上 下
122 / 193

121話目 接敵

しおりを挟む
敵はどうやら私の存在には気が付いていないようだ。

悠長に「ここが頂上かぁ~!」とか言いながら私が使っていたものと同じ型の双眼鏡を取り出した。

1人は双眼鏡を見ているために無防備な状態。

ここで奇襲をかければ一時的に1対3の状況を作ることができる。

私はすぐにメンバーに『奇襲をかけます。ばれないようにゆっくり来てください。』とメッセージを送り、アイテムボックスに双眼鏡をしまい込んで双剣を取り出した。

(よし、行くぞ!)

そして、一気に造形を解除して穴から飛び出した。

「な!敵だ!!」

角度的によく見えなかったが、どうやら敵は4人組であっているようで全員が男。

私はまず最初に双眼鏡を持っていた魔法使いらしき男を落とすことにした。

荷物がほかの人より大きいことから、おそらくあまり攻撃には参加しない支援系の魔法使いであることが推測できる。

先に回復魔法が使える者を落とすというのは心がけていきたいことである。

跳躍を使って高く跳ね上がり、超加速と空中ジャンプの組み合わせで一気に狙いまで詰めていく。

どうやら相手は私の狙いが回復魔法の使い手だと気が付いたようで、急いでカバーに回ろうとしていた。

しかし、私の超加速の速さにはついてこられなかったようで、相手は最後の抵抗として持っていた剣を投げてきた。

その剣はまっすぐ私の方へ飛んできたのだが、左の剣で私は飛んできた剣を弾いた。

そして、すぐに回収ができないようにこぶしで剣を弾き飛ばすが、それは無意味だったようで、剣は相手の手元にすぐに戻っていった。

おそらく投げナイフに似たようなスキルを保有していたのだろう。

まあ、それで剣が戻ったところで時はすでに遅く、私は魔法使いの首元に右の剣を突き付け、そのまま刎ねた。

おそらくやれているとは思うのだが、HP1で耐える系のスキルを持っていたら面倒なので、相手の腹で跳躍のスキルを使った。

相手はそのまま山から落ちていったので、1で耐えられていても落下ダメージで倒せるだろう。

「ユウヒ、か。」

跳躍のスキルでそのまま相手の元へと飛んで行ったとき、すれ違った男がそう呟いていたのが聞こえた。

おそらく3人とも私がユウヒであることに気が付いている。

ひとまず、すれ違った男の首は同じように刎ねたが、ギリギリで首をそらされたため、急所に当たることはなかった。

「分が悪い!撤退だ!」

どうやら相手は撤退の手段を取るようだった。

私は跳躍の勢いで少し離れたところまで行ってしまって、今逃げられたら追うことは厳しい可能性がある。

まあ1人削れただけで十分かな。

そう思っていたら、どこからともなく声が聞こえてきた。

「ユウヒ!待たせた!」

「あ、メアリー!」

援軍の到着だ。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

運極さんが通る

スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。 そして、今日、新作『Live Online』が発売された。 主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。

処理中です...