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105話目 障害物
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私たちは時々出てくるモンスターを効率よく倒しながら、ゆっくり奥へ奥へと進んでいった。
そして、大きな問題が発生することなく、私たちは川が地下へと入っていく地点へと到着した。
「ここからは泳いでいくことになるよ。準備はいい?」
私がそう問うと、3人は大丈夫と返事をした。
いざ、水の中へ!
私を先頭にして4人は流れのはやい川の中へと飛び込んでいった。
マップを見ると、分かれ道がほとんどなく、たとえ間違えた道に入ったとしても、そのまま ケーブレイクタウンへたどり着くだろう。
水の中にいる間、私たちは声によるコミュニケーションを取ることができない。
そのため、私が合図を送って間違えた道に入らないように注意する。
戦闘に集中し、戦闘後は気を失っていた私からすると、この川はマップがあるとはいえ初めて通る道のようなものだ。
思ったよりも四方八方は凸凹し、壁によって跳ね返った水が思わぬところから私たちを襲ってくる。
少しでも油断すると体勢を崩し、そのまま壁に当たってしまいそうだ。
あの時はよく死なずに生き残ったもんだと、自身の運に感謝する。
相当流れが速いためか、モンスターの姿は一切確認できず、魚を含めた生物の気配すらも感じることができない。
流れに逆らって元の緩やかな川へと帰っていったのか、はたまた町の周りをかこっていた池へと落ちていったのか、詳しくは定かではないのだが、ひとまずはモンスターがいないことを喜ぶこととする。
「!?!?」
順調に進んできた私たちの前に、突如として壁が現れた。
マップではここはしっかりと道になっていたはずだ。
おそらく何らかの要因で天井が崩れ、道がふさがってしまったのだろう。
引き返そうにも流れが速くてなかなか困難な可能性があり、加えてここから分かれ道までは相当な距離がある。
どうしたものか……。
幸いなことに、水の流れによって岩は相当大きな亀裂が至る所に入っており、頑張れば砕けそうな感じはする。
しかし、ここで岩を壊すと私たちは一気に流されてしまうだろう。
私は一度壁の突起に掴まり、メッセージ機能を使って付いてきている3人と連絡を取る。
『天井が崩落して道がふさがっている。引き返すという選択肢もあるけど、それはなかなかに困難だと思う。岩はすぐに壊せそうだけど、どうする?』
『壊す。』
『壊すでしょ』
『壊してください!』
どうやらこの岩を破壊することを所望のようだ。
仕方がない。
私のフルパワーで岩を破壊することとしようではないか。
『一気に水が流れる可能性があるから気を付けてね。』
分かっているとは思うが、一応の注意喚起をしておく。
全員がそのメッセージをしっかり読んだのを確認して、早速私は岩を砕くことにした。
――――――と言いたいところだが、私の武器はあいにく双剣なもので、岩を壊すのには向いていない。
『ということで、メアリーお願いします。』
『わかった。』
ここはメアリーの大剣でガツンと一発食らわせてもらうことにした。
メアリーは足を岩の上に乗せ、アイテムボックスから大剣を取り出す。
そして、強く踏ん張って一気に岩に向かって最大限の一撃を繰り出した。
ドカーン!と大きな音を立てて岩は砕け散り、水流はより勢いを増して動き出した。
私たちはその流れに逆らうことは一切できず、ただ流れに沿って進んでいった。
そして、大きな問題が発生することなく、私たちは川が地下へと入っていく地点へと到着した。
「ここからは泳いでいくことになるよ。準備はいい?」
私がそう問うと、3人は大丈夫と返事をした。
いざ、水の中へ!
私を先頭にして4人は流れのはやい川の中へと飛び込んでいった。
マップを見ると、分かれ道がほとんどなく、たとえ間違えた道に入ったとしても、そのまま ケーブレイクタウンへたどり着くだろう。
水の中にいる間、私たちは声によるコミュニケーションを取ることができない。
そのため、私が合図を送って間違えた道に入らないように注意する。
戦闘に集中し、戦闘後は気を失っていた私からすると、この川はマップがあるとはいえ初めて通る道のようなものだ。
思ったよりも四方八方は凸凹し、壁によって跳ね返った水が思わぬところから私たちを襲ってくる。
少しでも油断すると体勢を崩し、そのまま壁に当たってしまいそうだ。
あの時はよく死なずに生き残ったもんだと、自身の運に感謝する。
相当流れが速いためか、モンスターの姿は一切確認できず、魚を含めた生物の気配すらも感じることができない。
流れに逆らって元の緩やかな川へと帰っていったのか、はたまた町の周りをかこっていた池へと落ちていったのか、詳しくは定かではないのだが、ひとまずはモンスターがいないことを喜ぶこととする。
「!?!?」
順調に進んできた私たちの前に、突如として壁が現れた。
マップではここはしっかりと道になっていたはずだ。
おそらく何らかの要因で天井が崩れ、道がふさがってしまったのだろう。
引き返そうにも流れが速くてなかなか困難な可能性があり、加えてここから分かれ道までは相当な距離がある。
どうしたものか……。
幸いなことに、水の流れによって岩は相当大きな亀裂が至る所に入っており、頑張れば砕けそうな感じはする。
しかし、ここで岩を壊すと私たちは一気に流されてしまうだろう。
私は一度壁の突起に掴まり、メッセージ機能を使って付いてきている3人と連絡を取る。
『天井が崩落して道がふさがっている。引き返すという選択肢もあるけど、それはなかなかに困難だと思う。岩はすぐに壊せそうだけど、どうする?』
『壊す。』
『壊すでしょ』
『壊してください!』
どうやらこの岩を破壊することを所望のようだ。
仕方がない。
私のフルパワーで岩を破壊することとしようではないか。
『一気に水が流れる可能性があるから気を付けてね。』
分かっているとは思うが、一応の注意喚起をしておく。
全員がそのメッセージをしっかり読んだのを確認して、早速私は岩を砕くことにした。
――――――と言いたいところだが、私の武器はあいにく双剣なもので、岩を壊すのには向いていない。
『ということで、メアリーお願いします。』
『わかった。』
ここはメアリーの大剣でガツンと一発食らわせてもらうことにした。
メアリーは足を岩の上に乗せ、アイテムボックスから大剣を取り出す。
そして、強く踏ん張って一気に岩に向かって最大限の一撃を繰り出した。
ドカーン!と大きな音を立てて岩は砕け散り、水流はより勢いを増して動き出した。
私たちはその流れに逆らうことは一切できず、ただ流れに沿って進んでいった。
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