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第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 25

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「へぇ~、いい動きしてるじゃねぇか。お前も武術家なんだろ? だったら、次は俺と勝負しようぜ。俺もお前みたいな強ぇ奴と戦いてぇんだ。準備はいいか? お前から来ねぇんなら、こっちからいくぜ!」

守優と少女は互いに間合いを詰めると、様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

守優は左足を1歩踏み込むと、少女の顔面目掛けて右正拳上段逆突きを放った。

その瞬間、少女は左手で守優の右拳を右へ受け流し、右上段回し蹴りを守優の左側頭部に食らわせた。

守優がよろめきながら後ろへ下がると、2人は再び様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

少女は右足を1歩前に踏み込むと、守優の左側頭部目掛けて右上段刻み回し蹴りを放った。

すると、守優は両腕で少女の蹴りを受け止めながら掬うと、右手で少女の右肩口を掴み、右脚で少女の左脚の内側を払った。

少女が仰向けに刈り倒されると、すかさず守優は少女の顔面目掛けて右正拳下段突きを放とうとする。

その瞬間、少女が倒れたまま左前蹴りを守優の顔面に食らわせると、守優はよろめきながら後ろへ下がった。

少女が素早く立ち上がると、守優は顔をしかめながらも口元に不敵な笑みを浮かべる。

「あ~、いってて……やるじゃねぇか。見たところ、お前の得意技は蹴りだな。特に上段蹴りはキレがいいぜ? 普段から相当練習してるだろ?」

守優がそう言うと、少女は無表情のまま沈黙を守り、両腕を下げたまま左足を1歩前に踏み出して構えた。

守優も左足を1歩前に踏み出し、夫婦手に構える。

「おっ、まだやるか? いいぜ、そう来なくっちゃな」

守優と少女は互いに構えたまま、間合いを取って対峙した。
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