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魔の森、攻略!
魔の森(5)
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翌々日ー早朝……
リーミアは、朝から大慌てで準備を急いでいた。
「盟主様、皆様がすでに宿舎前に集まっていますよ!」
マイリアが部屋に入って来て言う。
「ああ……もう、どうしてもっと早くに起こしてくれなかったのよー。間に合わ無いじゃない……」
リーミアはパンを口に加えながら、荷造りに勤しんでいた。
「盟主様が前の日に、しっかり準備していれば充分間に合っていましたよ。前の日から私は何度も準備は良いかと聞いてましたが……」
「ウウウ……」
言い訳が出来なくなったリーミアは、残念そうな表情で荷造りを終えて魔法の袋に荷物を入れる。
「さあ、早く外に出ましょう」
マイリアがリーミアの手を引っ張り、ブレスレットを柱に当てて下の階まで行くと、そのまま玄関を出て宿舎の外へと向かう。
外には既に参加者全員が集まっていた。
ふと……リーミアが前を見ると、馬車が3台用意されていた。
「この馬車は……?」
「王宮が君達の活躍を期待していて、わざわざ手配してくれたんだ。まあ……単なるお節介だけどね……」
アーレスがリーミアに向かって言う。
「そうだったの、戻って来たら御礼しなくちゃいけないわね」
「それは気にしなくても良いと思うけど……」
アーレスは、愛想笑いしながら答える。
「取り敢えず、皆……それぞれの馬車に乗ってくれ」
彼の言葉に従い、全員がそれぞれの馬車に乗り込んだ。1台の馬車に男性6名が乗り、残りの2台のうち、1台は女性4名、もう1台にはリーミア、アーレス、サリサ、そして……何故かティオロが乗った。
準備が整うと、馬車は出発する。
出発する時、見送りに出ていたアルファリオ、レネラ、マイリアに対してリーミアは窓を開けて手を振った。
馬車は市場の石畳の通りを走り、中央部を越えて、城壁の門へと走って行く。
門へと差し掛かると、早朝であった為、入り口が閉ざされていた。馬車の騎手が王宮からの通知書を持っていた為、門番役に通知書を見せて、馬車が通過出来る程度の開門を行って貰った。
ゴゴゴ……
少しだけ開かせて貰うだけでも、開門の時、大きな扉が動く音は大きかった。
城壁を抜けると、3台の馬車は南東方面へと向かう。途中、小休憩を挟み、正午になる頃、表参道の道中にある店小屋で、一行は食事と休憩を行った。
食事を済ませたリーミアは現在地を確認しようと地図を拡げた。彼女が地図を拡げたのを見て、アーレスが側に来た。
「現在は市場から半分の距離に達した位置にいる。このまま更に南東へと進み、そこから表参道を東に進んだ先に魔の森があるんだ」
「到着時刻としては、どの位を予想しているのかしら?」
「今日の夕刻頃を予想している。今日は魔の森を挟んだ向かい側でコテージを使って、一晩休んで。明日……日が登った頃に魔の森へと突入しようと考えている」
2人の話を聞いて、サリサが会話に入って来た。
「いきなり危険地帯に飛び込むよりも、せっかく人が集まっているのだから……。中を偵察してから本番に備える……て言うのはどうかしら?」
サリサの言葉にアーレスは「なるほど」と、腕を組んで考え込む。
「確かに、その案も悪くは無いね。リスクを負ってまで危険地帯に入るよりは、様子見してからの方が安全性は高いね。コテージを張ったら、作戦会議で皆の意見を聞いて見てから決めよう」
彼等の話が決まると、再び一行を乗せた馬車は南東へと向けて動き出す。丘や森林が生い茂る道を進んで行くと、周囲は平原が生い茂る平坦な道へと出た。表参道は行き交う馬車や旅人等が見受けられた。
リーミアは、木の窓を開けると目の前に海が前方に広がっている事に気付く。
「海が見えるわね」
隣の席に座っているサリサが呟いた。
「リーミアは海は初めてかな?」
向かい側に座っていたティオロが尋ねる。
「初めてでは無いわね……」
その答えに皆が驚いた。
「そ……そうなの?」
「ええ、私が育った修道院は、海に囲まれた場所だったの……」
「え……?それって、どう言う事なの?」
驚いたサリサが尋ねた。
「もしかして……レセティ修道院かな?」
アーレスがリーミアに向かって言うと……
「そんな感じの名前だったわ……」と、リーミアは答えた。
「なるほどね……」
アーレスは納得した様子で頷く。
「知っているの?」
隣に座っていたティオロがアーレスに向かって言う。
「エルテンシア国の南海に浮かぶ孤島にある孤児修道院だよ。過去からあらゆる賢人や偉人達の多くが、この孤島に浮かぶ修道院から生まれ出ている。孤島だけど王宮や神殿にも通じていると聞く……、更にあらゆる武芸や魔術の鍛錬も行っているから、リーミアちゃんが他の人よりも強いのも何となく分かる気がするな……」
「つまり……聖魔剣を手にする事が出来てから本国へと来たのね」
サリサがリーミアに向かって言う。
「ええ、聖魔剣を手にしてから……本国へは大きな船に乗って来たのよ。港に着いてからは王都まで馬車に乗せてもらって来たわ。今まで小さな島に住んでいたから、何処までも陸続きな光景を見て感激したわ」
「へえ、そうなんだぁ……」
リーミアの過去の一面を知る事が出来て、ティオロは少し関心しながら話を聞いていた。
「レセティ修道院か……」
アーレスが何やら気になる様子を浮かべていた。
「どうしたの?」
向かい側でサリサがアーレスを見て尋ねる。
「過去……あらゆる偉人達が、この修道院から生まれ出た……と聞く。現在の大神官アルメトロスも、その1人らしい……」
「へえ、すごいね!」
ティオロが驚いた表情で答える。
「ただ……その一方で、暗躍を務める者も、この修道院の出身者なんだ。例えば……我々がこれから相対するルディアンスや闇の魔術師メヌザ達とかね……」
それを聞いた皆が驚いた。
「え……つまり、魔剣士が私と同じ修道院で武芸を習っていたの?」
リーミアが少し焦った様子で言う。
「そう言う事だよ。でも……君が転生する前の事だから、魔剣士との直接的な関わりは無い」
「でも……国内で最も目立つ人材の多くが、全て修道院出身者だなんて、少し皮肉な話ね……」
サリサが少し呆気に取られた表情で呟いた。
「全くだ。まあ……外界からの刺激を受け無いから、あらゆる勉学等を学べるけど……善人も悪人も育ってしまうのが痛い所だよ……」
それを聞いてリーミアの表情が少し困惑した様子を見せているのをティオロは気付く。
「悩む事なんて無いさ。ヤツは君を襲って来たんだ。聖魔剣だけ取り返せば良いだけの事だよ」
「分かっているわ……でも、私と間接的な関係だったと言うのが……ちょっと驚きだったのよ」
それを聞いたアーレスがリーミアに向かって話す。
「元々……ルディアンス自身、真面目な剣士だった。彼は正義感の強い人物で王位継承権の競技にも出る程の人物だった……。だけど、魔法剣の魔力に心を蝕まれて、現在の様な姿になってしまったんだよ」
「そうだったのね……」
アーレスの言葉で、少し……場の空気が重く感じ、リーミアは少し俯いたままの表情で返事をした。
その時だった。
「なあんだ、リーミアはグループの盟主になったから、凄くなったかんだと思ったけど……あまり変わって無いんだな。正直に魔の森に行って、魔剣士と戦うのが怖いと言った方が、まだ素直で可愛いと思うけどな……」
突然のティオロの言葉に、リーミアとアーレス、サリサが少し驚いた表情をした。
「な……何よいきなり!べ……別に怖くは無いわよ!」
「良く言うよ……聖魔剣を奪われたあと、しばらく落ち込んでいたクセに……」
ティオロは目を細めながら言う。
「あ……あれは、突然……色々あったからよ!」
「無理しちゃって……」
彼は少しニヤけた表情で言う。
「む……無理なんかしてないもん!」
リーミアはムキになって答える。
2人のやり取りを見ていたアーレスとサリサは面白そうに彼等の会話を眺める。
「2人とも仲が良いわね」
「別に、良くないわよ!こんなヤツなんか魔の森に置き去りにして来れば良いわよ」
「ヤツとは失礼だな……」
「あら……何か変な事言ったかしら?」
ティオロから視線を逸らしながらリーミアは答える。
そんな彼等の会話の最中、馬車の騎手が木の戸を開けて顔を覗かせると、「旦那等……目的地に来ましたぜ」と、声を掛けて来た。
「おお、ありがとう」
アーレスが騎手に向かって返事をする。しばらくして彼等を乗せた馬車が止まった。騎手が外側にある錠を外す頃、外で先に待っている仲間達が、何やらざわついている様に、色々と話し声が聞こえて来る。
馬車からアーレス、リーミア、サリサ、ティオロが降りる。
ふと……先に降りて居た一行に目を向けると、彼等は何処か遠くを眺めている様子だった。
「どうしたの?」
「あ……盟主、アレが……私達が向かう戦場なのよね?」
アメリが少し蒼白した様な表情で言う。
「噂には聞いて居たが……これは、さすがに少しばかり規格外かも……」
何時も強気だったエムランが珍しく、怖気付いた様な感じで呟く。
そう言った彼等の言葉を聞きながら、リーミアやティオロが、彼等の視線の先にある光景へと目を向けると……そこには、まだ少し距離があるのにも関わらず……鬱蒼とした森の中から、魔物らしき怪鳥や翼の生えた獣達が飛び回っている影がハッキリと見えた。
リーミアは、朝から大慌てで準備を急いでいた。
「盟主様、皆様がすでに宿舎前に集まっていますよ!」
マイリアが部屋に入って来て言う。
「ああ……もう、どうしてもっと早くに起こしてくれなかったのよー。間に合わ無いじゃない……」
リーミアはパンを口に加えながら、荷造りに勤しんでいた。
「盟主様が前の日に、しっかり準備していれば充分間に合っていましたよ。前の日から私は何度も準備は良いかと聞いてましたが……」
「ウウウ……」
言い訳が出来なくなったリーミアは、残念そうな表情で荷造りを終えて魔法の袋に荷物を入れる。
「さあ、早く外に出ましょう」
マイリアがリーミアの手を引っ張り、ブレスレットを柱に当てて下の階まで行くと、そのまま玄関を出て宿舎の外へと向かう。
外には既に参加者全員が集まっていた。
ふと……リーミアが前を見ると、馬車が3台用意されていた。
「この馬車は……?」
「王宮が君達の活躍を期待していて、わざわざ手配してくれたんだ。まあ……単なるお節介だけどね……」
アーレスがリーミアに向かって言う。
「そうだったの、戻って来たら御礼しなくちゃいけないわね」
「それは気にしなくても良いと思うけど……」
アーレスは、愛想笑いしながら答える。
「取り敢えず、皆……それぞれの馬車に乗ってくれ」
彼の言葉に従い、全員がそれぞれの馬車に乗り込んだ。1台の馬車に男性6名が乗り、残りの2台のうち、1台は女性4名、もう1台にはリーミア、アーレス、サリサ、そして……何故かティオロが乗った。
準備が整うと、馬車は出発する。
出発する時、見送りに出ていたアルファリオ、レネラ、マイリアに対してリーミアは窓を開けて手を振った。
馬車は市場の石畳の通りを走り、中央部を越えて、城壁の門へと走って行く。
門へと差し掛かると、早朝であった為、入り口が閉ざされていた。馬車の騎手が王宮からの通知書を持っていた為、門番役に通知書を見せて、馬車が通過出来る程度の開門を行って貰った。
ゴゴゴ……
少しだけ開かせて貰うだけでも、開門の時、大きな扉が動く音は大きかった。
城壁を抜けると、3台の馬車は南東方面へと向かう。途中、小休憩を挟み、正午になる頃、表参道の道中にある店小屋で、一行は食事と休憩を行った。
食事を済ませたリーミアは現在地を確認しようと地図を拡げた。彼女が地図を拡げたのを見て、アーレスが側に来た。
「現在は市場から半分の距離に達した位置にいる。このまま更に南東へと進み、そこから表参道を東に進んだ先に魔の森があるんだ」
「到着時刻としては、どの位を予想しているのかしら?」
「今日の夕刻頃を予想している。今日は魔の森を挟んだ向かい側でコテージを使って、一晩休んで。明日……日が登った頃に魔の森へと突入しようと考えている」
2人の話を聞いて、サリサが会話に入って来た。
「いきなり危険地帯に飛び込むよりも、せっかく人が集まっているのだから……。中を偵察してから本番に備える……て言うのはどうかしら?」
サリサの言葉にアーレスは「なるほど」と、腕を組んで考え込む。
「確かに、その案も悪くは無いね。リスクを負ってまで危険地帯に入るよりは、様子見してからの方が安全性は高いね。コテージを張ったら、作戦会議で皆の意見を聞いて見てから決めよう」
彼等の話が決まると、再び一行を乗せた馬車は南東へと向けて動き出す。丘や森林が生い茂る道を進んで行くと、周囲は平原が生い茂る平坦な道へと出た。表参道は行き交う馬車や旅人等が見受けられた。
リーミアは、木の窓を開けると目の前に海が前方に広がっている事に気付く。
「海が見えるわね」
隣の席に座っているサリサが呟いた。
「リーミアは海は初めてかな?」
向かい側に座っていたティオロが尋ねる。
「初めてでは無いわね……」
その答えに皆が驚いた。
「そ……そうなの?」
「ええ、私が育った修道院は、海に囲まれた場所だったの……」
「え……?それって、どう言う事なの?」
驚いたサリサが尋ねた。
「もしかして……レセティ修道院かな?」
アーレスがリーミアに向かって言うと……
「そんな感じの名前だったわ……」と、リーミアは答えた。
「なるほどね……」
アーレスは納得した様子で頷く。
「知っているの?」
隣に座っていたティオロがアーレスに向かって言う。
「エルテンシア国の南海に浮かぶ孤島にある孤児修道院だよ。過去からあらゆる賢人や偉人達の多くが、この孤島に浮かぶ修道院から生まれ出ている。孤島だけど王宮や神殿にも通じていると聞く……、更にあらゆる武芸や魔術の鍛錬も行っているから、リーミアちゃんが他の人よりも強いのも何となく分かる気がするな……」
「つまり……聖魔剣を手にする事が出来てから本国へと来たのね」
サリサがリーミアに向かって言う。
「ええ、聖魔剣を手にしてから……本国へは大きな船に乗って来たのよ。港に着いてからは王都まで馬車に乗せてもらって来たわ。今まで小さな島に住んでいたから、何処までも陸続きな光景を見て感激したわ」
「へえ、そうなんだぁ……」
リーミアの過去の一面を知る事が出来て、ティオロは少し関心しながら話を聞いていた。
「レセティ修道院か……」
アーレスが何やら気になる様子を浮かべていた。
「どうしたの?」
向かい側でサリサがアーレスを見て尋ねる。
「過去……あらゆる偉人達が、この修道院から生まれ出た……と聞く。現在の大神官アルメトロスも、その1人らしい……」
「へえ、すごいね!」
ティオロが驚いた表情で答える。
「ただ……その一方で、暗躍を務める者も、この修道院の出身者なんだ。例えば……我々がこれから相対するルディアンスや闇の魔術師メヌザ達とかね……」
それを聞いた皆が驚いた。
「え……つまり、魔剣士が私と同じ修道院で武芸を習っていたの?」
リーミアが少し焦った様子で言う。
「そう言う事だよ。でも……君が転生する前の事だから、魔剣士との直接的な関わりは無い」
「でも……国内で最も目立つ人材の多くが、全て修道院出身者だなんて、少し皮肉な話ね……」
サリサが少し呆気に取られた表情で呟いた。
「全くだ。まあ……外界からの刺激を受け無いから、あらゆる勉学等を学べるけど……善人も悪人も育ってしまうのが痛い所だよ……」
それを聞いてリーミアの表情が少し困惑した様子を見せているのをティオロは気付く。
「悩む事なんて無いさ。ヤツは君を襲って来たんだ。聖魔剣だけ取り返せば良いだけの事だよ」
「分かっているわ……でも、私と間接的な関係だったと言うのが……ちょっと驚きだったのよ」
それを聞いたアーレスがリーミアに向かって話す。
「元々……ルディアンス自身、真面目な剣士だった。彼は正義感の強い人物で王位継承権の競技にも出る程の人物だった……。だけど、魔法剣の魔力に心を蝕まれて、現在の様な姿になってしまったんだよ」
「そうだったのね……」
アーレスの言葉で、少し……場の空気が重く感じ、リーミアは少し俯いたままの表情で返事をした。
その時だった。
「なあんだ、リーミアはグループの盟主になったから、凄くなったかんだと思ったけど……あまり変わって無いんだな。正直に魔の森に行って、魔剣士と戦うのが怖いと言った方が、まだ素直で可愛いと思うけどな……」
突然のティオロの言葉に、リーミアとアーレス、サリサが少し驚いた表情をした。
「な……何よいきなり!べ……別に怖くは無いわよ!」
「良く言うよ……聖魔剣を奪われたあと、しばらく落ち込んでいたクセに……」
ティオロは目を細めながら言う。
「あ……あれは、突然……色々あったからよ!」
「無理しちゃって……」
彼は少しニヤけた表情で言う。
「む……無理なんかしてないもん!」
リーミアはムキになって答える。
2人のやり取りを見ていたアーレスとサリサは面白そうに彼等の会話を眺める。
「2人とも仲が良いわね」
「別に、良くないわよ!こんなヤツなんか魔の森に置き去りにして来れば良いわよ」
「ヤツとは失礼だな……」
「あら……何か変な事言ったかしら?」
ティオロから視線を逸らしながらリーミアは答える。
そんな彼等の会話の最中、馬車の騎手が木の戸を開けて顔を覗かせると、「旦那等……目的地に来ましたぜ」と、声を掛けて来た。
「おお、ありがとう」
アーレスが騎手に向かって返事をする。しばらくして彼等を乗せた馬車が止まった。騎手が外側にある錠を外す頃、外で先に待っている仲間達が、何やらざわついている様に、色々と話し声が聞こえて来る。
馬車からアーレス、リーミア、サリサ、ティオロが降りる。
ふと……先に降りて居た一行に目を向けると、彼等は何処か遠くを眺めている様子だった。
「どうしたの?」
「あ……盟主、アレが……私達が向かう戦場なのよね?」
アメリが少し蒼白した様な表情で言う。
「噂には聞いて居たが……これは、さすがに少しばかり規格外かも……」
何時も強気だったエムランが珍しく、怖気付いた様な感じで呟く。
そう言った彼等の言葉を聞きながら、リーミアやティオロが、彼等の視線の先にある光景へと目を向けると……そこには、まだ少し距離があるのにも関わらず……鬱蒼とした森の中から、魔物らしき怪鳥や翼の生えた獣達が飛び回っている影がハッキリと見えた。
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