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~番外編~
よもやま話1
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―――時系列不明、楽園
「ヤッホー管理者。ペインちゃんが遊びに来てやったぞ!」
レイが楽園の一角に設けた休憩所で午後のティータイムに洒落こんでいたところに突然ペインがやって来た。レイは思わぬ来訪者に短くため息をついてティーカップをソーサーに戻す。
「何の用ですかペイン」
若干刺のあるもの言いでジロリとペインのことを見るレイ
「なにその態度、折角可愛い可愛いペインちゃんが遊びに来てやったってのに。管理者はつれないなあ」
釣られてたまるか、とレイは思う。
「貴女が僕の元に来るときは、大抵ろくでもないことが起こった時か、貴女がろくでもないことを起こした、若しくはろくでもないことに巻き込まれた時、ではないですか?」
レイがペインのことを睨みながらそう言うと、ペインはわざと目をそらして、
「まあ、そんなこともあったようななかったような……」
すっとぼける。そんなペインにレイはもう一度ため息をついて言う。
「それで今度は何があったのです?」
レイがそう訊くとペインはテーブルに身を乗り出して言う。
「管理者に助けて欲しい人間がいるんだ!!」
「貴女が人間を助けて欲しいとは、珍しいこともあったものですね」
ペインの思いもよらぬお願いに、レイは興味を引かれる。
「いや、たまたま見つけた人間なんだけどさ、そいつ結構重い病気にかかってたんだよね。それであたしがそんなに苦しいなら殺してやろうか?って言ったんだ」
ブッ!とレイは紅茶を吹いた。
「きったね!おい!人が真面目な話してるときに紅茶なんか吹くなよ!!」
ペインがプンスカ怒る。
「誰のせいですか誰の!!病気で苦しんでる人間に殺してやろうかって――どんな神経してたらそんなことが言えるのです!!」
「知らねぇよそんなの!兎に角、私はそいつにそう言ったんだ。そしたらそいつ『去れ混沌よ!!主の信徒、主へ祈りを捧げていれば、このような病などたちどころになおるわ!!』って言ったんだ」
「それで助けて欲しいと」
「そんだけじゃあ、あたしもそこまで思わねぇよ。でもそいつ相当重い病気にかかってんのにその上重い皮膚病にもかかったんだ。それなのにあいつはまだ主を信じるって、信じ続ければ病は必ず治るって言うんだよ」
そう言って目に涙を溜めてレイに懇願するペイン。しかしレイは、
「駄目ですよ」
とペインのお願いを一蹴する。
「なんでだよケチ!!」
そう言って一瞬で涙を引っ込めるペイン。どうやら嘘泣きだったようだ。
「あのですねペイン。僕はこの宇宙の管理者として、全ての魂を管理しているのです」
「だから?」
ペインが頬を膨らませながら言う。
「そのため僕は、全ての命に平等に接しなければならないのです。ですからその人間一人のために他の命を殺すことなど出来ません」
「他の命ってなにさ」
「その人間を蝕む病原菌です」
「なんだそれ!?そんなもんのために一人の人間を殺すのかよ」
「魂の数ではその人間一人の命で数千、数万を越える魂が生き延びることが出来ます」
「質では?」
「圧倒的に人間の方が良いです」
レイが言いにくそうにそう言うと、ペインは幻滅したような表情をする。
「うっわ、あり得ねえ。マナのために人一人の命を弄ぶんだ」
「どこが弄んでいるというのですか!!」
失敬な、とレイは言う。
「じゃあ助けてよ」
ペインが言う
「駄目です」
やっぱりレイは断る。
「いいよもう!!このわからんちん!!」
そう言ってペインは何処かに去っていった。
「一体何なのですか」
―――数日後、楽園
「おい管理者」
「……なんですかペイン」
「前にあたしが言ってた人間のこと覚えてるか?」
「覚えてますよ」
「お前もしかしてあの人間のこと助けた?」
ペインが訝しみながら訊く。
「そんなこと僕がすると思います?」
「昔のお前なら」
「今は?」
「絶対しない」
「そういうことです」
「そんじゃあ何だったんだよ!!」
ペインが頭を抱える。
「その人間がどうかしたのですか?」
「病気全部治った」
「それは良かったですね」
あくまで他人事として言うレイ
「私は納得いかないよ!主を信じたら重病も治るのかよ!!」
「プラシーボ効果というものもありますし、あり得ないとは言いきれませんね」
「人間ってわからね~」
そう言ってペインは空を仰いだ。
「ヤッホー管理者。ペインちゃんが遊びに来てやったぞ!」
レイが楽園の一角に設けた休憩所で午後のティータイムに洒落こんでいたところに突然ペインがやって来た。レイは思わぬ来訪者に短くため息をついてティーカップをソーサーに戻す。
「何の用ですかペイン」
若干刺のあるもの言いでジロリとペインのことを見るレイ
「なにその態度、折角可愛い可愛いペインちゃんが遊びに来てやったってのに。管理者はつれないなあ」
釣られてたまるか、とレイは思う。
「貴女が僕の元に来るときは、大抵ろくでもないことが起こった時か、貴女がろくでもないことを起こした、若しくはろくでもないことに巻き込まれた時、ではないですか?」
レイがペインのことを睨みながらそう言うと、ペインはわざと目をそらして、
「まあ、そんなこともあったようななかったような……」
すっとぼける。そんなペインにレイはもう一度ため息をついて言う。
「それで今度は何があったのです?」
レイがそう訊くとペインはテーブルに身を乗り出して言う。
「管理者に助けて欲しい人間がいるんだ!!」
「貴女が人間を助けて欲しいとは、珍しいこともあったものですね」
ペインの思いもよらぬお願いに、レイは興味を引かれる。
「いや、たまたま見つけた人間なんだけどさ、そいつ結構重い病気にかかってたんだよね。それであたしがそんなに苦しいなら殺してやろうか?って言ったんだ」
ブッ!とレイは紅茶を吹いた。
「きったね!おい!人が真面目な話してるときに紅茶なんか吹くなよ!!」
ペインがプンスカ怒る。
「誰のせいですか誰の!!病気で苦しんでる人間に殺してやろうかって――どんな神経してたらそんなことが言えるのです!!」
「知らねぇよそんなの!兎に角、私はそいつにそう言ったんだ。そしたらそいつ『去れ混沌よ!!主の信徒、主へ祈りを捧げていれば、このような病などたちどころになおるわ!!』って言ったんだ」
「それで助けて欲しいと」
「そんだけじゃあ、あたしもそこまで思わねぇよ。でもそいつ相当重い病気にかかってんのにその上重い皮膚病にもかかったんだ。それなのにあいつはまだ主を信じるって、信じ続ければ病は必ず治るって言うんだよ」
そう言って目に涙を溜めてレイに懇願するペイン。しかしレイは、
「駄目ですよ」
とペインのお願いを一蹴する。
「なんでだよケチ!!」
そう言って一瞬で涙を引っ込めるペイン。どうやら嘘泣きだったようだ。
「あのですねペイン。僕はこの宇宙の管理者として、全ての魂を管理しているのです」
「だから?」
ペインが頬を膨らませながら言う。
「そのため僕は、全ての命に平等に接しなければならないのです。ですからその人間一人のために他の命を殺すことなど出来ません」
「他の命ってなにさ」
「その人間を蝕む病原菌です」
「なんだそれ!?そんなもんのために一人の人間を殺すのかよ」
「魂の数ではその人間一人の命で数千、数万を越える魂が生き延びることが出来ます」
「質では?」
「圧倒的に人間の方が良いです」
レイが言いにくそうにそう言うと、ペインは幻滅したような表情をする。
「うっわ、あり得ねえ。マナのために人一人の命を弄ぶんだ」
「どこが弄んでいるというのですか!!」
失敬な、とレイは言う。
「じゃあ助けてよ」
ペインが言う
「駄目です」
やっぱりレイは断る。
「いいよもう!!このわからんちん!!」
そう言ってペインは何処かに去っていった。
「一体何なのですか」
―――数日後、楽園
「おい管理者」
「……なんですかペイン」
「前にあたしが言ってた人間のこと覚えてるか?」
「覚えてますよ」
「お前もしかしてあの人間のこと助けた?」
ペインが訝しみながら訊く。
「そんなこと僕がすると思います?」
「昔のお前なら」
「今は?」
「絶対しない」
「そういうことです」
「そんじゃあ何だったんだよ!!」
ペインが頭を抱える。
「その人間がどうかしたのですか?」
「病気全部治った」
「それは良かったですね」
あくまで他人事として言うレイ
「私は納得いかないよ!主を信じたら重病も治るのかよ!!」
「プラシーボ効果というものもありますし、あり得ないとは言いきれませんね」
「人間ってわからね~」
そう言ってペインは空を仰いだ。
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