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4章 初心者ダンジョン卒業、中級者ダンジョンへ

99話 かっこいい月岡……ゆうさん

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「とにかく! 私たち、これからお世話になります月岡さんのことはあんまり悪く言わないで……月岡さん?」

「視聴者のみなさん、お手柔らかに……まぁ、いつも俺のパーティーの配信でも、ハーレムだとかで散々言われてぼこぼこですから慣れてますから、ほどほどに……」

女の子ばっかり――に見えるところに、かっこいい男の人。
だからか、大変なことになってるらしい。

僕はそんなに器用じゃないから、配信中にそんなにコメント欄を見たりできない。

それはひなたさんもあやさんもおんなじで、だからコメント欄と楽しそうにしてるのは光宮さんだけ。

今日からしばらくは……なんか苦笑いしてる月岡さんもだね。

うん……女の子パーティーにたったひとりの男って居心地悪いよね。

その気持ち、すっごくよく分かる。
でも今は2人だから安心してね?

僕はそう見てもらえないけども。

でも、月岡さん……ゆうさんと僕、光宮さんにあやさんにひなたさんって言う、男女が2対3になってちょっと安定したんだもん。

僕も、スキを見て話しかけに行こっと。
男同士、きっと盛り上がるに違いないんだ。

【ユズちゃんが女の顔してあああああ】
【あああああ野郎を見ている!!】
【あああああああ】
【ユニコーン! 貴様の角は何のためにある!!】
【ユニコーン! さっさと始末しろ! 許可する!】
【理央様! 理央様!】

【草】
【コメント欄が荒れ放題で草】
【ま、まあ、罵倒とかはNGになってるから……】
【ことごとく勝手で草】
【護衛つってんだろ草】

それにしても、月岡さんの髪の毛……さっぱりしてていいなぁ。

前の方は長めだけど後ろの方は短めで、運動部の人の中でも髪の毛が長めの人がしてるようなの。

僕もあんな感じに切ろうっと。

……けど、髪の毛用のハサミ……どこ行っちゃったんだろ。

梳きばさみは出てきたんだけどなぁ……。

【理央ちゃん!! ユズちゃんが野郎に熱い視線送り始めたから急いで!!】

「え゛っ!? あ、はい! じゃあみんな行きますよほらほら柚希先輩何ぼーっとしてるんですかさっさとあやさんと陣形組んでください!!」

「え? あ、うん」

【セーフ!】
【百合ガード発動!】
【効果:百合の間に挟まる男は消滅する!】
【お前ら……】
【草】

がーっと走ってきて、月岡さんと僕を遮る感じに迫ってくる光宮さん。

……もう、そんなことしなくても取らないよ。

そんなに月岡さんのこと気に入ったの?
大体君は知ってるでしょ……僕の性別。

【ナイスディフェンスですわ理央様!】
【理央お姉様!】
【肝心なときはヘタレるからこそ普段はがっちりガードですわ!!】

【草】
【百合お嬢様部がやって来たぞっ】
【ま、まあ、害はないから……】
【礼儀正しい……正しい? お嬢様たちだから……】
【配信者界隈にはびこるショタコンどもよりはずっとマシだから……】
【<URL>】
【しっしっ】

今日潜るダンジョンは、25階層。

初心者ダンジョンの中じゃ1番深い部類で、出てくるモンスターもちょっと強めなんだって。

これでどこまで安全に潜れるかで、今後の計画立てるとかなんとかって光宮さんが言ってた。

「柚希先輩は……安全を見積もって、あやさんと同じレベル5。 ひなたちゃんが」
「なな!」

【ひなたちゃんななちゃい】
【実際そうでもおかしくないよな】
【残念ながら身長的には高学年なんだ……残念ながら……】
【お前……】
【小1はさすがにちょっと……】
【もしもしお巡りさん?】
【やめて】

【お前ら、ユズちゃん見てそれ言えるか?】
【自称高校生なのに小学生扱いされてるユズちゃん……】
【ごめん】
【ごめんね、ユズちゃん】
【いいよ】
【ありが……誰だ貴様!?】
【草】

【というかユズちゃん、前回からあんまりコメント欄とか見てないよな?】
【多分ちょうちょ追いかけるので精いっぱいなんだよ】
【ま、まあ、本の文章とコメント欄は違うから……】
【ユズちゃん、情報量多いと諦めそうよねぇ……】
【草】

【まぁいいや……ユズちゃんが1番かわいいのはぼーっとしてるときだし】
【興味深いもの見るとほへーって口あくのがかわいいよね】
【「ほへー」って言ってるのもかわいい】
【かわいい】

【あざといはずなのにあざとくないのがユズちゃん】
【だってユズちゃん、計算してこんな高等なことできないもん】
【草】
【ユズちゃんに対する信頼で草】
【ユ、ユズちゃんだから……】

「で、私のレベルが14ですね。 月岡さんは?」

「俺は34……最近上がったから35かな」

「35!? すごいです……」
「しゅごーい!」
「ほへー……」

【35……前ので17くらい……って高いわ!?】
【あの……この月岡って人、大学生でさ、たったの半年で初心者からここまで来てるガチ勢らしいぜ】
【ひぇっ】
【すごすぎない?】
【化け物過ぎぃ!?】

【普通に中級者としてプロのパーティーからスカウト来てるってよ】
【だろうなぁ】
【もう大学行かなくても普通に上級者パーティー目指せるじゃん……何このイケメン……】

【イケメン・爽やか・モテる・ハーレム構築済み・将来はトップランカー……何この全てを持った男】

【もはや嫉妬すら覚えない】
【野郎とはいえ、そんな人に護衛してもらえるなんて……】
【普通はこんな機会ないよねぇ】
【やっぱいろいろ持ってるわ、ユズちゃんたち】
【なおそのユズちゃんたちもいろいろとおかしい模様】

【あやちゃんにひなたちゃん……君たちだけはそのままでいて……】
【普通にかわいいのが好きよ】
【あ、悪い意味じゃなくて本当にかわいくて好き】

【理央様は理央様だし、ユズちゃんはユズちゃんだし、もう心の拠り所がないんだ……お願い……】
【草】

月岡さん。

格好良い全身鎧の上下セットに、細長い剣……レイピアって言うんだっけ。

あの、スポーツだと宇宙服みたいなの着てつつき合ってるあれだ。

ってことはスピードと手数重視な戦闘スタイル。

要はモンクな光宮さんの、リーチが長いけどちょっとだけ動きは鈍いバージョンの前衛職ってことだね。

「すんっ……」

ん、また……鼻が利きすぎるのも気まずいなぁ……男なのにさ。

「……ゆずきちゃん」
「んぅ?」

「ちゃんとひなたたちのこと、見ててね」
「? うん、もちろん」

【キマシ】
【ガタッ】
【これは妹系百合っ子が嫉妬している姿です  間違いありませんわ】
【イケメン狙いじゃなくて?】

【ええ、ひなた様はユズ様の腕を触りながら熱い視線を】
【これはあの挟まる男性ではなく、ユズ様を取られまいと必死なのですわ】
【識者の観察眼】
【ただの妄想では?】
【失礼ですわ!!!】

【じゃあ根拠は?】
【勘ですわ!!】
【草】

【良かった……これでイケメンのコメント欄荒らさずに済む……】
【お前ら……】
【だって、月岡っての……ユズちゃんたちとは違って、コメントフィルターゼロのノーガード戦法なんだもん……】
【草】

【漢らしすぎる】
【やだイケメン】
【イケメンは心までイケメンなのか……】
【お前ら、そんなイケメンのこと叩きすぎるなよ?  自分がみじめになるぞ?】

【なる  なった】
【月岡ラブな女性視聴者から反撃受けてもうぼろぼろ】
【おろろろろろろ】
【ああああああ!】
【草】
【ユニコーン視聴者たちがあまりにもみじめで草】
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