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6章 庭のダンジョンと衝撃
166話 庭で楽しそうなみんな
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「そういうわけですから、特ににんじんさんとかきゅうりさんとか……あ、ナスまでありますね。 それは柚希先輩が抜いてください! いいですね、抜いてくださいね! 優しく!」
「よく分からないけど分かった……」
あいかわらずに変なテンションで変な言いまわしをしている理央ちゃん。
この子、普通に男子とも話が合うからなぁ……。
【理央様、お前……】
【ナチュラルにセクハラしてる】
【なるほど、いつもこうなのか……】
【ユズちゃんの無知を利用して……】
「? ひなたたちはダメなの?」
「柚希さんのお庭のですし、それが良いみたいです。 私たちはじゃがいもさんとか、もっと別のにしましょう」
【おっと、ここにも無知っ子が】
【いいね】
【きょとんとしてるのがたまらない】
【分かる】
【あやちゃんも分かってないっぽい?】
【特に恥ずかしがってないみたいだし】
【今どきの大学生でそれぇ!?】
【ガタッ】
【やはり百合……ユニコーンが好む百合がここに……!】
【あ、優ちゃん?だっけ?は顔赤くしてる】
【それはそれで】
【非常によろしい】
【大学生? 高校生?】
【とにかく恥ずかしがるのは素晴らしい】
【素晴らしい】
【草】
【こいつら、本当に……】
【理央様がいけないんだ……最初に言い出したのは理央様なんだ……!】
【まー焚きつけたのは100%理央様ですねぇ】
【理央様! 殿方を煽るのはよくありませんわ!】
理央ちゃんがおかしいのはいつものこと。
特に困ることもないし、よく分かんないノリで勝手に楽しんでるだけだからほっとくのが1番。
だってよく分かんないし、一緒に楽しめないし。
この子がクラスでこういうノリになると、僕はいつもそっと離れて、おとなしめの男子とか女子とかのグループに移動するんだ。
「あ、じゃあひなたバケツとか運ぶね!」
「うん、お願い。 重くない?」
「潜ったおかげで力ついてるから大丈夫!」
【そして……】
【ああ……】
【俺たちのユズちゃんは、とっくに興味をなくして……】
【ただただにんじんさんを両手で優しく……ふぅ……】
【しかもそのにんじんさん、ひなたちゃんがお手伝いして……】
【ロリっ子とロリっ子がきゃっきゃうふふしながら抜いたにんじんさん……】
【これは高値が付きそうだな……!】
【うむ うむ】
◇
「……いやぁ、まさか本当に勝手に配信が……」
「ごめんなさい優さん、巻き込んじゃって」
「ううん、柚希さんたちのせいじゃないだろうし、柚希さんの機転で妹ってことにしてもらえたから」
ごめんなさい、多分僕のせいです。
なぜかは分からないんだけども、勝手に配信しちゃうんです。
最初のころから、なぜかずっと。
理央ちゃ……光宮さんの指導で言われるままに、みんなで野菜の収穫をして。
カメラ映りとか、引き抜く姿とか引っこ抜いたのをほっぺにくっつけるとか、よく分かんないこだわりを発揮してた彼女。
でもコメント欄はすごい盛り上がりだったから、多分それが正解だったんだろうね。
僕にはさっぱりだけども。
あと、1番盛り上がってたのが……野菜を丁寧に拭うとこだったんだけども……なんでだろうね。
田中君なら分かるかな?
「あとはオークションサイトに出しとくだけなので、先輩は休んでてください!」
「ありがと。 ほんとうに何でもできるねぇ」
コメント欄じゃ、みんなが悪ノリしてにんじん1本30万とかになってたけど……さすがにいざお金を入れるとなったら、そんなにはならないはず。
悪ノリしてる学生だって、先生の前じゃおとなしいもの。
きっとそうだ。
「でも、びっくりしたよ」
「どうしたんですか? 優さん」
汗を拭って、縁側で休んでた彼女が話しかけてくる。
「いや、ね。 こんなに一気に野菜が育つのなんて、初めて見たから」
「? 理央ちゃんが言ってた、ダンジョン化……じゃ」
「ううん、そんなことない。 普通はこの何分の1だよ、多くて。 しかも、こんなに実らないみたいだし。 じゃなければ、もっと量産されて値段も下がるはずだから」
「そうなんですか……」
ぽりぽりぽりぽりって、気が付けば……ヘタの数的には20を超えるにんじんさんを食べてるおまんじゅう。
……これ、お店で食べたら……最低でも20万。
やめよ、考えるの……手が震えてきたし。
「チョコちゃーん! こっち! こっち石ころいっぱいあるよー!」
「これだけ食べても大きくならないのですねぇ」
一方で庭では、チョコを操作して楽しんでるひなたちゃんと、感心してるあやさん。
チョコはチョコで、2人に声をかけられたり運ばれたりするのをとっても喜んでいるらしい。
何となく気持ちが伝わるって便利だね。
「……あの2匹が喜んでくれてるみたいなので、良かったです」
「あー……うん。 今は、それで良いかなぁ」
「?」
「今の緊急事態が収まったら、この家ごと……」とか、「庭の貸し出しだけで月に……」とか、ぶつぶつつぶやいて考えてる優さん。
僕は、空を見上げる。
ほどよい日差しにほどよいあったかさ、みんなが楽しそうにしてる声。
うん。
こういうのも良いなぁ……。
「……あ、そうですね! 購入者特典として、1枚1枚微妙にちがう柚希先輩のチェキ写真を……」
光宮さんも楽しそうだし。
あいかわらず、なに言ってるのかさっぱり分からないけども。
「よく分からないけど分かった……」
あいかわらずに変なテンションで変な言いまわしをしている理央ちゃん。
この子、普通に男子とも話が合うからなぁ……。
【理央様、お前……】
【ナチュラルにセクハラしてる】
【なるほど、いつもこうなのか……】
【ユズちゃんの無知を利用して……】
「? ひなたたちはダメなの?」
「柚希さんのお庭のですし、それが良いみたいです。 私たちはじゃがいもさんとか、もっと別のにしましょう」
【おっと、ここにも無知っ子が】
【いいね】
【きょとんとしてるのがたまらない】
【分かる】
【あやちゃんも分かってないっぽい?】
【特に恥ずかしがってないみたいだし】
【今どきの大学生でそれぇ!?】
【ガタッ】
【やはり百合……ユニコーンが好む百合がここに……!】
【あ、優ちゃん?だっけ?は顔赤くしてる】
【それはそれで】
【非常によろしい】
【大学生? 高校生?】
【とにかく恥ずかしがるのは素晴らしい】
【素晴らしい】
【草】
【こいつら、本当に……】
【理央様がいけないんだ……最初に言い出したのは理央様なんだ……!】
【まー焚きつけたのは100%理央様ですねぇ】
【理央様! 殿方を煽るのはよくありませんわ!】
理央ちゃんがおかしいのはいつものこと。
特に困ることもないし、よく分かんないノリで勝手に楽しんでるだけだからほっとくのが1番。
だってよく分かんないし、一緒に楽しめないし。
この子がクラスでこういうノリになると、僕はいつもそっと離れて、おとなしめの男子とか女子とかのグループに移動するんだ。
「あ、じゃあひなたバケツとか運ぶね!」
「うん、お願い。 重くない?」
「潜ったおかげで力ついてるから大丈夫!」
【そして……】
【ああ……】
【俺たちのユズちゃんは、とっくに興味をなくして……】
【ただただにんじんさんを両手で優しく……ふぅ……】
【しかもそのにんじんさん、ひなたちゃんがお手伝いして……】
【ロリっ子とロリっ子がきゃっきゃうふふしながら抜いたにんじんさん……】
【これは高値が付きそうだな……!】
【うむ うむ】
◇
「……いやぁ、まさか本当に勝手に配信が……」
「ごめんなさい優さん、巻き込んじゃって」
「ううん、柚希さんたちのせいじゃないだろうし、柚希さんの機転で妹ってことにしてもらえたから」
ごめんなさい、多分僕のせいです。
なぜかは分からないんだけども、勝手に配信しちゃうんです。
最初のころから、なぜかずっと。
理央ちゃ……光宮さんの指導で言われるままに、みんなで野菜の収穫をして。
カメラ映りとか、引き抜く姿とか引っこ抜いたのをほっぺにくっつけるとか、よく分かんないこだわりを発揮してた彼女。
でもコメント欄はすごい盛り上がりだったから、多分それが正解だったんだろうね。
僕にはさっぱりだけども。
あと、1番盛り上がってたのが……野菜を丁寧に拭うとこだったんだけども……なんでだろうね。
田中君なら分かるかな?
「あとはオークションサイトに出しとくだけなので、先輩は休んでてください!」
「ありがと。 ほんとうに何でもできるねぇ」
コメント欄じゃ、みんなが悪ノリしてにんじん1本30万とかになってたけど……さすがにいざお金を入れるとなったら、そんなにはならないはず。
悪ノリしてる学生だって、先生の前じゃおとなしいもの。
きっとそうだ。
「でも、びっくりしたよ」
「どうしたんですか? 優さん」
汗を拭って、縁側で休んでた彼女が話しかけてくる。
「いや、ね。 こんなに一気に野菜が育つのなんて、初めて見たから」
「? 理央ちゃんが言ってた、ダンジョン化……じゃ」
「ううん、そんなことない。 普通はこの何分の1だよ、多くて。 しかも、こんなに実らないみたいだし。 じゃなければ、もっと量産されて値段も下がるはずだから」
「そうなんですか……」
ぽりぽりぽりぽりって、気が付けば……ヘタの数的には20を超えるにんじんさんを食べてるおまんじゅう。
……これ、お店で食べたら……最低でも20万。
やめよ、考えるの……手が震えてきたし。
「チョコちゃーん! こっち! こっち石ころいっぱいあるよー!」
「これだけ食べても大きくならないのですねぇ」
一方で庭では、チョコを操作して楽しんでるひなたちゃんと、感心してるあやさん。
チョコはチョコで、2人に声をかけられたり運ばれたりするのをとっても喜んでいるらしい。
何となく気持ちが伝わるって便利だね。
「……あの2匹が喜んでくれてるみたいなので、良かったです」
「あー……うん。 今は、それで良いかなぁ」
「?」
「今の緊急事態が収まったら、この家ごと……」とか、「庭の貸し出しだけで月に……」とか、ぶつぶつつぶやいて考えてる優さん。
僕は、空を見上げる。
ほどよい日差しにほどよいあったかさ、みんなが楽しそうにしてる声。
うん。
こういうのも良いなぁ……。
「……あ、そうですね! 購入者特典として、1枚1枚微妙にちがう柚希先輩のチェキ写真を……」
光宮さんも楽しそうだし。
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