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第1章
第12話
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身体強化のおかげで体が軽い。足が速い。
ただ、後ろから何度も飛んでくる魔法を避けながらというのはなかなかに厳しい。なんで私を攻撃するのか……。
とは言っても、この森は私のフィールド。どれほどここで生活してきたと思っている。まあここに来てからそこまで時間は経っていないが。
住めば都という言葉がある通り結構この森での生活を楽しんでいた自分がいる。しかし、もうここから離れなければならないのだろうということを想像すると、なんとなく悲しくなってくる。
「ってッ……」
なんとか避けながら逃げれていたが、ここで飛んできた火球が足に当たった。
すかさずヒールを掛けるが、走っている状態ではイメージが定まらずにうまく発動できない。
「くそッ」
悪態をつきながら、けがした左足を庇いながらなんとか走る。
先日の爆発のせいか、多くの木が倒れていて走りにくい。何となく体育でやったハードル走を思い出す。加えて、木が倒れたせいで私の姿を隠す物が減ってしまっている。
左足のけがのせいで速く走れない。どんどん縮まる距離。
(ああ、終わった)
縮まっていく距離と左足をみて、私は逃げることを諦めた。
「単刀直入に聞く。お前は何者だ?」
「……見てわかるでしょ? 人間よ」
私が歩みを止めると、彼らは魔法を放つことをやめてゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
悪い人ではないのかな? 私を拘束するだとか、そういうことはしなかった。
しかし逃げれば殺す。というのは会話はなくとも伝わってくる。
「あなたたちは何者? なんで私を追うの?」
「何者かって? この紋章を見てもわからないか?」
そう言って左肩に記された豪華な紋章を見せてきた。その紋章の下には剣をクロスしたような印もついている。
……多分どこかの騎士団を示す物なのだろう。しかし異世界の手引きの『地理、情勢について』という欄を私はしっかりとは見ていないので、それを見せられたところでどこの国かもわからない。
「ええ。全くわからないわ」
「なッ……」
そう返事をすると、5人は驚いたような顔を見せ、何やらひそひそと話し合っている。
何かまずかっただろうか。
まずかっただろうな。
「えっと、ベルネリア帝国を知らない?」
「ええ。全くわからないわ」
「嬢ちゃん、名前は?」
「石見銀だけど」
「どこから来たの?」
「日本だよ」
やはりざわつく。
そりゃそうだろう。日本とここは別の世界な訳だし。おそらくここはベルネリア帝国という場所なのだろう。そして彼らの反応を見ると、ここが国境付近というわけではなく、めちゃくちゃ帝国領内なのだろう。
「よしわかった。おそらく君は記憶がおかしくなっているみたいだ。突然すまない。我々はベルネリア帝国騎士団第三機動隊第三小隊隊長のウェリアルだ」
うん、長いね。覚えられるわけなくない?
隊長さんの次にもどんどんと自己紹介されるけれどマジでわからない。長いんだわいちいち。
「じゃあ、なんで我々が今ここに来ているかを説明する
今から3ヶ月ほど前、この森で大きな爆発が発生した。なにか強大な魔物がいる可能性が考えられたが、大きな魔力の反応がなかったために魔法の誤爆として処理された。これがさっき君がいた所だ」
「ん?」
「どうかしたか?」
「いや、何でも無い。続けて」
3ヶ月前? ということは私は3ヶ月復帰までにかかったということか。
「それでしばらくは放置されていたんだ。この場所は王都からも離れているし、近くに主要な町もないからな。
数日前から遠征で我々はこの地を訪れていたのだが、魔物を発見するために探知魔法を使用したところ、3ヶ月前の爆発の真ん中に1人の人間らしきものがいるのを発見した。
ただ、数は1人で魔力もそこまで大きくない。だから我々5人がここに来たのだ」
「なるほどね。じゃあ何で攻撃したの? 調査じゃなかったの?」
「それに関してはすまない。この森は魔物が多く出るということもあって、そこに人間がいるというのはわかっていたのだが驚いてしまったのだ」
そりゃそうだろうね。
クレーターのど真ん中に少女がいるんだから。
怖いわ
「それでなんだが、どうして爆心地にいたかわかるか? 記憶はある?」
あります。超あります。しかし正直にこれを言ってしまえば拘束される可能性が高いだろう。正直騎士団とは言っても得体の知れない物だからついていきたくはない。
申し訳ないけれど嘘をつかせてもらおう。
「……ごめんなさい。何があったのか何も覚えてないわ」
「……そうか。えと、騎士団についてきてもらうことは出来るだろうか」
うー、やっぱりそうなるよなぁ……。
しかし正直ついていきたくはない。何かめんどくさいことに巻き込まれる気配がする。
「うん、めちゃくちゃいやそうな顔をしているね。わかった。君は何も知らないようだし少女を無理矢理従えるというのはあまりやりたくない。もういってもかまわない。悪かったな」
「隊長~、こんなかわいい子逃がしてもいいんすか?」
「そうっすよ、むさ苦しい騎士団に必要な人材ですよ? ね?」
礼をしてさっさとその場を去ろうとした私の腕を掴んだ騎士団の男。私の体に悪寒が走る。
「ちょ、やめてください!」
そう腕を振ったところでほどけない。彼らは鍛えている。多少身体強化魔法で上乗せしていると言っても無理だ。
……あまりやりたくはなかったけど、これは正当防衛なはずだ。
1度深呼吸をして混乱する体を落ち着かせる。ゆっくりとヒールの魔法を発動してけがした左足を回復していく。
そして、捕まれた右腕、そして左腕にいつもよりも強い身体強化魔法を付与して一気に腕を振り払う。
「なッ、お前! 誇り高き騎士団に逆らってただで済むと思うなよ!?」
そう言って私に向かって殴りかかってくるその拳を右へと払いのける。
「か弱き少女を襲おうとしておいて何が誇りだ。いや、埃だったか?」
そう言ってにやりと笑う。
5人のうち3人はどうやら切れたようだ。
残りの2人は良識ある本物の誇りを身にまとった騎士たちだったらしい。
「おまえッ!」
そう言って罵声を上げながら襲いかかってくる3人。
さすがに3対1は厳しいだろう。2人ならなんとかなるかと思ったが、まさかもう1人埃側が居るとは思わなかった。
そう歯を食いしばったとき、辺りに大きな声が響いた。
「お前ら! ふざけた真似をするんじゃない!」
隊長だ。
「帝国騎士は民の味方であり、帝国の剣としてその誇りを胸に活動をする組織だ。そのために多くの権力を与えられている。虎の威を借って、本来守るべき民を襲うとは何事だ! お前らには誇りも名誉もないのかッ!」
おお、かっこいいね。私民じゃないけど。
叱られた3人は一瞬にして動きを止め、顔を青く染め上げた。ただ、明らかにこちらを睨んでいるようだ。
(こりゃなんか恨まれたな……)
別に私何も悪くないじゃん。
「嬢ちゃん、悪かった。こいつらには後で騎士のなんたるかをじっくりと指導する必要があるみたいだ。詫びと言っては何だが、これを持って行ってくれ」
そう言って隊長は腰につけていた短剣を鞘ごと抜き取り、渡してくれた。
「あまり使っていないのだが、どうやら君は剣を持っていないらしい。受け取ってくれ」
そう言って渡された短剣を鞘から引き抜いてみると、それは少し弧を描いた薄刃の軽いよく切れそうな短剣であった。
隊長さんをはじめとする騎士たちがつけているような長剣は重そうで、長くて扱いにくそうだと思っていたが、この短剣ならうまく使えそうだ。
「ありがとうございます」
このおじさんはいいやつだ。
まあ、正直この3人のせいでベルネリア帝国のイメージは最ッッッ悪だけどな!
ただ、後ろから何度も飛んでくる魔法を避けながらというのはなかなかに厳しい。なんで私を攻撃するのか……。
とは言っても、この森は私のフィールド。どれほどここで生活してきたと思っている。まあここに来てからそこまで時間は経っていないが。
住めば都という言葉がある通り結構この森での生活を楽しんでいた自分がいる。しかし、もうここから離れなければならないのだろうということを想像すると、なんとなく悲しくなってくる。
「ってッ……」
なんとか避けながら逃げれていたが、ここで飛んできた火球が足に当たった。
すかさずヒールを掛けるが、走っている状態ではイメージが定まらずにうまく発動できない。
「くそッ」
悪態をつきながら、けがした左足を庇いながらなんとか走る。
先日の爆発のせいか、多くの木が倒れていて走りにくい。何となく体育でやったハードル走を思い出す。加えて、木が倒れたせいで私の姿を隠す物が減ってしまっている。
左足のけがのせいで速く走れない。どんどん縮まる距離。
(ああ、終わった)
縮まっていく距離と左足をみて、私は逃げることを諦めた。
「単刀直入に聞く。お前は何者だ?」
「……見てわかるでしょ? 人間よ」
私が歩みを止めると、彼らは魔法を放つことをやめてゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
悪い人ではないのかな? 私を拘束するだとか、そういうことはしなかった。
しかし逃げれば殺す。というのは会話はなくとも伝わってくる。
「あなたたちは何者? なんで私を追うの?」
「何者かって? この紋章を見てもわからないか?」
そう言って左肩に記された豪華な紋章を見せてきた。その紋章の下には剣をクロスしたような印もついている。
……多分どこかの騎士団を示す物なのだろう。しかし異世界の手引きの『地理、情勢について』という欄を私はしっかりとは見ていないので、それを見せられたところでどこの国かもわからない。
「ええ。全くわからないわ」
「なッ……」
そう返事をすると、5人は驚いたような顔を見せ、何やらひそひそと話し合っている。
何かまずかっただろうか。
まずかっただろうな。
「えっと、ベルネリア帝国を知らない?」
「ええ。全くわからないわ」
「嬢ちゃん、名前は?」
「石見銀だけど」
「どこから来たの?」
「日本だよ」
やはりざわつく。
そりゃそうだろう。日本とここは別の世界な訳だし。おそらくここはベルネリア帝国という場所なのだろう。そして彼らの反応を見ると、ここが国境付近というわけではなく、めちゃくちゃ帝国領内なのだろう。
「よしわかった。おそらく君は記憶がおかしくなっているみたいだ。突然すまない。我々はベルネリア帝国騎士団第三機動隊第三小隊隊長のウェリアルだ」
うん、長いね。覚えられるわけなくない?
隊長さんの次にもどんどんと自己紹介されるけれどマジでわからない。長いんだわいちいち。
「じゃあ、なんで我々が今ここに来ているかを説明する
今から3ヶ月ほど前、この森で大きな爆発が発生した。なにか強大な魔物がいる可能性が考えられたが、大きな魔力の反応がなかったために魔法の誤爆として処理された。これがさっき君がいた所だ」
「ん?」
「どうかしたか?」
「いや、何でも無い。続けて」
3ヶ月前? ということは私は3ヶ月復帰までにかかったということか。
「それでしばらくは放置されていたんだ。この場所は王都からも離れているし、近くに主要な町もないからな。
数日前から遠征で我々はこの地を訪れていたのだが、魔物を発見するために探知魔法を使用したところ、3ヶ月前の爆発の真ん中に1人の人間らしきものがいるのを発見した。
ただ、数は1人で魔力もそこまで大きくない。だから我々5人がここに来たのだ」
「なるほどね。じゃあ何で攻撃したの? 調査じゃなかったの?」
「それに関してはすまない。この森は魔物が多く出るということもあって、そこに人間がいるというのはわかっていたのだが驚いてしまったのだ」
そりゃそうだろうね。
クレーターのど真ん中に少女がいるんだから。
怖いわ
「それでなんだが、どうして爆心地にいたかわかるか? 記憶はある?」
あります。超あります。しかし正直にこれを言ってしまえば拘束される可能性が高いだろう。正直騎士団とは言っても得体の知れない物だからついていきたくはない。
申し訳ないけれど嘘をつかせてもらおう。
「……ごめんなさい。何があったのか何も覚えてないわ」
「……そうか。えと、騎士団についてきてもらうことは出来るだろうか」
うー、やっぱりそうなるよなぁ……。
しかし正直ついていきたくはない。何かめんどくさいことに巻き込まれる気配がする。
「うん、めちゃくちゃいやそうな顔をしているね。わかった。君は何も知らないようだし少女を無理矢理従えるというのはあまりやりたくない。もういってもかまわない。悪かったな」
「隊長~、こんなかわいい子逃がしてもいいんすか?」
「そうっすよ、むさ苦しい騎士団に必要な人材ですよ? ね?」
礼をしてさっさとその場を去ろうとした私の腕を掴んだ騎士団の男。私の体に悪寒が走る。
「ちょ、やめてください!」
そう腕を振ったところでほどけない。彼らは鍛えている。多少身体強化魔法で上乗せしていると言っても無理だ。
……あまりやりたくはなかったけど、これは正当防衛なはずだ。
1度深呼吸をして混乱する体を落ち着かせる。ゆっくりとヒールの魔法を発動してけがした左足を回復していく。
そして、捕まれた右腕、そして左腕にいつもよりも強い身体強化魔法を付与して一気に腕を振り払う。
「なッ、お前! 誇り高き騎士団に逆らってただで済むと思うなよ!?」
そう言って私に向かって殴りかかってくるその拳を右へと払いのける。
「か弱き少女を襲おうとしておいて何が誇りだ。いや、埃だったか?」
そう言ってにやりと笑う。
5人のうち3人はどうやら切れたようだ。
残りの2人は良識ある本物の誇りを身にまとった騎士たちだったらしい。
「おまえッ!」
そう言って罵声を上げながら襲いかかってくる3人。
さすがに3対1は厳しいだろう。2人ならなんとかなるかと思ったが、まさかもう1人埃側が居るとは思わなかった。
そう歯を食いしばったとき、辺りに大きな声が響いた。
「お前ら! ふざけた真似をするんじゃない!」
隊長だ。
「帝国騎士は民の味方であり、帝国の剣としてその誇りを胸に活動をする組織だ。そのために多くの権力を与えられている。虎の威を借って、本来守るべき民を襲うとは何事だ! お前らには誇りも名誉もないのかッ!」
おお、かっこいいね。私民じゃないけど。
叱られた3人は一瞬にして動きを止め、顔を青く染め上げた。ただ、明らかにこちらを睨んでいるようだ。
(こりゃなんか恨まれたな……)
別に私何も悪くないじゃん。
「嬢ちゃん、悪かった。こいつらには後で騎士のなんたるかをじっくりと指導する必要があるみたいだ。詫びと言っては何だが、これを持って行ってくれ」
そう言って隊長は腰につけていた短剣を鞘ごと抜き取り、渡してくれた。
「あまり使っていないのだが、どうやら君は剣を持っていないらしい。受け取ってくれ」
そう言って渡された短剣を鞘から引き抜いてみると、それは少し弧を描いた薄刃の軽いよく切れそうな短剣であった。
隊長さんをはじめとする騎士たちがつけているような長剣は重そうで、長くて扱いにくそうだと思っていたが、この短剣ならうまく使えそうだ。
「ありがとうございます」
このおじさんはいいやつだ。
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