上 下
107 / 193

106話目 到着!

しおりを挟む
「うわーッ!」

「落ちるーッ!」

「ぎゃぁああああッ!!!」

猛烈な叫び声、池にたたきつけられたときの猛烈な音とともに、大きな水しぶきが上がった。

岩が壊れ、鳴門海峡の渦潮の中にでも入ったかのように水に呑まれる私たち。

そんな私たちがたどり着いたのは、今回の目的地、ケーブレイクタウンであった。

池の中にいつまでいてもしょうがない。

私たちは陸地に向かって泳いでいった。



「はぁ、ようやくついた……。」

ゲームで多少のアシストがかかっているとはいえ、ずっと水の中にいるのはなかなか苦しいものだ。

あと少しで息が続かなくなってしまうといったタイミングでたどり着くことができた。

間一髪だ。

「あれ?ユウヒは?」

たどり着いたはいいものの、ユウヒの姿が見当たらなくなっていた。

「あ、みんなお疲れ~!」

すると、町の中からユウヒがこちらへ向かって手を振りながら出てきた。

どうやら滝に差し掛かる前にワープで町まで飛んだらしい。

「あ~!ユウヒもしかして高いところが怖いからワープしたんでしょ!」

ずるっ子のユウヒに向かってメアリーから鋭い指摘が入る。




「いやいや、高いところとか無理だから!」

私1回ここにきてるんだから、わざわざ苦しんで道を行かなくてもいいんだよ!!

あるもん使わないと損じゃない?

「ふん、まあいいわ。それより!お店に案内して頂戴!!」

後の2人はまだ恨めしそうな目でこちらを見ていたが、メアリーはそんなことよりもお店の方が気になるらしい。

メアリーがお店のことに触れると、ほかの2人も気が変わったといわんばかりに話しかけてきた。

「そうそう!めちゃくちゃ安いんでしたよね!」

「早く連れてってよ!!」

どうやら2人ともショッピングに興味があるらしい。

とりあえず私は広場へと移動した。




「ほんとにきれいな街並みね。ユウヒの配信で見てはいたけど、実際にこの目で見るとなかなか圧巻ね。」

「げえッ!配信見てたの!?」

「そりゃ見るわよ!ユウヒの初配信だもの!」

「こらそこ、いちゃいちゃしてないで早く案内する!」

いや、いちゃいちゃはしてないな?

しかし、同居人が自身の配信を見ているってなかなかきついぞ?

結構精神的に来る。




「「「いらっしゃいませ~!」」」

お店に着き、早速中に入ると、いきなり複数の店員さんが迎えてくれた。

店内は明るい雰囲気で、広々としていて非常に買い物のしやすい感じだ。

リアルでもマンションの下に入ってるお店以外ではほとんど買い物をしない私にとって、非常にありがたい仕様である。

「おほぉ~!!」

メアリーは入るなり、一目散に鉱物エリアへと飛んで行った。

目をキラキラ輝かせながら石を眺めている。

そして残された3人だが、こちらも自由行動で買いたいものを買うことにした。

私は買いたいものがないので、3人のことを順番に見て回ることにする。



まずは音符猫である。

「音符ちゃんは何を見ているの?」

「私はこのアクセサリー。」

音符猫は4人の中で最もおしゃれに気を使っている人で、イヤリングや指輪など、しつこくない程度のいい加減でつけている。

アクセサリーにはそれぞれ特殊効果が付与されているようで、おしゃれしながら強くなれる!とか言っていた。

そのアクセサリーは初めてすぐの頃に買ったものみたいで、お金がなかったためにあまりいいものではないらしい。

これを機に一気に変えるとか。

アクセサリーはこのお店の2階の端の方に広いスペースが取られており、所狭しと並んでいる。

私が見るとどれも同じように見えるのだが、彼女が見るとどれも違うものらしい。

あんまりよくわからない。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

運極さんが通る

スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。 そして、今日、新作『Live Online』が発売された。 主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

インフィニティ・オンライン~ネタ職「商人」を選んだもふもふワンコは金の力(銭投げ)で無双する~

黄舞
SF
 無数にあるゲームの中でもβ版の完成度、自由度の高さから瞬く間に話題を総ナメにした「インフィニティ・オンライン」。  貧乏学生だった商山人志はゲームの中だけでも大金持ちになることを夢みてネタ職「商人」を選んでしまう。  攻撃スキルはゲーム内通貨を投げつける「銭投げ」だけ。  他の戦闘職のように強力なスキルや生産職のように戦闘に役立つアイテムや武具を作るスキルも無い。  見た目はせっかくゲームだからと選んだもふもふワンコの獣人姿。  これもモンスターと間違えられやすいため、PK回避で選ぶやつは少ない!  そんな中、人志は半ばやけくそ気味にこう言い放った。 「くそっ! 完全に騙された!! もういっその事お前らがバカにした『商人』で天下取ってやんよ!! 金の力を思い知れ!!」 一度完結させて頂きましたが、勝手ながら2章を始めさせていただきました 毎日更新は難しく、最長一週間に一回の更新頻度になると思います また、1章でも試みた、読者参加型の物語としたいと思っています 具体的にはあとがき等で都度告知を行いますので奮ってご参加いただけたらと思います イベントの有無によらず、ゲーム内(物語内)のシステムなどにご指摘を頂けましたら、運営チームの判断により緊急メンテナンスを実施させていただくことも考えています 皆様が楽しんで頂けるゲーム作りに邁進していきますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いしますm(*_ _)m 吉日 運営チーム 大変申し訳ありませんが、諸事情により、キリが一応いいということでここで再度完結にさせていただきます。

処理中です...