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6章 庭のダンジョンと衝撃
165話 理央ちゃんのことはほっとこう
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「こういう土地で採れる野菜は、魔力が豊富なんです。 もちろん、ポーションとかに比べると少ないですけど、それでも継続して採り続けることで、ダンジョンの素養が底上げされるんです」
「ゲート前でも結構高値で売られてますよね?」
「ええ。 そういう料理を出すお店は、安くても1食で万単位ですね……食後しばらく魔力とかが増えるので」
「あー、ひなた、見たことあるー」
「私もあります。 その、にんじんで1本数万円というのは、何かの冗談かと思っていましたが……」
「?」
数万円?
「??」
1食1万円?
「???」
にんじん1本で……おまんじゅうがかじってるの1本で、数万円?
「……????」
【かわいい】
【かわいい】
【みんなの顔をきょろきょろして必死に理解しようとしてるユズちゃんがかわいい】
【わかる】
【首をかしげながら考えてるユズちゃん】
【左にかしげてきょろきょろ、右にかしげてきょろきょろ】
【かわいい】
【なにこのかわいいいきもの】
【ユズちゃんっていうの、大切に見守ろうね】
【いいな! ユズちゃんはこれでも必死なんだぞ!】
【ああ……!】
【ユズちゃんユズちゃん、優ちゃんの言うことはマジよ】
【中級者以上はみんな、こういう野菜とかを積極的に食べてるのよ】
「へー、そうなんですかぁ」
次々にいろいろと教えてくれるコメント欄を観察する。
――こういう野菜は、魔力を上げる効果がある。
――さらには経験値も少しだけど入る。
つまり――「ダンジョンに入らなくっても、毎日食べ続けてたらレベルが上がる」。
――お金持ちは、こういうのを子供に食べさせている。
などなど。
【一般人が食べても、特に悪影響が無いのは証明済みらしいぞ】
【ダンジョンの適性が無ければ普通に意味ないらしいけど】
【消化できないって悲しいのね】
【まぁ高すぎるから一般人は買わないけどな】
【まあねぇ、にんじん1本数十円が数万円はねぇ……】
【一般人が食べ続けるとダンジョンの素養が出るとか出ないとかいう都市伝説もあるけどなぁ】
【ま、都市伝説は都市伝説ってことで】
「……野菜に、魔力が?」
僕は、ふとおまんじゅうたちを振り返る。
「きゅひっ」
おまんじゅうは……ヘタだけ食べないから、落ちてるそれを見れば何本食べたか分かる。
で、多分だけども12本目を食べたって分かるし、チョコはそれなりの面積の土を飲み込んだって分かる。
「ぴっ」
「……モンスターが食べても、大丈夫なんでしょうか」
【草】
【こいつら……食べたのか……】
【本能的に食べたんじゃね?】
【うわすげぇ、シルバースライム、土食べてら】
【まるでミミズだな】
【あー、うん、大丈夫っぽい テイマーの情報、少なすぎて確実じゃないけど】
【まぁモンスターってダンジョン産だしな】
「そうですかぁ……良かったぁ」
心配してる僕のことなんかこれっぽっちも気にせずに、むしゃむしゃし続けている2匹。
なんだかすっごく楽しいって気持ちが伝わってきてるけども、どうやら問題は無いらしい。
【その野菜、ユズちゃんたちで食べても良いし、売っても良いんだぞ】
【そうそう、ユズちゃんたちが食べたら経験値とか底上げできるし、売れば結構なお金になるんだ】
【言い値で買うぞ! いくらだユズちゃん!!】
「……なぁるほどぉ……言い値ですかぁ……ふふ、ふふふふふ……」
がしぃっと僕のスマホを取り上げる理央ちゃん。
「柚希先輩♪」
そんな彼女は、いつも以上の笑顔で僕を見てくる。
「儲けても、良いですよね? ダンジョン、潜れませんし、バイトもできませんし?」
「え……あ、うん。 あ、でも、ぼったくりは……」
「――なるほど、相場はそのくらいだと……じゃあ! ご覧ください!」
ばっ、と、元気な声でぴって硬直した僕の手を掴んで、カメラに映す理央ちゃん。
「このおてて! 柚希先輩のおててで1本1本引っこ『抜いた』お野菜さんたち。 ちっちゃいおててで優しく『ぬいた』にんじんさんたちとか!」
「ちょ、理央ちゃん」
ぐいぐいって僕の手をカメラすれすれに近づけながら、耳元で訳の分からないことを言う理央ちゃん。
「柚希先輩のお手々の汗とか肌の繊維とかが、ちょーっと入っているかもいないかもしれないお野菜たち! ご覧ください! ちょっと汗ばんでます!!!」
【草】
【理央様……お前……】
【絶対分かって言ってるわこのJK】
【やらしい】
【アピールの仕方よ】
【これがギャルJKの下ネタ……ふぅ……】
【え? 女子から分かってて振られるのって最高じゃね?】
【最高だな!】
【これ以上なく購買欲をそそるな!】
もはやこの場は理央ちゃんの独壇場。
何がやらしいのかは分からないけども、多分ネットのノリってヤツなんだ。
うん、いつものだね。
「――オークション形式で、みなさんにお値段決めてもらいましょう! みんな嬉しくって、柚希先輩も嬉しい! ですよね!」
「ゲート前でも結構高値で売られてますよね?」
「ええ。 そういう料理を出すお店は、安くても1食で万単位ですね……食後しばらく魔力とかが増えるので」
「あー、ひなた、見たことあるー」
「私もあります。 その、にんじんで1本数万円というのは、何かの冗談かと思っていましたが……」
「?」
数万円?
「??」
1食1万円?
「???」
にんじん1本で……おまんじゅうがかじってるの1本で、数万円?
「……????」
【かわいい】
【かわいい】
【みんなの顔をきょろきょろして必死に理解しようとしてるユズちゃんがかわいい】
【わかる】
【首をかしげながら考えてるユズちゃん】
【左にかしげてきょろきょろ、右にかしげてきょろきょろ】
【かわいい】
【なにこのかわいいいきもの】
【ユズちゃんっていうの、大切に見守ろうね】
【いいな! ユズちゃんはこれでも必死なんだぞ!】
【ああ……!】
【ユズちゃんユズちゃん、優ちゃんの言うことはマジよ】
【中級者以上はみんな、こういう野菜とかを積極的に食べてるのよ】
「へー、そうなんですかぁ」
次々にいろいろと教えてくれるコメント欄を観察する。
――こういう野菜は、魔力を上げる効果がある。
――さらには経験値も少しだけど入る。
つまり――「ダンジョンに入らなくっても、毎日食べ続けてたらレベルが上がる」。
――お金持ちは、こういうのを子供に食べさせている。
などなど。
【一般人が食べても、特に悪影響が無いのは証明済みらしいぞ】
【ダンジョンの適性が無ければ普通に意味ないらしいけど】
【消化できないって悲しいのね】
【まぁ高すぎるから一般人は買わないけどな】
【まあねぇ、にんじん1本数十円が数万円はねぇ……】
【一般人が食べ続けるとダンジョンの素養が出るとか出ないとかいう都市伝説もあるけどなぁ】
【ま、都市伝説は都市伝説ってことで】
「……野菜に、魔力が?」
僕は、ふとおまんじゅうたちを振り返る。
「きゅひっ」
おまんじゅうは……ヘタだけ食べないから、落ちてるそれを見れば何本食べたか分かる。
で、多分だけども12本目を食べたって分かるし、チョコはそれなりの面積の土を飲み込んだって分かる。
「ぴっ」
「……モンスターが食べても、大丈夫なんでしょうか」
【草】
【こいつら……食べたのか……】
【本能的に食べたんじゃね?】
【うわすげぇ、シルバースライム、土食べてら】
【まるでミミズだな】
【あー、うん、大丈夫っぽい テイマーの情報、少なすぎて確実じゃないけど】
【まぁモンスターってダンジョン産だしな】
「そうですかぁ……良かったぁ」
心配してる僕のことなんかこれっぽっちも気にせずに、むしゃむしゃし続けている2匹。
なんだかすっごく楽しいって気持ちが伝わってきてるけども、どうやら問題は無いらしい。
【その野菜、ユズちゃんたちで食べても良いし、売っても良いんだぞ】
【そうそう、ユズちゃんたちが食べたら経験値とか底上げできるし、売れば結構なお金になるんだ】
【言い値で買うぞ! いくらだユズちゃん!!】
「……なぁるほどぉ……言い値ですかぁ……ふふ、ふふふふふ……」
がしぃっと僕のスマホを取り上げる理央ちゃん。
「柚希先輩♪」
そんな彼女は、いつも以上の笑顔で僕を見てくる。
「儲けても、良いですよね? ダンジョン、潜れませんし、バイトもできませんし?」
「え……あ、うん。 あ、でも、ぼったくりは……」
「――なるほど、相場はそのくらいだと……じゃあ! ご覧ください!」
ばっ、と、元気な声でぴって硬直した僕の手を掴んで、カメラに映す理央ちゃん。
「このおてて! 柚希先輩のおててで1本1本引っこ『抜いた』お野菜さんたち。 ちっちゃいおててで優しく『ぬいた』にんじんさんたちとか!」
「ちょ、理央ちゃん」
ぐいぐいって僕の手をカメラすれすれに近づけながら、耳元で訳の分からないことを言う理央ちゃん。
「柚希先輩のお手々の汗とか肌の繊維とかが、ちょーっと入っているかもいないかもしれないお野菜たち! ご覧ください! ちょっと汗ばんでます!!!」
【草】
【理央様……お前……】
【絶対分かって言ってるわこのJK】
【やらしい】
【アピールの仕方よ】
【これがギャルJKの下ネタ……ふぅ……】
【え? 女子から分かってて振られるのって最高じゃね?】
【最高だな!】
【これ以上なく購買欲をそそるな!】
もはやこの場は理央ちゃんの独壇場。
何がやらしいのかは分からないけども、多分ネットのノリってヤツなんだ。
うん、いつものだね。
「――オークション形式で、みなさんにお値段決めてもらいましょう! みんな嬉しくって、柚希先輩も嬉しい! ですよね!」
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