
「もう終わったよ。俺も何が起こってるのか理解できなくて、声をかけるのが遅くなった。よく地面を見て見てくれ。ワームちゃんの死骸が転がってる」
「あぁ・・・?何か地面に転がってるようだが・・・って、あれ、本当にワームちゃん?サンドワームのワームちゃん?」
「そうだよ。俺達が知ってる、サンドワームのワームちゃんだ。あそこにいる男に飛び掛かったんだが、素手で口を裂かれて、そのまま体もブチブチと引き千切られてた」
「はっ・・・!お前、冗談はほどほどにしろよ。いくら何でもお前、ワームちゃんを殺せる人間すらそうそういないのに、素手でなんて・・・」
「そうだな。悪い夢か何かだ。俺はきっと幻を見ていたんだ・・・」
そう言ってサンドワームが死ぬのを目撃したという男は、望遠鏡を下ろし、目元を手で覆った。
その男の様子を見て、お道化ていた男は冗談で言っているのではないと理解し、息を飲んだ。そして、再び望遠鏡を覗きこむ。
「見た目は普通の人間に見える・・・が・・・」
男もついに目撃した。非常識なる光景を。
「・・・は?」
男が目撃したもの、それはゴウキが高く買い取って貰えると思って持ち帰ろうと、サンドワームの牙を力ずくで死骸から引き抜いている姿であった。
「・・・マジかよ」
レンズの向こう側に見えるゴウキが、その男には人間でない何かにしか見えなかった。
「やべぇ・・・やべぇよ・・・」
これまで飄々としていた男の態度が余裕が無くなる。
顔を引きつらせ、冷や汗をかき、喉がカラカラになっていた。
「!!」
男は戦慄した。
レンズの中にいるゴウキが、視線に気付いたかのようにこちらを見て来たからである。
「っ!!」
男は一瞬で望遠鏡から顔を離し、地面に伏せる。
ゴウキ達から男達のいるところまでは、数キロあった。肉眼では決して見えないはずの距離。だが、ゴウキはまるで見えているかのようにこちらを見て来たことに男は驚愕する。
「気付かれたかもしれない・・・」
「マジか?・・・いや、あの男ならあるいは・・・」
「とりあえずアジトに身を隠そう」
「そうだな。ボスに報告だ」
男達はそう言って、足早にその場から立ち去る。彼らはゴウキ達が探している、盗賊団の人間であった。
砂漠のど真ん中で、男が長い望遠鏡を覗きながら感嘆の声を上げた。
「どうした?絶世の美女がトップレスが歩いてたか?」
傍で他の方角を望遠鏡で見ていたもう一人の男がお道化る。
「それより驚くかもしれねぇ。ワームちゃんが今しがた殺された」
「あ?」
お道化た男が、望遠鏡を同じ方向に向けた。
「誰か人がいるようだが・・・ワームちゃんいねぇじゃん」
男が望遠鏡で捉えた人影は、ゴウキ達のものであった。
「もう終わったよ。俺も何が起こってるのか理解できなくて、声をかけるのが遅くなった。よく地面を見て見てくれ。ワームちゃんの死骸が転がってる」
「あぁ・・・?何か地面に転がってるようだが・・・って、あれ、本当にワームちゃん?サンドワームのワームちゃん?」
「そうだよ。俺達が知ってる、サンドワームのワームちゃんだ。あそこにいる男に飛び掛かったんだが、素手で口を裂かれて、そのまま体もブチブチと引き千切られてた」
「はっ・・・!お前、冗談はほどほどにしろよ。いくら何でもお前、ワームちゃんを殺せる人間すらそうそういないのに、素手でなんて・・・」
「そうだな。悪い夢か何かだ。俺はきっと幻を見ていたんだ・・・」
そう言ってサンドワームが死ぬのを目撃したという男は、望遠鏡を下ろし、目元を手で覆った。
その男の様子を見て、お道化ていた男は冗談で言っているのではないと理解し、息を飲んだ。そして、再び望遠鏡を覗きこむ。
「見た目は普通の人間に見える・・・が・・・」
男もついに目撃した。非常識なる光景を。
「・・・は?」
男が目撃したもの、それはゴウキが高く買い取って貰えると思って持ち帰ろうと、サンドワームの牙を力ずくで死骸から引き抜いている姿であった。
「・・・マジかよ」
レンズの向こう側に見えるゴウキが、その男には人間でない何かにしか見えなかった。
「やべぇ・・・やべぇよ・・・」
これまで飄々としていた男の態度が余裕が無くなる。
顔を引きつらせ、冷や汗をかき、喉がカラカラになっていた。
「!!」
男は戦慄した。
レンズの中にいるゴウキが、視線に気付いたかのようにこちらを見て来たからである。
「っ!!」
男は一瞬で望遠鏡から顔を離し、地面に伏せる。
ゴウキ達から男達のいるところまでは、数キロあった。肉眼では決して見えないはずの距離。だが、ゴウキはまるで見えているかのようにこちらを見て来たことに男は驚愕する。
「気付かれたかもしれない・・・」
「マジか?・・・いや、あの男ならあるいは・・・」
「とりあえずアジトに身を隠そう」
「そうだな。ボスに報告だ」
男達はそう言って、足早にその場から立ち去る。彼らはゴウキ達が探している、盗賊団の人間であった。
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