THE LAST WOLF

凪子

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【3日目】

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片岡啓作が、ぽんと膝をたたいた。

「忘れとったわ。そういや碓氷、死ぬ前に霊媒がどうのこうの言うとったな」

「あれは負け惜しみだろ。自分が吊られたくないから、苦しまぎれに言っただけだよ」

野村忠司が吐き捨てた。

「碓氷さん、妙に吊られたがらなかったですよね。人狼だったのかしら」

斎内紫帆が首を傾げる。

「だったら人狼は残り2ってことになりますけど」

「違うと思うな」

小泉真知子が首を振った。

「碓氷は人狼っぽくなかった。ただのよくしゃべるアホ。本物の霊媒師だったのかも」

「根拠は?」

戸上明典に説明を求められ、小泉真知子はきっぱりと言った。

「勘」

「勘かーい」

片岡啓作が軽快に突っ込んだ。

「でも、俺もそう思います。霊媒師かどうかは分かんないけど、少なくとも死ぬ前の感じは村人っぽいなって」

俺が言うと、野村忠司はこちらを睨みつけた。

「だったら普通、もっと早くにカミングアウトするだろ。初日から吊られそうになってるのに、霊媒師が黙ってるとか自殺行為だぞ」

「明かしたら噛まれると思ったんじゃないでしょうか」

俺は食い下がった。

「碓氷さんは占い師についても、黒が出るまで黙ってるべきだと言いました。だから自分も、翌朝まで黙ってるつもりだったのでは?
あの時点で自分が霊媒師だとカミングアウトしても、それこそ何で出たって疑われるだけだろうし、霊媒師は役職的に占い師ほど重要じゃないから、騎士に守ってもらえる可能性も低い。
出て噛まれるぐらいなら、出ないで霊媒師が生きてるか死んでるか分からない状態にしたかったのかも」

「うーん。そこまで考えてるかな?」

桜庭のんが鼻に皺を寄せている。

「提案があります」

白い手をひらりと挙げて麻生雪妃は言った。
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