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9章 ユニコーンロリと女神の邂逅

283話 【ユズちゃんのおねむぐずり配信】2

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「……柚希さん、半分寝ながらで結構ですからがんばりましょうね」
「わぷっ」

僕の頭が優しく抱きかかえられたと思ったら、優しいクッションに挟まれる。

「……んー……」

でも眠い。

「エリーさんが言っていましたように、この配信は大切なんです。 がんばってお仕事、しましょうね」

眠いから、つい甘えちゃう。

「……んー、おしごとぉ……?」

こういうときだけ、ぶりっ子してるお母さんみたいな声になるんだ。

「……はぅっ……!! ……え、ええ、お仕事ですよ……」

なでなで。

頭をこわごわと、次第にしっかりとストローク。

あー。

気持ちいー。

【速報・あやちゃん、ママプレイ】
【ママァ……】
【あやちゃんの表情……】
【バブみに溶けてるんだぞ】
【ユズちゃんの破壊力よ】

【俺もあやちゃんのおっぱいに包まれたい】
【分かる】
【それより私はユズちゃん抱きしめてなでなでしたい】
【分かる】
【どっちでも楽しめる素晴らしいプレイだな……!】
【草】
【プレイ言うな草】

【でも、あのましゅまろに包まれて甘え声出してるユズちゃんも良いもんだろ?】

【分かる】
【分かる】
【普段甘えない分やばいよな】
【おねむのときのユズちゃんからしか得られない栄養素が存在するんだ】
【分かる】

【¥30000】【¥30000】【¥30000】
【草】
【分かる】

【¥500000】
【わか……!?】

【!?】
【ふぁっ!?】
【ご、ごじゅうまん!?】
【あ、この配信、限定解除されてるのね】

「えっと、昨日とかの戦いでゆずきちゃんが……なんかこう、すっごいのってみんなが思ってるから、普段通りのユズちゃん見せてこわくないよーって教えてあげるんだよね! あ、です!」

あやさんに抱きつく形になってる僕の背中に抱きついてるのは、たぶんひなたちゃん。

ちっちゃくてあったかいもん。

「えっと、ゆずきちゃんは普通の女の子です。 ちょっとお家がダンジョンの上にあって……えっと、んと、ダンジョンの魔力を浴びるとダンジョン適性とかレベルとかが上がりやすくって、だからゆずきちゃんはちょっとだけすごいけど、でも普段はこうやってお寝坊さんでおねむさんなかわいい女の子なんです!」

ぎゅうぎゅうと押し付けられて息が苦しい。

でも温かくて柔らかい。

「………………………………」

……もう抵抗する力もないや……。

【あ、ユズちゃんが脱力した】
【腕がだらんってしてる】
【草】
【落ちたな……】

【とうとう寝落ちしたか……】
【ひなたちゃんとあやちゃんにサンドイッチされて落ちたか……】
【まぁ、そうなるな……】
【ユズちゃんだから絶対に理央様みたいな理由で堕ちないもんな……】
【そうだな……】
【草】

「えー、こほん。 人間様の政府より正式な発表があるかと思いますが、ユズ様の危険性は無い。 少なくとも、自発的に危害を加えるような存在ではない。 そのようなアピールをさせてほしいとお願いしまして、この配信の許可を……」

ふぁっさふぁっさ。

あ、羽はまだ生えてるんだ。

【羽でお返事ユズちゃん】
【かわいいね】
【かわいいね】
【もうこれでいいや】
【待て、よくわからんがそれは良くないと思うぞ】
【草】

あ、ひなたちゃんが掴んだ。

くしくしってこそばゆい。

「人間様のテリトリーに出現した別種族――ワタシたちサキュバスとインキュバスなどのモンスターや魔族――それに準ずる姿形ではありますが、本人の内面も身体能力も、魔力を行使しなければ人間様そのもので、メンタル的にも凶暴になったりなどはせず、ユズ様ご自身も魔王になって覇を唱えるなどは……」

「……ねぇお母さん」
「なぁに? ゆず」

「えっ」

【草】
【草】
【流れぶった切ってて草】
【ユズちゃん……】
【エリーちゃんかわいそう】
【かわいそう】

「今回のってお金、入るのかなぁ」
「ええ、今は忙しいらしいけど、後で入るらしいわぁ」

「……いえ、構いません……ええ、こちらの方がユズ様の無害性をアピールできますから……ええ」

【げんきだして】
【エリーちゃんがんばって】
【ユズちゃんのおもりは大変だから、みんなでやろうね……】
【草】
【マジでちょうちょだからなぁ】
【子供だもんねぇ……】

「理央ちゃん、お野菜、売れるかなぁ」

「あへぇ……あ、はいぃぃぃぃ!! 全力で売りますとも!! 命にかけましても!!!」

「理央ちゃんうるさいよ……」
「ゆずきちゃんがうるさいって言ってるよ」
「理央さん、またカメラを壊さないでください」

【草】
【草】
【今のはしゃーない】
【ユズちゃんに急に話しかけられたらしょうがない】
【マイクさんかわいそう】
【草】

配信画面には、だーってコメントが流れてる。

速すぎて読めないけども、怒ってるとかそういうのじゃないらしい。

けど、そんなことよりも。

「……ってことはさぁ……」

……じゅるり。

「……鰻とか……食べれるかなぁ……」
「昨日みたいに豪快な串焼きも良いけど、まずは鰻よねぇ……」

あ、いけない、あやさんの服が汚れちゃう。

鰻。

うなぎ。

名前と匂いと蒲焼きのタレくらいしか知らない存在。

「……食べてみたいなぁ……」

【任せろ】
【任せて】
【¥2000】
【¥3000】
【¥5000】

【絶妙にうな重のお値段で草】
【あの、何十食分も投げ銭連打されてるんですけど】

【うちの鰻、出前します!!】
【屋台出せます!!】
【ユズちゃん……いっぱいお食べ……】
【ユズちゃん、腕とか細いもんね  うちの鰻で良かったらいつでもお食べ】

【草】
【全国のうなぎ屋のアピコメが!!】
【まぁね……ユズちゃんの生い立ち聞いたらね……】
【子供にはおなかいっぱいになってほしいんだ】
【分かる】
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