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本編
2話
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先生に魔力循環を手伝ってもらいながら魔法の特訓をして早くも1年が経ち4歳だった俺は5歳になった。
まだ魔力循環は1人では上手くできなく、気持ち悪くなってしまうこともあるがその回数は減ってきた頃、遂に学園入学前の同級生たちとの顔合わせのお茶会と称した友達作りの場に出席しなければならなくなった。
学園は初等部、中等部、高等部で構成されており、日本の小中高一貫校のように6歳からの入学になる。その前に貴族たちは学友作りをするのだ。
できれば俺はそんなお茶会には参加したくない。
なぜなら、元々俺は非社交的な性格であり、さらにはこの国の第1王子アルフレッド・レストリアが同い年であるためこのお茶会に参加するのだ。
親たちは自分の子供が将来の国王の側近候補にできないかと意気込んでいるあわよくば婚約者にと…
本当に参加したくない…
ゲーム内ではこのお茶会でサフィラスは珍しい闇の魔力を持っていることで注目され、王子の側近候補(隠しキャラルートのネタバレで読んだ)になり、モブのくせに王子の近くにいるということで実は隠しキャラなんじゃないかという情報を目にしたことがあるからだ。
このゲームではモブはとことんモブの平凡顔なためすぐにその情報は消えたが、できるだけ危ない橋は渡りたくない。
絶対に俺が隠しキャラだと主人公にバレては行けないのだ。
なぜなら俺、サフィラスは主人公に攻略されてしまったが最後、ちょっとでも選択を間違えると死亡エンドか闇堕ちエンドになってしまう。
そんなことには絶対になりたくない。
だから攻略対象のまわりにもいたくないのだ。
俺は平和でただただ普通の生活を送っていきたい。
そう固く心に誓っていた___
あっという間にお茶会の日は来てしまった。
「サフィちゃんが嫌ならむりに参加しなくていいのよ」
「そうだぞサフィラス。嫌なら父様がすぐに欠席の手紙を書くぞ!」
両親は俺が行きたくないという顔をしているのに気づき参加しなくてもいいと言ってくれているが...
「ううん、大丈夫。俺ちゃんと参加するよ」
ここまで嫌な気持ちと戦って参加しようとするには理由がある。
いくら俺があまり社交的ではない性格でも友達は欲しい!!
この世界の娯楽は少ないため本ばっか読んでたらすっかり本オタクになってしまったからあわよくば本好きと友達になりたい!!
と思っているからだ。
前世の俺もボッチが嫌でゲームオタクな友達とはよく絡んでいた。ゲーム内のサフィラスはあまり人と関わりたくないみたいだが前世を思い出した今のサフィラスは違う。初等部から高等部までボッチ生活とか嫌すぎる...
絶対友達作るぞー!
そう固く決意して両親に手を振りながら迎えの馬車に乗った。
お茶会は王宮の大広間で行われる。ローウェル伯爵邸は王都にあるため馬車で30分もあればすぐに着く。
ちなみに、俺がこれから通う魔法学園も王都内にあるが魔法演習を行うため王都端の森の近くで家からは1時間ほどかかる。
魔法学園は寮もあるため地方貴族や王子も寮に入るらしい。俺は両親の過保護と通える距離なので馬車通学になる予定だ。
考え事をしているとすぐに王城の入口が見えてきた。
さすが王城...門がめっちゃでかいしキラキラしてる。やっぱゲームより現実で見た方が迫力あるなーと思っていると馬車の扉が開かれた。
「坊っちゃま。到着致しました。」
サイラスに声をかけられて馬車から降りる。
「私共は別室で待機しておりますのでお帰りの際は王城の使用人にお伝えください。」
「わかった、ありがとう。じゃあまた後で」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ」
サイラスとの会話を終えた俺は周りの子息達が入口に向かっていくのを見てその流れに身を任せながら向かおうとした時誰かに腕を掴まれた。
俺はびっくりしてすぐに後ろを振り返ると赤髪のいかにも陽キャな明るい表情をした男の子がいた。
「さっきローウェル家の馬車から降りてたよな?もしかして、サフィラス・ローウェル?」
「そ、そうだけど...君は?」
「あぁ、ごめん名乗りもせずに。俺はエドワード・ルーレスト!ローウェル伯爵領とは領地が隣なんだ!ローウェル家に俺と同い年の子がいるって知って今日会えるかなって思ってたけどこんなに綺麗な子なんて思わなかったよ」
「あ、ありがとう...?あの、そろそろ中に入りたいので腕離してもらってもいいですか?」
やっと会話が一区切りつき、ずっと入口で喋っているのもどうかと思い腕を離してもらえるように言った。それに陽キャのコミュ力怖い...
「ごめん、ずっと掴んだままで!よかったら一緒に行こうよ!それに同い年なんだし敬語はいらないよ」
「あ、うん...わかった行こう」
俺が返事をすると今度は手を繋がれて広間の中まで引っ張っていかれた。
陽キャほんとに怖い。しかもエドワードって攻略対象の1人じゃなかったっけ...?
このままだと陽キャと友達になってさらにストーリーにも関わって俺が隠しキャラだとヒロインにバレてしまうかもしれない...!
どうすればいいんだ.........
まだ魔力循環は1人では上手くできなく、気持ち悪くなってしまうこともあるがその回数は減ってきた頃、遂に学園入学前の同級生たちとの顔合わせのお茶会と称した友達作りの場に出席しなければならなくなった。
学園は初等部、中等部、高等部で構成されており、日本の小中高一貫校のように6歳からの入学になる。その前に貴族たちは学友作りをするのだ。
できれば俺はそんなお茶会には参加したくない。
なぜなら、元々俺は非社交的な性格であり、さらにはこの国の第1王子アルフレッド・レストリアが同い年であるためこのお茶会に参加するのだ。
親たちは自分の子供が将来の国王の側近候補にできないかと意気込んでいるあわよくば婚約者にと…
本当に参加したくない…
ゲーム内ではこのお茶会でサフィラスは珍しい闇の魔力を持っていることで注目され、王子の側近候補(隠しキャラルートのネタバレで読んだ)になり、モブのくせに王子の近くにいるということで実は隠しキャラなんじゃないかという情報を目にしたことがあるからだ。
このゲームではモブはとことんモブの平凡顔なためすぐにその情報は消えたが、できるだけ危ない橋は渡りたくない。
絶対に俺が隠しキャラだと主人公にバレては行けないのだ。
なぜなら俺、サフィラスは主人公に攻略されてしまったが最後、ちょっとでも選択を間違えると死亡エンドか闇堕ちエンドになってしまう。
そんなことには絶対になりたくない。
だから攻略対象のまわりにもいたくないのだ。
俺は平和でただただ普通の生活を送っていきたい。
そう固く心に誓っていた___
あっという間にお茶会の日は来てしまった。
「サフィちゃんが嫌ならむりに参加しなくていいのよ」
「そうだぞサフィラス。嫌なら父様がすぐに欠席の手紙を書くぞ!」
両親は俺が行きたくないという顔をしているのに気づき参加しなくてもいいと言ってくれているが...
「ううん、大丈夫。俺ちゃんと参加するよ」
ここまで嫌な気持ちと戦って参加しようとするには理由がある。
いくら俺があまり社交的ではない性格でも友達は欲しい!!
この世界の娯楽は少ないため本ばっか読んでたらすっかり本オタクになってしまったからあわよくば本好きと友達になりたい!!
と思っているからだ。
前世の俺もボッチが嫌でゲームオタクな友達とはよく絡んでいた。ゲーム内のサフィラスはあまり人と関わりたくないみたいだが前世を思い出した今のサフィラスは違う。初等部から高等部までボッチ生活とか嫌すぎる...
絶対友達作るぞー!
そう固く決意して両親に手を振りながら迎えの馬車に乗った。
お茶会は王宮の大広間で行われる。ローウェル伯爵邸は王都にあるため馬車で30分もあればすぐに着く。
ちなみに、俺がこれから通う魔法学園も王都内にあるが魔法演習を行うため王都端の森の近くで家からは1時間ほどかかる。
魔法学園は寮もあるため地方貴族や王子も寮に入るらしい。俺は両親の過保護と通える距離なので馬車通学になる予定だ。
考え事をしているとすぐに王城の入口が見えてきた。
さすが王城...門がめっちゃでかいしキラキラしてる。やっぱゲームより現実で見た方が迫力あるなーと思っていると馬車の扉が開かれた。
「坊っちゃま。到着致しました。」
サイラスに声をかけられて馬車から降りる。
「私共は別室で待機しておりますのでお帰りの際は王城の使用人にお伝えください。」
「わかった、ありがとう。じゃあまた後で」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ」
サイラスとの会話を終えた俺は周りの子息達が入口に向かっていくのを見てその流れに身を任せながら向かおうとした時誰かに腕を掴まれた。
俺はびっくりしてすぐに後ろを振り返ると赤髪のいかにも陽キャな明るい表情をした男の子がいた。
「さっきローウェル家の馬車から降りてたよな?もしかして、サフィラス・ローウェル?」
「そ、そうだけど...君は?」
「あぁ、ごめん名乗りもせずに。俺はエドワード・ルーレスト!ローウェル伯爵領とは領地が隣なんだ!ローウェル家に俺と同い年の子がいるって知って今日会えるかなって思ってたけどこんなに綺麗な子なんて思わなかったよ」
「あ、ありがとう...?あの、そろそろ中に入りたいので腕離してもらってもいいですか?」
やっと会話が一区切りつき、ずっと入口で喋っているのもどうかと思い腕を離してもらえるように言った。それに陽キャのコミュ力怖い...
「ごめん、ずっと掴んだままで!よかったら一緒に行こうよ!それに同い年なんだし敬語はいらないよ」
「あ、うん...わかった行こう」
俺が返事をすると今度は手を繋がれて広間の中まで引っ張っていかれた。
陽キャほんとに怖い。しかもエドワードって攻略対象の1人じゃなかったっけ...?
このままだと陽キャと友達になってさらにストーリーにも関わって俺が隠しキャラだとヒロインにバレてしまうかもしれない...!
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