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ダンジョン
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今回、建設予定地にダンジョンが見つかったということは世界中に発表され、それをSランク冒険者でこの国の国王であるニシゾノ・チナリが直々に攻略するということも同時に発表された。
各国から支援をするといった内容の書簡が届いたものの、借りを作るのが嫌だし、別に必要でもないのでやんわりと断っておいた。
レイナやフィネメイゼが知らなかったことからも察せられる通り、私がSランク冒険者であるということは公に発表しておらず、この発表により、世界中の人に知らされたことになる。
久しぶりの冒険、思いっきり暴れてやる。
準備といっても、ほとんどの者はアイテムボックスにしまっていたため、準備にそこまで時間がかかったわけでもなかったりする。
今着ていた動きにくい服を動きやすいラフな服装に着替えて、剣をしっかりと研ぎなおした。
水や食料をアイテムボックスに放り入れ、いざ攻略開始である。
「おお!ここがダンジョンか!」
ダンジョンがどこにあるかわかりにくいかな?と思っていたのだが、それは思ったよりも早く見つけることができた。
王宮のベランダから飛行魔法で出発した私は、報告地点近くに明らかに門のようなものが立っているのを見つけた。
その中から非常に濃い魔力が放出されているためか、あたりに生えている木は魔力過多で枯れている。このままこのダンジョンを放っておくとあのあたり一帯は不毛の地になってしまう。
どうやら想像以上に猶予は存在しないらしい。
攻略自体は私だけでするのだが、ダンジョン内からモンスターがあふれた時に備えて騎士団を出動させている。
騎士団の人たちには門の前で待機してもらって、自分勝手な冒険者たちが勝手にダンジョンに入らないように監視と、出てきたモンスターの討伐などの任務をしてもらう。
まあ、見つけたモンスターは片っ端から駆除していくので出てくることはほとんどないと思う。
私は少しずつ魔力を抑えてゆっくりと降下し、門の前にストッと着地した。
空中から見ていてもすでに大きく感じていた門は、いざ地上に降り立って間近で見てみるとさらに大きく感じた。
そして、近づけば近づくほどその放出している魔力の濃度がとんでもないことに気が付き、思わず頬を汗が伝う。
「では陛下、お気をつけて。」
「うん、ありがと。そっちも気を付けて。」
すでに門の前で待機していた騎士団の人たちに軽く挨拶をすると、一斉に足をそろえて敬礼をしてくれた。
国民のみんなの幸せを守るため、国王としての義務を果たすため、ニシゾノ・チナリ、参ります!
各国から支援をするといった内容の書簡が届いたものの、借りを作るのが嫌だし、別に必要でもないのでやんわりと断っておいた。
レイナやフィネメイゼが知らなかったことからも察せられる通り、私がSランク冒険者であるということは公に発表しておらず、この発表により、世界中の人に知らされたことになる。
久しぶりの冒険、思いっきり暴れてやる。
準備といっても、ほとんどの者はアイテムボックスにしまっていたため、準備にそこまで時間がかかったわけでもなかったりする。
今着ていた動きにくい服を動きやすいラフな服装に着替えて、剣をしっかりと研ぎなおした。
水や食料をアイテムボックスに放り入れ、いざ攻略開始である。
「おお!ここがダンジョンか!」
ダンジョンがどこにあるかわかりにくいかな?と思っていたのだが、それは思ったよりも早く見つけることができた。
王宮のベランダから飛行魔法で出発した私は、報告地点近くに明らかに門のようなものが立っているのを見つけた。
その中から非常に濃い魔力が放出されているためか、あたりに生えている木は魔力過多で枯れている。このままこのダンジョンを放っておくとあのあたり一帯は不毛の地になってしまう。
どうやら想像以上に猶予は存在しないらしい。
攻略自体は私だけでするのだが、ダンジョン内からモンスターがあふれた時に備えて騎士団を出動させている。
騎士団の人たちには門の前で待機してもらって、自分勝手な冒険者たちが勝手にダンジョンに入らないように監視と、出てきたモンスターの討伐などの任務をしてもらう。
まあ、見つけたモンスターは片っ端から駆除していくので出てくることはほとんどないと思う。
私は少しずつ魔力を抑えてゆっくりと降下し、門の前にストッと着地した。
空中から見ていてもすでに大きく感じていた門は、いざ地上に降り立って間近で見てみるとさらに大きく感じた。
そして、近づけば近づくほどその放出している魔力の濃度がとんでもないことに気が付き、思わず頬を汗が伝う。
「では陛下、お気をつけて。」
「うん、ありがと。そっちも気を付けて。」
すでに門の前で待機していた騎士団の人たちに軽く挨拶をすると、一斉に足をそろえて敬礼をしてくれた。
国民のみんなの幸せを守るため、国王としての義務を果たすため、ニシゾノ・チナリ、参ります!
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