地球のお引越し

ハル

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6. 宇宙ステーション

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宇宙ステーションで管理している、アースシェードは地球からの物資運搬船により運ばれた資材を取り付けて拡大や部品交換を行なっている。

地制連からの連絡で、アースシェードがガードしきれてない部分が、あるんじゃないのかとの指摘があった。

それを聞いたジェームズはご機嫌斜めだ、たった数百人のスタッフで、地球から送られてきた物を危険な船外作業で取り付けているだけなのに、今回のようなクレームも来る。

「ちっくしょう、俺たちの作業が地球の数十億人の生命を預かってるっていうのか?…そんなの聞いて無いよ」

「凄い事じゃないか、任務を終えて地球に帰ったら英雄扱いされるぞ」

「ばかいうな、失敗したら帰る地球も無くなるんだぞ!」

「さぁ、地球が無くならないように、シェードの確認をしよう」と二人は船外作業の準備を行った。

船外作業の時間は約1時間、それ以上すると酸素も無くなる恐れもあるし、身体への負荷もあるからだ。

まず確認する場所を決めようと、パソコンのモニターをプロジェクターに映した。

「問題のあった地球の緯度からすると、AKラインから縦に降りて行けばいいかなぁ?」

「そうだな、帰りの時間も考えて作業時間は40分としよう。」

「オーケー!」

作業申請をメールして、後は許可が降りるまでの間に、着替えて待つ事にした。

二人は船外へ出ると、手摺てすりに命綱をかけてゆっくりと目的の場所へ移動した。

AKラインからBK、CKと順に確認して行った。HKラインまで来た時、そこから先TKラインまでが無かった。

「これは?…」

「なんで無いんだ?…」

「とにかく戻ろう!…」

ジェームズとエドワードが船内に戻ってきた。

「なんであの一角だけ無いんだ?…あれじゃ、地球の一部の場所は温度はガードされずに4、500度になってしまうぞ!」

頭を抱えたジェームズ。

「原因はなんだ?」とエドワード。

「恐らく、宇宙ゴミか小惑星のカケラがぶつかったんだろう?…そうじゃないとコンピュータが異常を察知してるだろう?」

「枠だけ残って、破られたって事か?」

「そうだ」

報告書を書いて早急に修復しようと話しあった。





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