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1章 僕が女装して配信することになったきっかけ

10話 【第1056ダンジョン前定点実況】 同接:32→16572

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【おはよう  今日は人多いな】
【おはよう】
【おはよう】

【ああ、ちょうど今朝が生え替わりだからな】
【あー、ダンジョンの構造リセットの日、今日だったか】
【最近モンスターも少なくて過疎気味だったもんな】
【この地方の有名パーティーが一斉に配信開始してるぞ】
【マジ? やべ、忘れてた】

【けどさ、こんな田舎の初心者~中級者ダンジョンに、こんなに人集まるんだな】
【まあな、RTAできる実力あるヤツ集まってくるしな】
【生え替わり直後が危険な代わりに、宝箱とかドロップとかの見返りが良いってな】
【あー】

【良いよなぁこいつら  ダンジョンの適性あって】
【こればかりは先天的らしいしなぁ】
【運動部でガッチガチのヤツでも無かったり、逆に文化系極めたヤツでも戦闘系のスキルで超高速で走れたりするしな】

【現代の科学じゃ分からないんだからしょうがない】
【来世に期待しよう】
【待て、早まるな】
【違うって!?】
【草】
【まぁなんだかんだ5割くらいに適性はあるけど、実際継続的に潜るのはその何分の1だしな】
【やっぱ万が一もある肉体労働は怖いって】

【で、現在、国内ランキング上位の中で数パーティーくらい潜ってるらしいな】
【プロ配信者なら数十組居るな】
【こんなド田舎へはるばるとご苦労さん】
【低レベルダンジョンでも生え替わりは美味しいからな】
【地元勢が少ないのはしょうがない……】
【単純に数が足りないもんなぁ】

【適性があって、さらにダンジョン潜り向きなやつほど引き抜きされてさっさと都会に行っちゃうってやつー】
【田舎の悲しみ】
【まぁダンジョン以外の雇用とかとおんなじだから……】
【ぶわっ】
【おちんぎん……おちんぎんと人手不足をどうにか……】

【人が居ないからお仕事がなくて、お仕事がないからおちんぎんが低くて、お賃金が低いから人が居ないスパイラル……】
【こうして地方は廃れていくのであった】
【悲しい】
【おちんぎんをもっと……】
【増やすとな……雇ってる側のが減るんだ……】
【ぶわっ】

【このライブカメラ実況の数も悲しい】
【ダンジョン生え替わり初日! 32人!】
【少なっ】
【ちなみに大都市圏のだと、同規模のダンジョン前のでも余裕で1000人行くんだぜ】
【ま、まぁ、大体みんな潜ってる配信者の配信に行っちゃうから……】
【そもそも休日の朝だし】

【あれ?】
【どうした】
【今バスから出て来た子……ちっちゃくない?】
【ちっちゃい】
【かわいい……か分からん】
【あー、一般人か非公開勢かで顔オフなのか】

【でっかいお人形みたいなの抱っこしてる……!】
【顔と同じくらいの大きさの人形抱っこして歩く幼女……実在したのか……!】
【え? ガチ幼女?】
【そのへんの高校生とかより頭1個分ちっちゃい】
【幼女ではないが小学生くらいか】

【それは幼女では?】
【幼女の定義については審議が必要だな】
【このロリコンどもめ!】
【こ、個人情報分からない幼女らしき女子の噂してるだけ……ああうん犯罪者だわどう見ても】

【これで犯罪者にならないってだけで、海外じゃうらやましがられるもんな!】
【国民総ロリコンだもんな!】
【草】

【一軒一軒の前で止まってのぞき込んでる……やっぱり幼女?】
【慣れてない感じだし、配信者とかここで働いてる人の家族とかじゃね?】
【だな、服装も普通のパーカーにスカートにズボンだし】

【いや、これ違うぞ? パーカーの下がぶかTなだけだ】
【スカートに見えるだけだな】
【なるほど】
【生足がまぶしい】
【お前……幼女相手に……】

【でも両腕にぬいぐるみ抱いてるからめっちゃ目立ってる】
【そりゃ目立つだろ】
【しかも周囲で聞こえてくる会話的にもかわいいらしいぞ】
【マジか】

【お嬢ちゃんお嬢ちゃん、危ないからこっちおいで】
【ぐへへ】
【通報しました】
【おいやめろ】
【冗談じゃなくなるから止めてくれマジで】

【あのぬいぐるみ……なんか不思議な造形してるけどなんのぬいぐるみなんだろう】
【さあ?】
【!?】
【ぬいぐるみが鳴いた!?】
【首動いて、あの子見上げてる……生きてるわこれ】
【マジか】

【こんな珍妙な生きもの、モンスターくらいしか】
【だからモンスターなんじゃね?】
【えっ】
【えっ】
【確かにモンスターならアリ……なのか……?】

【こんだけおとなしいってことはテイムされてるんだよな?】
【だろうな、じゃなきゃ今ごろとっくに周囲の索敵スキル持ちから囲まれてる】

【囲まれて「お嬢ちゃん、危ないからそれ置いて離れて!」って言われてる】
【でも「殺さないで……お願い……」って健気な幼女】
【ぶわっ】
【ぶわっ】
【お前ら……】

【えーっと、白い肌に白くて短い毛並み、頭頂部からおしりまで数センチの毛……】
【毛の話はやめて】
【やめない】
【やめろ】
【落ち着け】

【尻尾もあるな】
【うーん……特徴的には……馬……?】
【ああうんポニーだわ……シープとかかもだけど】
【幼体だからか何とか見える範囲だけど……しかし珍しいな】

【まぁ草食動物がベースになってる魔物なら気性は穏やか……だっけ?】
【※バッファローとかもその仲間です】
【ま、まぁ、テイムされてるなら……】
【幼体は成体とけっこう違う姿だからなー】

【じゃあこの子がテイマー?】
【かもしれないし、家族とか知人がそうなのかも。 テイマー自身と仲が良い人間なら言うことある程度聞くらしいし】
【へー】
【まぁテイマー自体が少なさ過ぎてよく分かってないんだけどな】
【レアスキルだもんなぁ】

【!?】
【!?】
【ゲート前に来たと思ったらぬいぐるみみたいなモンスターに顔うずめてる幼女】
【あっ……尊い】
【あっ……心停止】
【成仏して】

【周囲がざわついている】
【そらそうよ】
【やべぇ、女子たちの顔が女になってる】
【女(母】
【母性を刺激されたか】
【これは保護ルートか?】
【テイマーなお兄ちゃんとかお姉ちゃんが待ちきれなくてきちゃった系幼女だったか】

【と思ったらケロッとして帰り始めてて草】
【草】
【うわようじょきりかえはやすぎ】
【まぁ子供なんて数秒で笑ったり泣いたりするし……】
【子供は一瞬で全部切り替わる生き物だからなぁ……】

【何何? なんかやたら人多いしコメント多いんだけど】
【地元の定点実況がやたら伸びてるので来ました】
【懐かしいなぁ、俺も仕事先が……ってなんだあの幼女!?】
【草】
【ああ、びっくりするよな】

【知り合いに似てると思ったけど……あんなに髪長くなかったし、さすがにお人形さん抱っこするようなヤツじゃなかったから気のせいか】

【おっと、個人情報には慎重にな】
【悪い】
【俺も知り合いかと思ったけど……アイツは高校生だから違うなぁ】
【顔がはっきり分かればなぁ】
【アイツ、妹とか居なかったはずだしなぁ……】

【あの……今ダンジョン協会の図鑑見てたんですけど、これ……<URL>】
【お、さっきのモンスターと似てるな】
【でかした……って、ユニコーン!?】
【はぁ!? あの目撃例、世界で数回の!?】
【その幼体の想像図に、この子のモンスターがそっくりってマ?】

【速報・幼女、ユニコーンの幼体を抱っこして歩いてた】
【ちょっと待て、文脈がいろいろとおかしい】
【でも情報をまとめるとこうなっちゃう】
【あの、こんなド田舎でレア過ぎるモンスターのテイマーが居るって分かったらおおごとに……】
【安心しろ、もう拡散始まっててこの配信も万超えだ】
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