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79 港町ミランダと54番目?
しおりを挟むようやくたどり着きました、港町ミランダ
この辺りで一番の大きさを誇り、この辺り一帯を治める領主のいるの町でもあるそうです
今はお昼を過ぎ、夕暮れと呼ぶにはまだまだ早い、そんな時間帯
ワタシとジェニー姐さんとお姉ちゃんズ3人、そして追加で採取者のアレッタさんが、
街壁門の入街審査待ちの列に並んでいるところです
なぜ、アレッタさんも一緒にいるかというと、
今朝、朝食後に中洲のお家を撤収しているときに、
アレッタ「ねえあんたたち、今から川下の港町に行くんだろ?」
アレッタ「一緒に着いてっていいかい?」
アレッタ「ウチもちょうど行くところだったんだ」
というお話をいただきまして、
「ワタシは別にいいですよ?」
ケイト「お嬢がそういうなら」
プリシラ「私たちはお嬢に雇われているみたいなものですしね」
クロエ「アタイも~」
という経緯で、アレッタさんも旅のお仲間になりました
ちなみにジェニー姐さんはといえば、
ジェニー「ん? どっちでもいいんじゃない?」
ジェニー「それより今、手が離せないの」
という感じで、昨日から引き続き、ノートパソコンとにらめっこしています
(もしかしなくても、昨夜は徹夜だったと思うんですよね)
(そこまで切羽詰まってパソコンをどうにかしようとしなくてもいいのに・・・)
そんな思いから、
「ジェニー姐さん、パソコンのフォントの件は、もう少しゆっくりでいいんですよ?」
「体の方が大切ですから、しっかり休んでくださいね?」
と、少したしなめてみたのですが、
ジェニー「何言ってるの! こんな興味深いモノ、手が離せるわけないじゃないの!」
逆に切れ気味に怒られてしまう始末でした・・・
そんなこんなで、6人のオールスターキャストで川下りを始めることとなりましたが、
ワタシとジェニー姐さんが乗ってきたゴムボートは4人乗り、定員オーバーです
なので、
『お客様すいませ~ん』
『借りられる時間は、1日あたり最大12時間でございま~す』
『ご注意くださ~い』
という営業のスズキさんのご忠告と共に、
【レンタル スポーツサイクルボート 縦2人乗り 30分500円】
を最大の12時間でレンタルし、これとゴムボートを
【ナイロンロープ φ10mm 長さ10メートル 980円】
で結んで連結して、大河を下ることにしました
【スポーツサイクルボート】には、体力自慢の立候補者2名
クロちゃんとアレッタさんが乗り込み、出だしからフルパワーでペダルをこいで出航しました
動力源としてハナから戦力外のワタシ、そして舟上でもノートパソコンと格闘中のジェニー姐さんはゴムボートの後部座席に大人しく着席
ケイちゃんとプリさまは、ゴムボートの前部座席でオールを漕いで、動力としてそれなりに活躍してくれました
そんな8時間ほどの優雅な? 舟旅を満喫したワタシたちご一行なのでした
ちなみにワタシはジェニー姐さんのノートパソコンのバッテリーの充電のお仕事があったりしたので、
全くやることがないわけではありませんでした
そんな感じで大河を下り、そろそろ港町が見えてきたかな? という頃合いで上陸
お舟や目立つとヤバいモノは全て【インベントリ】に収納します
もちろん、ジェニー姐さんのノートパソコンもです
橋のところで食らった接収騒ぎみたいなのは、全力で回避なワタシです
(ワタシにも一応、学習機能というものがあるのです)
(アレはもう、本当にコリゴリなのです)
そしてジモティーのクロちゃんらの案内のもと、陸路をしばらく歩いて、
この港町ミランダの町壁門までたどり着いた、というのが現状なのです
そんなこんなで、ついに、ワタシたちの入街審査の順番になりました
衛兵さん「市民証かギルド証がある者は提示するように」
衛兵さん「持っていない者は、入街料として、小銀貨1枚をもらい受ける」
そんな衛兵さんの声に反応し、ワタシ以外のお仲間さんは、
ドッグタグのようなモノを胸元から出して、衛兵さんに見せて素通りしていきます
(あれ? 身分証がないの、ワタシだけ?)
ということでワタシだけ小銀貨1枚を支払い、ようやく、というか、はじめて町に入ったのでした
街壁門をくぐりぬけると、正面には商店街があり、その奥には大きなお城のようなモノが見えます
たぶん、そちらがこの港町の中心なのでしょう
とても華やかさを感じます
そして向かって左手は、どうやら港に続いているようで、何となく潮の香りが感じられます
たぶん、そちら側に海があって、この港町の代名詞、顔的な所なのでしょう
とても賑やかさを感じます
そして向かって右手は、どうやら住宅地のようで、奥に向かってだんだんと建物の密度が下がっているように見えます
たぶん、一番奥の方は畑や牧草地になっているのでしょう、そんな雰囲気が見て取れます
とても落ち着いた町並みです
(商売をするなら商店街なんだろうけど、広い土地を求めるなら、右手の一番奥の方に行かないとダメかな~)
そんなことを思ったときでした
右手の一番奥の方にある、ちょっとだけ背の高い塔のようなモノが、なぜだか異様に気になりだしました
(なんだろうアレ。なんだかとても気になる、というか、あそこに行かなければならない気がする)
ということで、早速ジモティーに聞いてみることにします
「ねえねえ、クロちゃんたち、右手一番奥にある、塔みたいなのって、何です?」
クロちゃん「塔? あぁ、アレは教会だよ」
「教会?」
アレッタ「あそこはウチがいた孤児院がある教会だよ。案内しようか?」
「ぜひ、お願いします」
という流れで、門から10分程歩いてたどり着きました、ミランダの教会
敷地はかなり大きいのですが、ぶっちゃけ寂れています
というか、とにかく草ボウボウで荒れています
クロエ「相変わらず汚いな~、ここ」
アレッタ「まあ、今も昔も金はないし、人手も足りないしね」
「と、とにかく、中に入っていましょう」
ということで、教会の本殿? に入ります
そしてワタシが教会の建物に足を踏み入れてしばらく歩いたとき、
不意にワタシの頭に直接声が響いてきました
その声は男性なのか女性なのか、言語なのかすらも分からりません
たぶんテレパシーとか、そういう類のモノなのでしょう
『随分と遅かったな。お前は54番目だ』
(え? なに? だれ?)
『私はお前たちの言う【神様】なる存在だ』
ん?
とんでもねぇあたしゃ神様だよ?
あんだって?
何故だか急に、耳の遠くなったおじいちゃんのイメージが頭に浮かんだワタシなのでした
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