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しおりを挟む保護者Side——
食後の会話中に目を擦るユキを王妃付きの侍女が手招きしつつ、寝室へと送らせた。
食堂の扉を閉め、室内に家族以外が居なくなってから王は口を開いた。
「お前達。ユキに会った感想を聞こうと思うが、どう思った?」
「はい、陛下。」
青みがかった毛並みのアスケナは真剣な顔で王に向ける。
「ここには家族しかいないから、"父"で構わないぞ。アスケナ。」
「では、父上。ユキは我が家に舞い降りた天使です。あの笑顔を守るためなら、どんな敵にも打ち勝てます。」
「アス兄の言う通りです。ユキに近づく者は排除するべきです。すぐに対策を立てましょう!ユキの笑顔が無くならない為なら、なんでもする覚悟があります。サリオも、そうだよな?」
「………。アス兄も、メノア兄も、過激すぎるよ。もう少し頭を捻ってみたら?そんなに排除してたら、もしもって時に味方が居なくなるじゃないか。」
「「むう。」」
「まずは味方を増やしていけば良いんじゃない?王城内の誰もがユキを愛せるように構築してみたら良いと思うよ。」
「「それだ!」」
「言っておくが、ユキを外に出すつもりは毛頭ないぞ。お前達がユキのために掌握するというのであれば、あらかじめ伝えておくことがある。」
「ユキに持病があるとか?」
「ユキを閉じ込めるの?」
「………。」
「そんなに信用ないのか、儂は。」
「「「だって、ユキから避けようと画策してたよねぇ?」」」
「バレていたのか。では、心して聞くように。」
「「「(ッ!)」」」
「ユキは、先祖返りだ。それもホルカーが調べた結果からいうと、始祖に近いらしい。今はそれほど力は弱いが、尾が増えれば増えるほど力が増すだろう。」
「「ん。それだけ?なら大丈夫そうだね。」」
「…そうだね。先祖返りだろうと、妹に変わりはないし。もし閉じ込めるなら、僕らが反発するよ?」
「嫌悪しないのか?過去には力を抑えようとして、犠牲が出たっていう事例もあるんだぞ。それこそ、我々がこの孤島に国を移した原因とも言える。それくらいのことは習っているはずだが。」
「そんなの知ってるけどさ。それって調べてみたら、癇癪を起こしたって話でしょ?そうならないようにすれば良いんじゃないの?」
「それはそうだが…。」
あまりに落ち着いている三人の王子達に、これまで心配していた自分が情けなく思ってしまう王は静かに王妃へ目線をずらした。
王妃はひっそりと空気と化していたため、存在そのものを感じていなかった。
王から視線を感じても、気配を殺しながらクスクスと笑う王妃がそこにはいた。
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