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ゴウキ・ファミリー

レベルが低い

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「気に入らねぇな」


ゴウキは一人、街を歩きながら独りごちる。
フォースギルドで一旦メンバーと解散して、取引可能な業者を探そうと歩き出したその時から、ゴウキは何者かによって尾行されている気配を感じていた。


(一つじゃねぇな・・・)


複数の人間からの気配。
少し不自然なまでに早足にしたり、必要のない道を曲がったりを繰り返すが、尾行の気配が消えることはなかった。


(面白い)


ゴウキは口角を上げると、そのまま第4区へ立ち入った。尾行しているのがどんな人間かは知らないが、治安の悪い4区にためらわずに立ち入る者はそれほどいない。ここで篩にかけられるようなら放っておいたところで大した相手ではない。だが、尾行の気配は4区に入っても止むことはなかった。


(一部の気配はついてくるが・・・もう一つのほうは戸惑っているようだな?)


足音と気配の動きで、ゴウキは尾行してくる相手が2グループあることに気付く。一つは躊躇いなく今も尾行しているグループ、もう一つは4区に入るのを戸惑ったグループ。
やや時間をかけ、戸惑っていたグループも4区内に入ったことをゴウキは察知する。


(どこで出迎えてやろうか・・・)


ゴウキがそんなことを考えていたときだった。



「おい」


少し人気の無いところに差し掛かったところで、ゴウキは突然声をかけられた。


(ほぉ、向こうから来るのか)


ゴウキは周囲に視線を巡らせる。人気はだいぶ無いが、それでもまったく人がいないわけではない場所だった。
もう少し待てばよりもっと人気の無いところへしたものを、とゴウキは苦笑いを浮かべる。


「どうした?俺に何か用か?」


そう言って芝居がかったように、声のした方へゆっくりと振り返るゴウキ。
振り返った先には若い四人の男女がいた。

剣を持った男が一人。大剣を持った大男が一人。黒魔法使いと思われる杖を持っている女が一人、そして白魔法使いと見られる男一人だ。
良くある冒険者パーティーの組み合わせである。


「なぁ、あんたゴウキだろ?」


剣を持った男がそう言って前に出る。
ゴウキは彼がリーダー格かなと思った。


「随分と羽振りがいいみたいじゃないか。少しばかり俺達に恵んでくれないか?」


そう言ってリーダー格と思わしき男が、鞘から剣を抜く。隣の大男もそれに続き抜き、黒魔法士も杖を構えた。
言うことを聞かねば直ちに武力行使だという脅しである。


「はぁ・・・強盗にしてもあまりにレベル低すぎだろ」


「あ?」


小ばかにしたように笑うゴウキの言葉に、リーダー格が苛立たしげに顔を歪ませた。
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