おしゃぶりを咥えたイケメン

ハル

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水の巻

4. 二人そろう時

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 学校に行くと校外学習の写真の提出用ボックスが置かれていた。

ソラと水月もそれぞれの写真を投函した。

二日後に先生のチェックの後、皆んなに公表してくれる事になっている。

そして二日後、先生が写真をスライドにして一枚ずつ見せてくれた。

皆それぞれに、いい表情で撮れている。

そして、急流滑りの写真がスクリーンに映されると皆んなクスクス笑っている。

なんと?、水月はあの日買ったスエットを履いた格好で写っていて、後ろの女子がスカートがめくれ上がった格好になっていた。

ソラが水月の方を見ると、水月がリップを塗りながらウインクしていた。

先生も笑いながら、パンチラはあかんと注意した筈だと言いながら、本人達の提出なので問題無しとする旨の説明をしている。

急流滑りの写真に写ってる女子3人は、赤い顔をして、先生取り下げますと言っている。

それでまた、皆んなドッと笑った。

放課後、水月の席へ行って尋ねた。

「あの写真の事知ってたのか?…」

「薄々ね、だって意地悪そうな連中が私達の後を同じように歩いてくるのって変だと思っていたから…」

話していると5人が近づいて来た。

「東出さん、あなた写真すり替えたでしょ?」

「……なんの事?」

「だって私達が見た写真はあなたのパンチラが写ってたわ!」

「そう、だとしたら先生の注意事項に違反してるよね?…」

「そんなの関係ないわ!」

写真を撮った携帯を机の上に差し出して水月に見せた。

ソラは後ろを向いておしゃぶりを咥え、携帯が燃える様に念じた。

"ボッ!"と携帯が燃え出した。

皆んな驚いて、一歩下がった。

携帯電話の持ち主は、涙目になりながら炎を叩いて消している。

水月はソラの方を見て、あなたも特殊能力の持ち主なのねと、目がそう訴えている。

これで証拠の写真も無くなってしまったと同時に、同級生の罪も無くなったという一石二鳥の解決策をソラがやってのけた事になる。

5人はすごすごと去って行った。

ソラ、あなたも特殊な能力が使えるの?」

「…うん、母さんの話しだと、一歳の誕生日にアイテムが送られて来たそうなんだ。…」

「私もね、事故の後の誕生日に同じようにアイテムのリップが送られて来たの…説明書も無いし、女子だしリップを塗って素敵な洋服の事を考えたら、変身したのがきっかけよ…だから何かあった時の為にいつも鞄に入れて持ってるの」

こんな身近に二人居るって事は、まだまだ選ばれた人間はいる筈だと思うソラと水月だった。
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