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【5日目】
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『投票が終了しました。投票結果を発表します』
自分にスポットライトが当たった瞬間、俺は「嘘だ」と呟いていた。
『小鳥遊歩、一票』
全身の毛穴という毛穴から冷や汗が噴き出してくる。心臓の鼓動が速く、眩暈を起こしそうだった。
今まで票が入ったことがないので、ショックはひと際大きかった。
処刑されたプレーヤーは皆、こんな気持ちだったのだろうか。
まだ処刑されるとも決まっていないのに、目の前が真っ暗になるような絶望感と恐怖を覚える。
俺は周囲を見回した。入れたのはやっぱり片岡啓作だろうか。
『戸上明典、一票』
結果を予想していたらしく、戸上明典に動じた様子はなかった。
桜庭のんは、意志を変えずに彼に投票したらしい。
『片岡啓作、一票』
片岡啓作に入れたのは、どうやら俺しかいなかったようだ。
さぞかし俺を睨みつけてくるだろうと思ったが、彼は何事か考えているらしく、うつむいたまま顔を上げなかった。
『日高巳継、三票』
最後に、満面の笑みを浮かべた巳継の姿が照らし出された。
彼は両手を広げ、パフォーマンスを終えた演技者のように優雅なお辞儀をしている。
『よって、本日処刑されるのは日高巳継です。処刑対象者は最後に、三十秒以内で発言することができます。沈黙したままでも構いません』
スポットライトが赤く変わり、日高巳継は悠々とこちらに向かって手を振る。
「ああー疲れた。俺、超頑張ったよ。ちなみに、歩君に入れたの俺ね。あとは任せた。絶対勝ってよー」
満足げな表情を残して、日高巳継は墓場へと吸い込まれていった。
『処刑が終了しました。プレーヤーは夜の行動を開始してください』
自分にスポットライトが当たった瞬間、俺は「嘘だ」と呟いていた。
『小鳥遊歩、一票』
全身の毛穴という毛穴から冷や汗が噴き出してくる。心臓の鼓動が速く、眩暈を起こしそうだった。
今まで票が入ったことがないので、ショックはひと際大きかった。
処刑されたプレーヤーは皆、こんな気持ちだったのだろうか。
まだ処刑されるとも決まっていないのに、目の前が真っ暗になるような絶望感と恐怖を覚える。
俺は周囲を見回した。入れたのはやっぱり片岡啓作だろうか。
『戸上明典、一票』
結果を予想していたらしく、戸上明典に動じた様子はなかった。
桜庭のんは、意志を変えずに彼に投票したらしい。
『片岡啓作、一票』
片岡啓作に入れたのは、どうやら俺しかいなかったようだ。
さぞかし俺を睨みつけてくるだろうと思ったが、彼は何事か考えているらしく、うつむいたまま顔を上げなかった。
『日高巳継、三票』
最後に、満面の笑みを浮かべた巳継の姿が照らし出された。
彼は両手を広げ、パフォーマンスを終えた演技者のように優雅なお辞儀をしている。
『よって、本日処刑されるのは日高巳継です。処刑対象者は最後に、三十秒以内で発言することができます。沈黙したままでも構いません』
スポットライトが赤く変わり、日高巳継は悠々とこちらに向かって手を振る。
「ああー疲れた。俺、超頑張ったよ。ちなみに、歩君に入れたの俺ね。あとは任せた。絶対勝ってよー」
満足げな表情を残して、日高巳継は墓場へと吸い込まれていった。
『処刑が終了しました。プレーヤーは夜の行動を開始してください』
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