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第3章 軍略家 新谷 百花(しんたに ももか)
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出発に際して私には色んな不安があったのだが。
その1つがちゃんと馬に乗れるだろうか、というものだった。
私は乗馬の経験も無く、また誰に教わった訳でもなかった。
それなのにうまく乗れた。
(信じられない)
まさにそんな感じであった。
私はそれが余りにうれしくて、ついつい最初の休憩時に、お二人にこう言ってしまっていた。
「私、初めて馬に乗るのに、すごく上手に乗れるの。才能あるのかな」
そしてお二人が顔を見合わせるのを見て、想わずハッとなった。
それは私であって、エリザベトはそうではない。
チイねえはそのまま黙っていたが、ゴリねえは次の如く言ってくれた。
「エリザベト様。
我ら2人を笑わそうとして、からかってのご冗談はいけません。
子供の頃から、お馬に乗るのはお上手。
それはもう、公爵様の配下の子弟も及ばぬくらい。
実際、子供同士でする馬駆けでも、いつも負け知らず。
もちろん、我ら2名は良く存じておりますとも。
――その最後におっしゃったこともまた事実であると。
――確かに、お嬢様に乗馬の才能はおありです。
ただ最近はあまり馬乗りされなかったのでしょう。
こう言っては何ですが、ずい分、下手ッピになられました」
それを聞くと、チイねえがクスクス笑い出す。
そのクスクス笑いは、やがてゴリねえに移って行った。
お二人のみ知り、私が知らぬエリザベト。
その存在を私は強く感じた。
その中で私もまたクスクス笑い出した。
だって、お二人とも、とっても楽しそうなんだもん。
きっとエリザベトと何かとっても楽しい思い出があったんだろう。
そうでなければ、こんな風に笑わない。
その1つがちゃんと馬に乗れるだろうか、というものだった。
私は乗馬の経験も無く、また誰に教わった訳でもなかった。
それなのにうまく乗れた。
(信じられない)
まさにそんな感じであった。
私はそれが余りにうれしくて、ついつい最初の休憩時に、お二人にこう言ってしまっていた。
「私、初めて馬に乗るのに、すごく上手に乗れるの。才能あるのかな」
そしてお二人が顔を見合わせるのを見て、想わずハッとなった。
それは私であって、エリザベトはそうではない。
チイねえはそのまま黙っていたが、ゴリねえは次の如く言ってくれた。
「エリザベト様。
我ら2人を笑わそうとして、からかってのご冗談はいけません。
子供の頃から、お馬に乗るのはお上手。
それはもう、公爵様の配下の子弟も及ばぬくらい。
実際、子供同士でする馬駆けでも、いつも負け知らず。
もちろん、我ら2名は良く存じておりますとも。
――その最後におっしゃったこともまた事実であると。
――確かに、お嬢様に乗馬の才能はおありです。
ただ最近はあまり馬乗りされなかったのでしょう。
こう言っては何ですが、ずい分、下手ッピになられました」
それを聞くと、チイねえがクスクス笑い出す。
そのクスクス笑いは、やがてゴリねえに移って行った。
お二人のみ知り、私が知らぬエリザベト。
その存在を私は強く感じた。
その中で私もまたクスクス笑い出した。
だって、お二人とも、とっても楽しそうなんだもん。
きっとエリザベトと何かとっても楽しい思い出があったんだろう。
そうでなければ、こんな風に笑わない。
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