翔莉と悠莉【上】

ハル

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その頃妹は

ピアノ買う

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悠莉は六年生になり、背も伸び少し大人っぽい体型になったような気がする。

焼き鳥屋のピアノの先生も悠莉の事をよく面倒を見てくれて、レッスン後に食事を携えて一緒に家まで送ってくれる事が何度もあった。

今日もレッスン後に悠莉と一緒に来てくれて、この日は、翔莉に話があるらしくリビングまで上がってきた。

「すいません、今日はお願いがあって。」

翔莉はソファーへ勧めながら

「……なんでしょう?」

「悠莉ちゃん、ピアノ始めて半年なんだけど随分上手になったのよ。」

「それで、今度発表会があって、出場しないって本人に聞いたら出たいって言ってたんで、それで保護者であるお兄さんに了解を得たいと思って」

翔莉はすぐに「いいですよ!」

「それと、悠莉ちゃん家にピアノが無く練習出来ないので、レッスン回数を増やせ無いかと?……もちろん夜遅くなったら送ってくるので」

翔莉は頬に手を当て考える仕草をして

「いいですよ、僕も働いてお金も貰えるようになったので、ちょうど悠莉にピアノを買ってあげようと思ってたんですよ。
レッスンも大会まで回数増やして鍛えてください。」

それを聞いてた悠莉は、飛び跳ねるように

「ほんとう、嬉しい!」

先生も、「活躍はテレビや新聞で観て知ってますよ。私もこんな有名人と親しく話せるなんて」と、少し顔を赤らめた。

その日から数日たって、家にピアノが運ばれてきた。
先生について来てもらい、三人でお店に行って選らんだのだ。

大会に向けて、悠莉の挑戦も始まった。





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