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ゴウキ・ファミリー
解決
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「兄弟・・・まさか、半グレを殲滅させるつもりか?」
ゴウキが半グレの特徴をディックから聞き出すと、ディックは怪訝そうな顔でゴウキを見つめた。
「ゴミはゴミ箱へ。あんなの放置してらんねぇからな」
そう言って顔を歪めるゴウキ。ディックはそれを見ながら、呆れたように肩を窄めた。
「今や一流冒険者と名乗りを上げそうな兄弟が、街の不良軍団のお掃除か?金になるわけじゃねーぞ?」
半グレは王都の問題になってはいるが、元締めが誰なのかわからぬ上に所詮半端者の集まり・・・といった認識でしかない騎士団のせいもあり、危機感はあまり広まっていない。当然、ギルドにも賞金首として挙げられているわけでもない。
苦労して潰しても一銭にもならない。ディックとて縄張りを荒らされるから対処しているわけで、自分と関係のないところでしか活動していないなら放置した可能性が高かった。
「金がどうとかどうでもいいんだよ。自分の部屋を掃除するのに見返りなんて貰おうとしないだろ?それと似たようなもんだ」
真顔でそう言うゴウキに対し、ディック「随分と広いお部屋にお住みで・・・」と皮肉そうに笑う。
「変わらねぇな兄弟は。打算的になるときはなるのに、突然損得抜きで動き出しちゃったりそういうところが。まぁ、今は大金手に入れて金のことなんか心配ないだろうけどさ」
ふぅ、と煙草の煙を吐き出したディックは煙草を灰皿に押し付けた。
「なんだ?随分俺のこと知ってるんだな。有名なのか?」
「有名だよ。当たり前だろ」
ディックは何を馬鹿なと言わんばかりの顔をしてゴウキの質問に答える。
「ブラッディー・サイクロンの件といい、既にかなりの数の冒険者の間で噂になってるぜ。お前らが助けた冒険者達が広めまくってるからな」
あぁ、とゴウキは黒鉄のダンジョンで遭難していた冒険者のことを思い出す。
「んで、これは俺の情報網なんだが、兄弟のいるフォースギルドがセントラルギルドから圧力かけられていることも知ってる」
そう言ってディックはニヤリと笑ってゴウキの顔を覗き込む。ゴウキは「あっ」と声を上げてテーブルの上に咥えていた煙草を落とした。
「忘れてた。そうだ、俺は取引してくれる業者を探してたんだ」
ゴウキはゴタゴタのせいで今の今まで外に出た目的のことを忘れていた。昼間から飲んでいる暇など無かったのである。
「悪いディック。ちょっと俺やることがあってな・・・」
「まぁ座れよ兄弟。それってギルドの取引先を探すことだろ?」
立ち上がろうとしたゴウキの腕を、ディックが素早く捕まえた。
「それなら俺のほうでツテがあるから力になれそうだぜ」
ディックはそう言って「ほらもう少し飲もうぜ」とゴウキを座らせる。
「セントラルギルドも4区の業者にまで圧力はかけてきてねぇし、きても同調する気はねぇってやつ多いしな。いろいろ癖があるやつらだが、仕事はきちんとする奴らだから心配するな」
運が良いのか悪いのか。
面倒事が一つ増えたと思ったら、面倒事が一つ解決した。
ゴウキが半グレの特徴をディックから聞き出すと、ディックは怪訝そうな顔でゴウキを見つめた。
「ゴミはゴミ箱へ。あんなの放置してらんねぇからな」
そう言って顔を歪めるゴウキ。ディックはそれを見ながら、呆れたように肩を窄めた。
「今や一流冒険者と名乗りを上げそうな兄弟が、街の不良軍団のお掃除か?金になるわけじゃねーぞ?」
半グレは王都の問題になってはいるが、元締めが誰なのかわからぬ上に所詮半端者の集まり・・・といった認識でしかない騎士団のせいもあり、危機感はあまり広まっていない。当然、ギルドにも賞金首として挙げられているわけでもない。
苦労して潰しても一銭にもならない。ディックとて縄張りを荒らされるから対処しているわけで、自分と関係のないところでしか活動していないなら放置した可能性が高かった。
「金がどうとかどうでもいいんだよ。自分の部屋を掃除するのに見返りなんて貰おうとしないだろ?それと似たようなもんだ」
真顔でそう言うゴウキに対し、ディック「随分と広いお部屋にお住みで・・・」と皮肉そうに笑う。
「変わらねぇな兄弟は。打算的になるときはなるのに、突然損得抜きで動き出しちゃったりそういうところが。まぁ、今は大金手に入れて金のことなんか心配ないだろうけどさ」
ふぅ、と煙草の煙を吐き出したディックは煙草を灰皿に押し付けた。
「なんだ?随分俺のこと知ってるんだな。有名なのか?」
「有名だよ。当たり前だろ」
ディックは何を馬鹿なと言わんばかりの顔をしてゴウキの質問に答える。
「ブラッディー・サイクロンの件といい、既にかなりの数の冒険者の間で噂になってるぜ。お前らが助けた冒険者達が広めまくってるからな」
あぁ、とゴウキは黒鉄のダンジョンで遭難していた冒険者のことを思い出す。
「んで、これは俺の情報網なんだが、兄弟のいるフォースギルドがセントラルギルドから圧力かけられていることも知ってる」
そう言ってディックはニヤリと笑ってゴウキの顔を覗き込む。ゴウキは「あっ」と声を上げてテーブルの上に咥えていた煙草を落とした。
「忘れてた。そうだ、俺は取引してくれる業者を探してたんだ」
ゴウキはゴタゴタのせいで今の今まで外に出た目的のことを忘れていた。昼間から飲んでいる暇など無かったのである。
「悪いディック。ちょっと俺やることがあってな・・・」
「まぁ座れよ兄弟。それってギルドの取引先を探すことだろ?」
立ち上がろうとしたゴウキの腕を、ディックが素早く捕まえた。
「それなら俺のほうでツテがあるから力になれそうだぜ」
ディックはそう言って「ほらもう少し飲もうぜ」とゴウキを座らせる。
「セントラルギルドも4区の業者にまで圧力はかけてきてねぇし、きても同調する気はねぇってやつ多いしな。いろいろ癖があるやつらだが、仕事はきちんとする奴らだから心配するな」
運が良いのか悪いのか。
面倒事が一つ増えたと思ったら、面倒事が一つ解決した。
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