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しおりを挟む保護者Side——
「子供は敏感ですからね。仕事優先で放置されたら、そうもなりますか。」
「「すぐに会いに行かせろ(て)!」」
「知りませんよ。あなた方の問題には干渉しません。ただ国政から逃がすつもりは毛頭ありません。さあ、再開してください。」
「「強行突破してくれる!」」
「おお、怖いですね。ですが以前あなた方が壊した時、ホルカーに依頼して強化してありますから。ここからは実質出ることはできませんよ。まぁもし壊したら、お二人のポケットマネーから天引きしますが。」
「「ぐぬぬ…。」」
「それに良いんでしょうか?お二人が向かうのでしたら、私から一言伝えさせていただきますよ?"お二人は仕事を捨てて会いにきたのですが。どう思われますか。"って。」
「「はぁ…。」」
最後の言葉に二人して引き攣りながら、残された執務を早急に終わらせるために真剣に取り組んだ。
それを踏ん反り返って眺める宰相は、思案顔をしていた。
「(はぁ。これなら王女殿下を話題に動かすしかありませんね。それにしても、アレの問題が残されているのは気掛かりですが。)」
◇ ◇ ◇
「ノア兄様。綺麗だね!お花がいっぱい。」
「そうだねぇ。(今、一瞬宰相様の気配がした気がする。)」
一瞬だけだったが、微かに感じ取った気配にブルッと寒気を感じたメノアは不安に駆られた。
「ねぇ、ノア兄様。」
「なんだい?(また、宰相様を怒らせたのかな?)」
「あそこの花はなぁに?」
「ん?あぁ、アレは危ない花だよ。ユキは触らないようにね。触ると痛いんだ。」
「そうなんだ!兄様、物知りだね。」
微笑むユキを前に、どうしても出せない本音が隠したいメノアは手入れをする庭師に一言二言、言いたい気持ちになった。
「うん。そう言った勉強もしているからね。ユキも大きくなれば、その内受けるかもしれないね。(なぜアレがこんな庭に平然と咲いているんだ!いくら綺麗だからって、毒花を置くことないだろうが!)」
「兄様?どこか具合、悪いの?」
顔色の悪いメノアを見たユキは安心させるように作り笑いで誤魔化す。
まだ幼いことが良かったのか、口角が引き攣っていることがバレずに済んだ。
「だだ大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから。さぁ、もう少し見て回ったら帰ろうか。」
「うん!」
「(うん。天使だ。)」
一旦考えるのを放棄してユキとの団欒を楽しむことに専念しようと意気込むが、ユキの笑顔によって楽しむ所か祀りたい気持ちが漏れ出す。
ある意味、自制が効かない状況にあった。
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