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2章 婚約破棄のちプロポーズ! 婚約破棄編
言葉の真意
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噴水の水音しか聞こえなくなった場で、思考だけが動いていた。
自分で言っておきながら、この恋に先なんてない、そう諭されたような感覚に陥る。
この夢の続きが見たくて、見れるはずがなくて。想い続けられないで、想い続けたい。笑いかけてもらうと嬉しくと、そんなのがずっとあるわけなくて。
矛盾しかないものがグルグルと胸中で渦を巻く。
心なしか3人の表情も昏く見えた。
タッタッタッ…
痛いほどの沈黙を破り、石畳の上を駆けている音が辺りに響く。
振り向く気にもならず顔を俯けていると、周りが息を飲んだのが分かった。
何だろうとぼんやり思い、ノロノロと顔を上げて振り向くと、薄桃色のドレスの裾が視界の隅で翻る。
「つっ…!」
そのドレスの主は、軽く息をつきながら立ち止まった。
「何故…?」
何で、ここにいるのか。何故、走って来たのか。
そう言葉にする前に、彼女は気遣わしげに言った。
「あ、す、すみません…。お邪魔、してしまいましたね…」
亜麻色の髪と薄桃の瞳を持つ可愛らしい少女。
リンティア・クレス伯爵令嬢が、そこに立っていた。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
先程破られたはずの沈黙が再び場を支配する。
あんな話の後だから、さらに気まずいです!
「いいえ、どうぞお気になさらないで。」
内心の動揺を悟られまいと、社交用の仮面を被り平然を装って返答。
全然そんなことないわよ!
「お気遣い、大変ありがたく存じます」
表では、談笑を邪魔したことの謝罪と許し、それへの感謝を並べながら、停滞した思考を必死で回す。
ええっと、まずは話題を振るでしょ?それからさりげなく立ち去って、っていうか何で立ち去るんだっけ?というか何故ここにリンティア様が?
かなりテンパり気味の頭の片隅、比較的冷静な部分で判断を下す。
「それで、リンティア様はどうしてこちらにいらしたのですか?」
「何かあったのですか~?」
呑気なソリュカの援護射撃…いや単に疑問を投げただけ?を受けて、わざとらしく首を傾げてみせる。
・・・圧をかけているわけではなくてよ。
「あ、いえ、少し音楽に酔ってしまったようで、散策しに来たのです。申し訳ありません、すぐに立ち去りますね」
顔色が悪いながらも、にこりと微笑み立ち去ろうとする。
「でも、先程、ここに走っていらしませんでしたか?なにか急ぎの用事があったのでは?」
軽く追求すれば、分かりやすく硬直した。
バレバレでしてよ?
忙しなく視線が動き、足首が小さく震えているのが見て取れる。
「何か怖いことでもあったの?大丈夫?」
「心配だな、休憩室へ送ろうか?」
2人の提案にもビクッと肩を跳ね上がらせる。
本気で心配ですね…
「・・・すけて」
「へ?」
言葉の真意を測りかねて、思わず聞き返す。
「っ、たすけて、くださぃ…」
自分で言っておきながら、この恋に先なんてない、そう諭されたような感覚に陥る。
この夢の続きが見たくて、見れるはずがなくて。想い続けられないで、想い続けたい。笑いかけてもらうと嬉しくと、そんなのがずっとあるわけなくて。
矛盾しかないものがグルグルと胸中で渦を巻く。
心なしか3人の表情も昏く見えた。
タッタッタッ…
痛いほどの沈黙を破り、石畳の上を駆けている音が辺りに響く。
振り向く気にもならず顔を俯けていると、周りが息を飲んだのが分かった。
何だろうとぼんやり思い、ノロノロと顔を上げて振り向くと、薄桃色のドレスの裾が視界の隅で翻る。
「つっ…!」
そのドレスの主は、軽く息をつきながら立ち止まった。
「何故…?」
何で、ここにいるのか。何故、走って来たのか。
そう言葉にする前に、彼女は気遣わしげに言った。
「あ、す、すみません…。お邪魔、してしまいましたね…」
亜麻色の髪と薄桃の瞳を持つ可愛らしい少女。
リンティア・クレス伯爵令嬢が、そこに立っていた。
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先程破られたはずの沈黙が再び場を支配する。
あんな話の後だから、さらに気まずいです!
「いいえ、どうぞお気になさらないで。」
内心の動揺を悟られまいと、社交用の仮面を被り平然を装って返答。
全然そんなことないわよ!
「お気遣い、大変ありがたく存じます」
表では、談笑を邪魔したことの謝罪と許し、それへの感謝を並べながら、停滞した思考を必死で回す。
ええっと、まずは話題を振るでしょ?それからさりげなく立ち去って、っていうか何で立ち去るんだっけ?というか何故ここにリンティア様が?
かなりテンパり気味の頭の片隅、比較的冷静な部分で判断を下す。
「それで、リンティア様はどうしてこちらにいらしたのですか?」
「何かあったのですか~?」
呑気なソリュカの援護射撃…いや単に疑問を投げただけ?を受けて、わざとらしく首を傾げてみせる。
・・・圧をかけているわけではなくてよ。
「あ、いえ、少し音楽に酔ってしまったようで、散策しに来たのです。申し訳ありません、すぐに立ち去りますね」
顔色が悪いながらも、にこりと微笑み立ち去ろうとする。
「でも、先程、ここに走っていらしませんでしたか?なにか急ぎの用事があったのでは?」
軽く追求すれば、分かりやすく硬直した。
バレバレでしてよ?
忙しなく視線が動き、足首が小さく震えているのが見て取れる。
「何か怖いことでもあったの?大丈夫?」
「心配だな、休憩室へ送ろうか?」
2人の提案にもビクッと肩を跳ね上がらせる。
本気で心配ですね…
「・・・すけて」
「へ?」
言葉の真意を測りかねて、思わず聞き返す。
「っ、たすけて、くださぃ…」
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