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魔術師の館
魔剣士の過去(1)
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ゴゴオォ……
まるで森全体が唸り声を上げている様な不気味な音が何処からか響いて来る。初めて森に入った光花のメンバー達や、それ以外の面々も、薄気味悪く空が淀んでいる光景には恐怖を感じずには居られなかった。
周囲を見渡せば大小合わせて数百以上もの魔物達が右往左往している。更に上空を飛行している魔物達の姿もあった。
魔物達が数多くすむ森で、館がある一番奥に進めば、完全に退路は絶たれてしまう可能性は否定出来なかった。
リーミアが使う『浄化』の魔法で森を一掃する事も可能であはあったが、その為には少なくとも高台で放つ事が効果的だとアーレスに言われた。その為……館を目指し、その後、高台となる場所を探すのが彼等の目的となった。
「さて……館に向かうのだが」
アーレスが皆を見て、開口一番に話しようとした直後……
キシャー!
雄叫びを上げながら、小型で凶暴そうな魔物が飛び掛かって来た。
ヒュンッ!
スパッ
アスファードが魔法剣で魔物を切り裂き、魔物は永遠に動かなくなった。
丁度、彼が魔法の包みから予備装備として魔法剣を取り出している最中に、魔物が飛び掛かってしまったのだった。
彼は長剣である魔法剣を背に掛けて、落ちない様に皮の紐で固定させる。
「で……館までは、どうやって行くの?」
彼は、改めてアーレスに話を続けさせる。
「今回の主導権はリーミアちゃんにある。その為、彼女に判断を任せようと思う」
それを聞いたリーミアは、周囲かの視線が自分に向けられると気付くと、少しソワソワしながらも、皆に向かって話を始める。
「ルビィ君に道案内させて貰うけど……危険な場所だから、隊列を整えて行こうと思うわ……」
彼女の提案に異論するの者は居なかった。
目的地を指定して置いて、それぞれが分断して個人で一斉に駆け出して行くとなると……リスクが大きく危険極まりない可能性が高かった。メンバー達が生存している可能性も低くなり、目的に全員が同時に着くとも限らない……そう言う状況から推測して、なるべく全員が一緒に行動する方をリーミアは選んだ。
「なるほど……」
アスファードはう頷きながら返事をした。
「君は、どうなんだ?」
アーレスがアスファードに声を掛ける。
「僕の見立てでは……実戦経験の数では、多分……彼女よりも君の方が上だと思う。少し先に立つ者として彼女に助言をしてみてはどうかね?」
それを聞いたアスファードは「フム……」と、顎に手を当てながら考え込んだ。
「僕としての助言は……前衛と後衛にそれぞれ腕利きを配置するね。前衛には盾持ちや、力のある者を全面に出して、後衛は飛び道具等を使える人材を配置させ、その中間部に彼女や魔術師を置くのが……良いかと思うけど……」
それを聞いたアーレスは目を閉じながら頷く。
「僕も、同じ考えだよ!」
意見が一致すると、アーレスは部隊編成を行なう。前衛には盾持ちのティオロを先頭にしてフォルサ、エムラン、アーレスが案内役のルビィを取り囲む形で配置された。後衛にはアスファード、アルム、レトラが配置された。
中堅には女性陣が並ぶ事になる……サリサ、ルファ、ルフィラがリーミア、アメリ、シャリナ等の魔術師を取り囲む形で配置された。
隊列の並びが決まると、アメリが低階級の魔物が襲って来ないように魔法を全体に掛けた状態にする。その魔法効果が現れているうちに彼等は移動を開始するが……。
移動を初めて5分も経過しないうちに、低級よりも強い魔物が、彼等を見つけて襲いに掛かる。
シャァー!
毛深い猿の様な姿をして、手足には鋭い爪、更に牙を生やし、ツノの生えた魔物が彼等に向かって襲い掛かる。
「ヒエエ……!」
ティオロは盾を構えて身構える。
その瞬間、フォルサ、エムラン、アーレスが一斉に魔物へと向かい、それぞれ一撃ずつ攻撃を加えると、魔物は「グエ……」と、呻き声を上げながら息絶えた。
「まさか……結界を張っても、魔物が襲って来るとは……」
フォルサが呟く。
「完全には防ぎ切れないよ。でも……結界を張らないと、前に進むのも困難だよ」
アーレスはフォルサに向かって答える。
2人が隊列に戻る間にも、魔物が数匹彼等に向かって襲いに掛かる。
「ハアッ!」
ズバッ
ルファが槍で魔物を攻撃した。
「エイッ!」
サリサが、魔法剣に光の魔法効果を添えた状態で魔物に立ち向かった。
わずかに魔物に剣が触れただけだが……それでも魔物は「ギャアッ!」と、激しい激痛の叫び声を上げながら、消滅してしまった。
「すごい……」
サリサの剣技を見たルフィラが唖然とした表情で呟く。
「お姉様方、よそ見してる間は無いぜ!」
エムランが上を見上げながら言う。
彼等が森の樹々の上を見上げると、無数の魔物の群れが襲いに掛かって来た。
それを見たレトラが弓を構えて矢を放つ。
ピュン
「ギャアア……」
数匹の魔物が、レトラの矢の餌食になり、次々と倒れて行く。
「やるね……」
アスファードが関心しながら言う。
「まあね。自慢じゃ無いけど、弓矢の技術なら、多少の自身はあるんだ」
レトラはアスファードに向かって言う。
「では……僕も……」
アスファードが魔法の包から弓矢を取り出し、魔物に向かって矢を放つ。
ピュン、ピュン、ピュン。
一呼吸のうちに、数匹の魔物が同時に息絶える。
彼の弓矢の技術を見たレトラは、困惑しながらアスファードを見た。
「凄いね……」
「僕は翼竜に乗りながらでも、相手を確実に仕留める事も出来るよ」
それを聞いたレトラは、負けられないと、必死に弓矢で魔物を倒す。
およそ30分程が経過すると……
彼等の周辺は、魔物の死骸が積み重ねられて、その間に彼等一行が進んだ距離は、数mも無かった。
終わったかと……思って、前方を見ると、更に魔物の群れが現れて、彼等を襲うとして身構えていた。
「なんてこった……まるでキリが無いな……」
フォルサが呆れた表情で言う。
一行も、少し疲労が見え始めていた。
「まだ……戦うの?」
息切れしながらルフィラは言う。
そんな彼等を見てリーミアが皆の前に出る。
「私に任せて」
そう言うと、彼女は魔法陣を浮かび上がらせる、それと同時に魔法の杖が赤く光った。
「悪しき者に光の刃を!斜陽ー!」
魔法を唱えると、周辺が赤く染まった景色へと変貌する。
その瞬間、上空から赤い光の刃が現れ、前の前の数十匹いると思われる魔物達が一瞬で絶命してしまった。
「すごい……」
一行は、リーミアの光の魔法に驚かされた。
同じ光の魔法を使うサリサもリーミアの光の魔法を見て驚いた。
「流石に正統な光の紋様を授かりし者ね……私でも、あそこまでの効果は出せないわね……」
そんな彼女の魔法を見たティオロは少し呆れた口調で言う。
「あんな凄い魔法が使えるなら、最初から使えば良いじゃない?」
そんな彼の言葉にアーレスがティオロに向かって話す。
「確かに……彼女が光の魔法や聖魔剣を使えば、雑作もなく魔物を倒せるだろう。だけど……館には、この辺の魔物とは比較にならない強敵達がいるんだ、彼女には魔剣士や、魔族などと手合わせする為にも力を温存させて置きたいんだ。そうしないと……湿地帯悲劇を繰り返す事にも成りかねないぞ……」
「う……」
ティオロは湿地帯で魔剣士との戦いで彼女が敗北した事を思い出した。
そして……自分も彼女を守る為に強くなろうと頑張っていた事を思い出す。
「そ……そうだった。僕はリーミアを守ろうと思って、今日まで頑張って来たんだ……」
大事な事を思い出したティオロは、改めて盾を構え直した。それを見たアーレスがティオロに近付き声を掛ける。
「魔法効果で、低階級の魔物は近付けない様になっている。近付く魔物が居たら、無理に戦わず追い払う様にしろ。なるべくリーミアちゃんを前に出させない様にするんだ」
「分かった!」
そう返事をすると、ティオロが前進し皆がその後を追う様な感じで森の奥へと進み始めた。
その頃……
魔術師の館では魔剣士ルディアンスが、リーミア達一行が来るのを待ち続けて居る中、肘掛け椅子に座ったままウトウト……と、眠りに落ちた。
『アンス……ディアンス……ルディアンス』
誰かが囁く声に気付き、ハッと目を覚ました。若い青年が顔を上げると……。青年は賑やかな酒場のテーブルの上で目を覚ました。
「ここは……?」
周囲を見渡すと、アルコールの効いた部屋の中、煙草の煙と、弦楽器の音色。更に……中高年男性と、甲高い女性の笑い声。
そして……目の前には木製のコップに目一杯注がれた果実酒が置いてあった。
「よう、ルディアンス。酒に酔い潰れて眠ってしまったのか?」
陽気な声で話し掛ける人物を見て、彼は向かい側の席を見ると、そこには同年代位の若い男性の姿があった。
「違うよ……少し疲れただけだ」
彼はそう言って席を立つ。
「先に帰らせてもらう」
ルディアンスがそう言うと、男性が彼に向かって言う。
「別に構わないけど、明日の魔獣狩、君はどうするのだ?まだ返事を貰って無いけど……」
「俺は、辞退する」
それだけ言うと彼は酒場を出て行った。
まるで森全体が唸り声を上げている様な不気味な音が何処からか響いて来る。初めて森に入った光花のメンバー達や、それ以外の面々も、薄気味悪く空が淀んでいる光景には恐怖を感じずには居られなかった。
周囲を見渡せば大小合わせて数百以上もの魔物達が右往左往している。更に上空を飛行している魔物達の姿もあった。
魔物達が数多くすむ森で、館がある一番奥に進めば、完全に退路は絶たれてしまう可能性は否定出来なかった。
リーミアが使う『浄化』の魔法で森を一掃する事も可能であはあったが、その為には少なくとも高台で放つ事が効果的だとアーレスに言われた。その為……館を目指し、その後、高台となる場所を探すのが彼等の目的となった。
「さて……館に向かうのだが」
アーレスが皆を見て、開口一番に話しようとした直後……
キシャー!
雄叫びを上げながら、小型で凶暴そうな魔物が飛び掛かって来た。
ヒュンッ!
スパッ
アスファードが魔法剣で魔物を切り裂き、魔物は永遠に動かなくなった。
丁度、彼が魔法の包みから予備装備として魔法剣を取り出している最中に、魔物が飛び掛かってしまったのだった。
彼は長剣である魔法剣を背に掛けて、落ちない様に皮の紐で固定させる。
「で……館までは、どうやって行くの?」
彼は、改めてアーレスに話を続けさせる。
「今回の主導権はリーミアちゃんにある。その為、彼女に判断を任せようと思う」
それを聞いたリーミアは、周囲かの視線が自分に向けられると気付くと、少しソワソワしながらも、皆に向かって話を始める。
「ルビィ君に道案内させて貰うけど……危険な場所だから、隊列を整えて行こうと思うわ……」
彼女の提案に異論するの者は居なかった。
目的地を指定して置いて、それぞれが分断して個人で一斉に駆け出して行くとなると……リスクが大きく危険極まりない可能性が高かった。メンバー達が生存している可能性も低くなり、目的に全員が同時に着くとも限らない……そう言う状況から推測して、なるべく全員が一緒に行動する方をリーミアは選んだ。
「なるほど……」
アスファードはう頷きながら返事をした。
「君は、どうなんだ?」
アーレスがアスファードに声を掛ける。
「僕の見立てでは……実戦経験の数では、多分……彼女よりも君の方が上だと思う。少し先に立つ者として彼女に助言をしてみてはどうかね?」
それを聞いたアスファードは「フム……」と、顎に手を当てながら考え込んだ。
「僕としての助言は……前衛と後衛にそれぞれ腕利きを配置するね。前衛には盾持ちや、力のある者を全面に出して、後衛は飛び道具等を使える人材を配置させ、その中間部に彼女や魔術師を置くのが……良いかと思うけど……」
それを聞いたアーレスは目を閉じながら頷く。
「僕も、同じ考えだよ!」
意見が一致すると、アーレスは部隊編成を行なう。前衛には盾持ちのティオロを先頭にしてフォルサ、エムラン、アーレスが案内役のルビィを取り囲む形で配置された。後衛にはアスファード、アルム、レトラが配置された。
中堅には女性陣が並ぶ事になる……サリサ、ルファ、ルフィラがリーミア、アメリ、シャリナ等の魔術師を取り囲む形で配置された。
隊列の並びが決まると、アメリが低階級の魔物が襲って来ないように魔法を全体に掛けた状態にする。その魔法効果が現れているうちに彼等は移動を開始するが……。
移動を初めて5分も経過しないうちに、低級よりも強い魔物が、彼等を見つけて襲いに掛かる。
シャァー!
毛深い猿の様な姿をして、手足には鋭い爪、更に牙を生やし、ツノの生えた魔物が彼等に向かって襲い掛かる。
「ヒエエ……!」
ティオロは盾を構えて身構える。
その瞬間、フォルサ、エムラン、アーレスが一斉に魔物へと向かい、それぞれ一撃ずつ攻撃を加えると、魔物は「グエ……」と、呻き声を上げながら息絶えた。
「まさか……結界を張っても、魔物が襲って来るとは……」
フォルサが呟く。
「完全には防ぎ切れないよ。でも……結界を張らないと、前に進むのも困難だよ」
アーレスはフォルサに向かって答える。
2人が隊列に戻る間にも、魔物が数匹彼等に向かって襲いに掛かる。
「ハアッ!」
ズバッ
ルファが槍で魔物を攻撃した。
「エイッ!」
サリサが、魔法剣に光の魔法効果を添えた状態で魔物に立ち向かった。
わずかに魔物に剣が触れただけだが……それでも魔物は「ギャアッ!」と、激しい激痛の叫び声を上げながら、消滅してしまった。
「すごい……」
サリサの剣技を見たルフィラが唖然とした表情で呟く。
「お姉様方、よそ見してる間は無いぜ!」
エムランが上を見上げながら言う。
彼等が森の樹々の上を見上げると、無数の魔物の群れが襲いに掛かって来た。
それを見たレトラが弓を構えて矢を放つ。
ピュン
「ギャアア……」
数匹の魔物が、レトラの矢の餌食になり、次々と倒れて行く。
「やるね……」
アスファードが関心しながら言う。
「まあね。自慢じゃ無いけど、弓矢の技術なら、多少の自身はあるんだ」
レトラはアスファードに向かって言う。
「では……僕も……」
アスファードが魔法の包から弓矢を取り出し、魔物に向かって矢を放つ。
ピュン、ピュン、ピュン。
一呼吸のうちに、数匹の魔物が同時に息絶える。
彼の弓矢の技術を見たレトラは、困惑しながらアスファードを見た。
「凄いね……」
「僕は翼竜に乗りながらでも、相手を確実に仕留める事も出来るよ」
それを聞いたレトラは、負けられないと、必死に弓矢で魔物を倒す。
およそ30分程が経過すると……
彼等の周辺は、魔物の死骸が積み重ねられて、その間に彼等一行が進んだ距離は、数mも無かった。
終わったかと……思って、前方を見ると、更に魔物の群れが現れて、彼等を襲うとして身構えていた。
「なんてこった……まるでキリが無いな……」
フォルサが呆れた表情で言う。
一行も、少し疲労が見え始めていた。
「まだ……戦うの?」
息切れしながらルフィラは言う。
そんな彼等を見てリーミアが皆の前に出る。
「私に任せて」
そう言うと、彼女は魔法陣を浮かび上がらせる、それと同時に魔法の杖が赤く光った。
「悪しき者に光の刃を!斜陽ー!」
魔法を唱えると、周辺が赤く染まった景色へと変貌する。
その瞬間、上空から赤い光の刃が現れ、前の前の数十匹いると思われる魔物達が一瞬で絶命してしまった。
「すごい……」
一行は、リーミアの光の魔法に驚かされた。
同じ光の魔法を使うサリサもリーミアの光の魔法を見て驚いた。
「流石に正統な光の紋様を授かりし者ね……私でも、あそこまでの効果は出せないわね……」
そんな彼女の魔法を見たティオロは少し呆れた口調で言う。
「あんな凄い魔法が使えるなら、最初から使えば良いじゃない?」
そんな彼の言葉にアーレスがティオロに向かって話す。
「確かに……彼女が光の魔法や聖魔剣を使えば、雑作もなく魔物を倒せるだろう。だけど……館には、この辺の魔物とは比較にならない強敵達がいるんだ、彼女には魔剣士や、魔族などと手合わせする為にも力を温存させて置きたいんだ。そうしないと……湿地帯悲劇を繰り返す事にも成りかねないぞ……」
「う……」
ティオロは湿地帯で魔剣士との戦いで彼女が敗北した事を思い出した。
そして……自分も彼女を守る為に強くなろうと頑張っていた事を思い出す。
「そ……そうだった。僕はリーミアを守ろうと思って、今日まで頑張って来たんだ……」
大事な事を思い出したティオロは、改めて盾を構え直した。それを見たアーレスがティオロに近付き声を掛ける。
「魔法効果で、低階級の魔物は近付けない様になっている。近付く魔物が居たら、無理に戦わず追い払う様にしろ。なるべくリーミアちゃんを前に出させない様にするんだ」
「分かった!」
そう返事をすると、ティオロが前進し皆がその後を追う様な感じで森の奥へと進み始めた。
その頃……
魔術師の館では魔剣士ルディアンスが、リーミア達一行が来るのを待ち続けて居る中、肘掛け椅子に座ったままウトウト……と、眠りに落ちた。
『アンス……ディアンス……ルディアンス』
誰かが囁く声に気付き、ハッと目を覚ました。若い青年が顔を上げると……。青年は賑やかな酒場のテーブルの上で目を覚ました。
「ここは……?」
周囲を見渡すと、アルコールの効いた部屋の中、煙草の煙と、弦楽器の音色。更に……中高年男性と、甲高い女性の笑い声。
そして……目の前には木製のコップに目一杯注がれた果実酒が置いてあった。
「よう、ルディアンス。酒に酔い潰れて眠ってしまったのか?」
陽気な声で話し掛ける人物を見て、彼は向かい側の席を見ると、そこには同年代位の若い男性の姿があった。
「違うよ……少し疲れただけだ」
彼はそう言って席を立つ。
「先に帰らせてもらう」
ルディアンスがそう言うと、男性が彼に向かって言う。
「別に構わないけど、明日の魔獣狩、君はどうするのだ?まだ返事を貰って無いけど……」
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