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私、ご主人様の直属メイドになりました(全10話)

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「リーシュ、あなたに仕事よ」

午前4時。4時起きにもかなり慣れてきた、自称ドワーフのリーシュです。
アナベルは毎日私が起きているか確認しに来てくれる。
最近は朝から晩まで庭の管理をしている。……まぁ、土の状態を整えるだけ。植えるものも何もないから……ちょっと残念だけど。

「仕事って……?」

アナベルは少し困ったような表情で仕事の内容を教えてくれた。

「……ご主人様直属のメイドにあなたが指名されたのよ」
「……え?」
「あ、直属っていうのはご主人様の身の回りのお世話をするってことね。カーリーはお食事だけだったけど……まぁ、言われたことをやればいいんじゃないかしら」

え?なんで?

「……いかにも分からないって顔ね」
「分からないよ……」
「私にも分からないわ」

ですよね。
……断りたい。私、ご主人様とあれ以降関わってませんよね?なんで?

「掃除が終わったら行ってきなさいね」
「え?どこに?」

っていうかご主人様の直属のメイドなんて断りたいんですけど。

「……ご主人様の仕事部屋よ」
「はい……」
「明日からはあなたが寝室へご主人様を起こすのよ?」

え?起こす?朝からだよね?
ちなみに寝室は、仕事部屋とドアひとつで繋がっているらしい。寝室に直接向かうには、仕事部屋のひとつ向こうのドアだとかで。

「は、い……」



モップで床をごしごし。手早く終えることができるようになった。

「あ!リーシュちゃーん……」

カーリー。最近は何もされてないと思ったのに、今になってどうしたの?もしかしてもう知れわたってるの……?いや、そんなわけないか。
カーリー、何か目が腫れて、声にはりも無い。何だかやつれた……?

「どうしましたか?」
「ねぇ……カーリーの何がダメなんだよぉ……?」

急に何を言い出すんだこの人は。

「……どういうことですか?」
「……うるさいんだよぉ!」

え?飲み込めない。
カーリーはバケツを蹴って中身を床にぶちまけた。
……あーあ。

「……っ!」

カーリーは私を突き飛ばしてどこかへ去っていった。転びそうになったのをあと一歩のところで耐えた。
片付けをして、厨房で朝食をとる。
さて、仕事しなきゃ……本当に気乗りしないけど。



ご主人様の仕事部屋へ来てみた。

うわー、入りたくない。

───トン、トン。

「失礼します」
「……来たか」

おそらくデスクに座っているご主人様。書類が邪魔で完全には見えない。

「おはようございます」

ご主人様が座る書類で溢れたデスク以外は綺麗に整頓されている。
それで……私は何をしたらいいのかな?
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