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一章
18話
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SATの拳銃は特製でオートマチック拳銃を基盤に作られている。
一見普通に見えるが、弾の数がいくら撃っても無くならず弾が切れたとしてもマガジン近くに弾を投げればすぐリロードする優れものだ。
弾も持ち運びしやすい。
いつもはブレザーの内ポケットに入っており、弾倉の形は一般的のと変わらないが一回り小さい。
普通ハンドガンは六~一八発打てるがSAT特製拳銃の弾数はその六倍。
SATメンバーはこの特殊な拳銃を扱っている。
司咲の様子が回復し、三発、惺夜に向かって撃つ。
それを防御するように青髪の少年はその弾を撃ち、司咲の弾が弾き返す。
また近づき拳銃を持ちながら平手、手刀、グリップ殴り、回し蹴りをランダムに回しながら体術をお見舞いする。
それを二人は両者の技を華麗に避けながら攻撃をし続ける。
数秒が経ち両者に疲れが出始めた。
惺夜は相手の足を拳銃で狙うも避けられて、逆に彼の足元を蹴られ転んでしまう。
司咲は仰向けになっている惺夜の方を見ながら、「こんな蹴り技も避けることできないのか……学園SATの学生兵隊は笑わせてくれる」と言葉を吐く。
惺夜は「んだと……」と親友の言い方にカチンときた。
司咲は立て続けに。
「SFへ所属する俺に勝てる事はサメの歯が丸くなるように不可能だ」
と、訳のわからないことを言う。
それに対して惺夜は、
「スレイブ……ファイター……? なんだいそりゃ。お前も凪みたいになっちまったのかい? てか、普通に考えて歯が丸くなる事はあり得るだろう」と煽る。
司咲の拳銃の筒先が光り、正義感の強い彼の頬をかすった。
「るっせーぞ……負け犬」
司咲はサラッと言う。
「負け犬? はぁ……確かに俺達SATはこの学園の犬だけどそこまで忠実に従ってねぇぞ。むしろ餌を求めて吠えている」
惺夜は司咲の見えないところで、弾を補充するも途中で手の甲を打たれた。
洗脳された親友は『俺がそういうの見逃すわけねえだろ』って顔で惺夜の方を睨んでいた。
(俺の出任せは通じないってわけか……)手を打たれた彼は内心悔しがっていた。
「さぁ楽しい接待決闘はおしまいだ。何か死ぬ前に望んでいることを言え」司咲は青髪の親友に迷いなく構える。
「そうだなお前をもっと近くで見たい」
惺夜は餌を欲しがっている犬のような目でみる。
司咲は(なるほど、近くにきて素早く銃を構え俺を撃つ気だな)と推測し、少年の願い通り近くに来て銃を額に合わせた。
司咲は「惺夜よりも早く腕を何発か撃ちつき、その後に喉を潰して最後に脳天を……」と考えていた。
「さぁ望み通り近くまで来た最期に言い残した事はないか」司咲は親友の言うとおりに動いた。
「あぁ、あるさ」
「なんだ言ってみろ」
(まぁどうせ、お前こそくたばれ、と言って俺を撃つのだろう)と司咲は思っていた。
しかし、惺夜は、「お前馬鹿だろ?」と言い放つ。
足元を蹴り、激痛を我慢して紫髪の少年の両肩を撃つ。
司咲はまだ指が引き金を引いてなかったので惺夜を撃てずにうつ伏せへ倒れ込んでしまう。
「なん……だと……」
負け犬の台詞を司咲は思わず口に出す。
「ったくテロリストめ」
惺夜は呆れながらも少し恐怖を覚える。
「無名の雑魚テロリストと思っていたが……。洗脳させる機械が作れる技術力も備わっているのは厄介だな」
勝負に勝った少年から冷や汗がでる。
(まぁ、俺は敵なら殺せるが洗脳された親友は流石に殺せないわ)
と心の中で呟く惺夜。
青髪の彼は負けた親友のチョーカーを取り外した。
少ししてから「痛ぇ!」の叫びと共に司咲は起き上がる。
「うぉ! ビックリした! 急に大声あげるなよ。司咲」
「いやぁ……、悪い悪い……。でもめっちゃ痛えんだよな。なんか知らんが別館の方へ行ったんだけど。急に頭を殴られて気を失っていたけどいつのまにかここまで来ていたんだよ」
「まぁ、そうだよな……。だってお前はテロリストに洗脳されたからね。多分だが洗脳装置を外すと、激痛が走る仕組みになっているはずだ」
「うぉい! マジかよ……。つまり俺はお前と戦っていたわけか。傷つけることして悪かったな」
「謝るのは後にしてくれ。それよりもつばきは別のフロアで戦っているはずだ応戦しないと」
「あのつばきが⁈ 凄えな。今までそう言うことされなかったのに」
司咲がゆっくりと立ち上がる。少し痛そうな表情をする。
「多分だがテロリストが現れてからあんまり活躍してないことを悔やんでつばき自ら戦いに挑んだろう……」
「なぁ推測するのは良いけど戦闘経験のないつばきがテロリストと戦ってもアイツの勝機が浮かばんが……早く向かった方がいいんじゃない?」
「それもそうだな。急ぐぞ!」
惺夜は駆け足でつばきが向かった先に行く。
「おい! 俺を置いていくなよ!」
司咲も青髪少年の後を追う。
「てか、冷静に考えて俺ら2人負傷しているのにつばきの応戦に行っても勝てるのか?」
司咲は痛みを思い出したかのように言う。
「……無理だな。一旦負傷した所を治してから行くか……」
親友同士の彼らは保健室に急いで向かうことにした。
――――ゆっくりと地獄が始まるとも知らずに。
一見普通に見えるが、弾の数がいくら撃っても無くならず弾が切れたとしてもマガジン近くに弾を投げればすぐリロードする優れものだ。
弾も持ち運びしやすい。
いつもはブレザーの内ポケットに入っており、弾倉の形は一般的のと変わらないが一回り小さい。
普通ハンドガンは六~一八発打てるがSAT特製拳銃の弾数はその六倍。
SATメンバーはこの特殊な拳銃を扱っている。
司咲の様子が回復し、三発、惺夜に向かって撃つ。
それを防御するように青髪の少年はその弾を撃ち、司咲の弾が弾き返す。
また近づき拳銃を持ちながら平手、手刀、グリップ殴り、回し蹴りをランダムに回しながら体術をお見舞いする。
それを二人は両者の技を華麗に避けながら攻撃をし続ける。
数秒が経ち両者に疲れが出始めた。
惺夜は相手の足を拳銃で狙うも避けられて、逆に彼の足元を蹴られ転んでしまう。
司咲は仰向けになっている惺夜の方を見ながら、「こんな蹴り技も避けることできないのか……学園SATの学生兵隊は笑わせてくれる」と言葉を吐く。
惺夜は「んだと……」と親友の言い方にカチンときた。
司咲は立て続けに。
「SFへ所属する俺に勝てる事はサメの歯が丸くなるように不可能だ」
と、訳のわからないことを言う。
それに対して惺夜は、
「スレイブ……ファイター……? なんだいそりゃ。お前も凪みたいになっちまったのかい? てか、普通に考えて歯が丸くなる事はあり得るだろう」と煽る。
司咲の拳銃の筒先が光り、正義感の強い彼の頬をかすった。
「るっせーぞ……負け犬」
司咲はサラッと言う。
「負け犬? はぁ……確かに俺達SATはこの学園の犬だけどそこまで忠実に従ってねぇぞ。むしろ餌を求めて吠えている」
惺夜は司咲の見えないところで、弾を補充するも途中で手の甲を打たれた。
洗脳された親友は『俺がそういうの見逃すわけねえだろ』って顔で惺夜の方を睨んでいた。
(俺の出任せは通じないってわけか……)手を打たれた彼は内心悔しがっていた。
「さぁ楽しい接待決闘はおしまいだ。何か死ぬ前に望んでいることを言え」司咲は青髪の親友に迷いなく構える。
「そうだなお前をもっと近くで見たい」
惺夜は餌を欲しがっている犬のような目でみる。
司咲は(なるほど、近くにきて素早く銃を構え俺を撃つ気だな)と推測し、少年の願い通り近くに来て銃を額に合わせた。
司咲は「惺夜よりも早く腕を何発か撃ちつき、その後に喉を潰して最後に脳天を……」と考えていた。
「さぁ望み通り近くまで来た最期に言い残した事はないか」司咲は親友の言うとおりに動いた。
「あぁ、あるさ」
「なんだ言ってみろ」
(まぁどうせ、お前こそくたばれ、と言って俺を撃つのだろう)と司咲は思っていた。
しかし、惺夜は、「お前馬鹿だろ?」と言い放つ。
足元を蹴り、激痛を我慢して紫髪の少年の両肩を撃つ。
司咲はまだ指が引き金を引いてなかったので惺夜を撃てずにうつ伏せへ倒れ込んでしまう。
「なん……だと……」
負け犬の台詞を司咲は思わず口に出す。
「ったくテロリストめ」
惺夜は呆れながらも少し恐怖を覚える。
「無名の雑魚テロリストと思っていたが……。洗脳させる機械が作れる技術力も備わっているのは厄介だな」
勝負に勝った少年から冷や汗がでる。
(まぁ、俺は敵なら殺せるが洗脳された親友は流石に殺せないわ)
と心の中で呟く惺夜。
青髪の彼は負けた親友のチョーカーを取り外した。
少ししてから「痛ぇ!」の叫びと共に司咲は起き上がる。
「うぉ! ビックリした! 急に大声あげるなよ。司咲」
「いやぁ……、悪い悪い……。でもめっちゃ痛えんだよな。なんか知らんが別館の方へ行ったんだけど。急に頭を殴られて気を失っていたけどいつのまにかここまで来ていたんだよ」
「まぁ、そうだよな……。だってお前はテロリストに洗脳されたからね。多分だが洗脳装置を外すと、激痛が走る仕組みになっているはずだ」
「うぉい! マジかよ……。つまり俺はお前と戦っていたわけか。傷つけることして悪かったな」
「謝るのは後にしてくれ。それよりもつばきは別のフロアで戦っているはずだ応戦しないと」
「あのつばきが⁈ 凄えな。今までそう言うことされなかったのに」
司咲がゆっくりと立ち上がる。少し痛そうな表情をする。
「多分だがテロリストが現れてからあんまり活躍してないことを悔やんでつばき自ら戦いに挑んだろう……」
「なぁ推測するのは良いけど戦闘経験のないつばきがテロリストと戦ってもアイツの勝機が浮かばんが……早く向かった方がいいんじゃない?」
「それもそうだな。急ぐぞ!」
惺夜は駆け足でつばきが向かった先に行く。
「おい! 俺を置いていくなよ!」
司咲も青髪少年の後を追う。
「てか、冷静に考えて俺ら2人負傷しているのにつばきの応戦に行っても勝てるのか?」
司咲は痛みを思い出したかのように言う。
「……無理だな。一旦負傷した所を治してから行くか……」
親友同士の彼らは保健室に急いで向かうことにした。
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