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~番外編~

よもやま話2

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―――時系列不明
「ヤッホー管理者ウォーデン!ペインちゃんがまたまた遊びに来てやったぞー」

 レイが楽園内に設けられた休憩所でアフタヌーンティーを楽しんでいたところ、招かれざる来訪者ペインがやって来た。

「今度はなんですかペイン」

ペインが楽園に来たときは大抵ろくなことがない。レイは露骨にいやな顔をしてペインを迎えた。

「なんだよ自分が暇な時には遊びに来ていいって言ったくせに嫌な顔すんなよなー」

「それはそうですけど、貴女が来るときはろくなことがないからですよ」

「だったら大丈夫だ。今日はちょっと聞きたいことがあって来ただけだから」

 レイは紅茶の入ったティーカップをソーサーに置く。どうやらペインの質問とやらに興味が出たようだ。

「ほう、聞きたいこと。それは一体どのような?」

「ほら、あたしこの前病気になった人間を助けてくれってお願いに来たじゃん」

「あ~ありましたねぇ~そんなこと」

 レイが遠い目をして懐かしむように言う。

「お願いは聞いてくれなかったなかったけどな」

「聞きはしましたよ」

 珍しくレイが屁理屈を言う。が、

「何それ、つまんね」

 ペインは容赦なく一蹴する。レイは若干のショックを受けるが、コホンと咳払い、

「それでペイン、質問とはなんでしょう?」

と言って屁理屈をなかったことにする。

「あ!無かったことにした!!」

 当然、ペインはそのことを突っ込むが「まああいいや」と言葉を続け、レイは少しホッとした。

「それでさーあたしそん時に思ったんだよね。なんで人間って完璧じゃないんだろうって」

 突然哲学みたいなことを言い始めたペインに、レイは困惑する。

「ペインそれは哲学か何か意味で言っているのですか?」

「哲学ってなんだよ。あたしが言ってんのはそのまんまの意味、なんで人間を創ったときに病気とかに罹らないようにしなかったのかってこと!」

「ああ、そういう意味でしたか」

 レイはホッと胸を撫で下ろす。

「なあ、教えてくれよー」

「簡単ですよ。完璧などこの世に存在しないからです。」

「全然簡単じゃねぇよ!!もっとわかりやすく教えてくれよー」

 言いながら休憩所の床でジタバタと暴れるペイン。レイはそんなペインの姿を見て短くため息をつき「わかりました」と言う。

「一つ確認なのですが、ペインの言う完璧な人間とは病気や怪我をしない肉体を持つと言うことですか?」

「そだよ」

「怪我はともかく病気をしない肉体というのは創ることが出来ないのですよ」

「なんで?」

「生物は進化しますよね」

「するねぇ」

「つまりそういうことです」

「わかんねぇよ!そういうことってなんだよ!!」

 ペインが休憩所の床で地団駄を踏む。

「ならペイン、ヒントを出します。生物の中には病原菌も含まれます」

 するとペインは手をポンと叩き、

「つまりあれか、完璧な人間を創っても、それ以降に病原菌が完璧な人間に対応した進化をしたら、完璧な人間も病気に罹るってことか?」

「そういうことです」

「んだよ最初からそう言えよ~」

 レイはペインの思考力を鍛えるために敢えてああいう言い方をしたのだが、親の心子知らず。ペインは悪態をつく

「でもこれでわかったでしょう?」

「うん、わからん」

 レイが古典的なこけかたをする。

「なんでいまの説明でわからないのですか!!」

「だってそれだったらあれじゃん。人間の身体を侵す病原菌を創らせないとか進化出来ないようにすればよくない?」

「そんなことしたら人間以外の生命全部が死に絶えて、最終的には人間まで絶滅してしまいますよ」

「なんで!!」

「人間は僕が作り出した生命とはいえ最早自然界という大きな世界の一部なのです。そして、自然界とはこの宇宙のことも差していて、人間もまた一つの宇宙なのですよ」

 詳細はマクロコスモスとかミクロコスモスのことまで説明しなければならないのだが、ペインはどうせ理解しようとしないだろうと思い、レイはそこまで説明することを止めた。

「つまり、人間の中にも色々な生物が暮らしてるってこと?」

「その通りです!!」

 ペインの以外な回答に、レイは喜びをあらわにする。

「はー良く出来てんだねー」

「本当ですよねー」

 しみじみといった様子で言う二人。するとペインが「ん?」と疑問に思う。

「なんですかペイン」

 レイが訊く

「なんでお前までしみじみしてんだよ!!」

 おあとがよろしいようで。
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