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水の巻
3. 校外学習の時
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膝の怪我もすっかり良くなり、自慢の脚を少し短めのスカートから覗かせるのがいいのか?、玄関の姿見の前で何度もくるりと回りながら決めきれずにいた。
「ママぁ、これでどうかなぁ?…」
「ちょっと待って、もうお弁当できるから」
「早くぅ…」
「はいはい…あら、いいじゃない…でもちょっとスカート短くない?」
「いいの、私服の時くらい、おしゃれしなきゃ」と昔も今も気持ちは同じである。
「行ってきまーす!」と水月は元気よく家を出た。
今日は校外学習で、遊園地に行くことになっている。現地集合なのでパスと電車を乗り継いでやっとついた。
入場ゲート前の一画に同年代の集団を見つけ駆け寄ると、空の姿を見つけ、ここで間違い無いと確信した。
水月は人の名前と顔を覚えるのが苦手で、クラスの中で顔と名前が一致するのは空だけだった。
「ソラ~…おはよう!」
手を振って空の隣に行くと
「おはよう、てか、スカート短く無い?…そんなんで遊園地来たらパンツ見えんぞ!」
「パンツくらい見えてもいいよ…このスカート可愛いでしょ?」
空は、少し顔を赤らめ水月のスカートを見た。
「うん、そうだね」
「まだクラスに馴染めて無いんだぁ、だから空、私と一緒に行動してよ?」
「え~…二人で行動したら付き合ってると勘違いされるよ…」
「いいじゃん、その時は付き合ってる事にすれば…あはは」
空の顔はさらに赤くなった。
担任の集合の呼び掛けに、更に集団は小さくまとまった。
「どうした、西野、顔が赤いけど熱でもあるのか?…体調悪い時は早めに言えよ」
「それでは、注意事項を言うぞ…今から渡すチケットで中に入ったら自由行動だ…そして、皆んな持ってる携帯で遊園地の中の写真を撮って、お気に入りの一枚を学校に提出する事、それが今日の出欠になる。…携帯忘れた奴は、昔のデジカメ貸してやるから言いに来い…あと自由解散だからチケット貰ったら後は勝手にしてくれ…くれぐれも問題を起こさないように…特に男子、パンチラ撮影は軽犯罪だからなぁ」
みんながどっと笑った。
最後に笑いで締め括るのが、担任の癖である。
チケットをもらって、それぞれに中に入って行った。
「変なの?…写真撮って終わりなら、ネットで検索して適当に出せば、出席じゃん?」
「それがこの学校の変な所で、提出した写真をネット検索して、他の誰かの写真のコピーか、どうかをわざわざチェックするんだよ…」
「え、え~」
「だから皆んな建物をバックに自分の姿を撮る人が多いんだ」
話しながら歩いていると、急流滑りの乗り場に着いた。
「わぁ、私、遊園地でこれが一番好きなのよねぇ…もちろん一緒に乗るよね空?」
二人の後ろを何か悪巧みを考えてる女子3人と男子2人の5人のクラスメートがいた。
「いい、あんた達、あの子のパンチラ写真を撮って学校の提出用に混ぜて出してやろう」
空達の後ろに女子3人が並び、男子は最後の急流の所でスタンバイしている。
偶然にも6人乗りのイカダ型の乗り物に5人が乗り込んで、水の中を進んで行った。
途中の小さな滝では、キャっと小声が出る程度だったが、最後の滝はこの遊園地でも目玉のビルの4階位からの急降下で、水飛沫も特別なものとなっている。
いよいよ5人を乗せたイカダが大滝の所へやってきた。
空も怖いのか、安全バーを握る手に力が入る。
女子達のキャ~の声と同時にフラッシュが焚かれ、誰かが写真を撮ったのがわかったのと水月のスカートが捲れてるのもわかった。
「いやだぁ、まだ来たばかりなのに、パンツまで濡れちゃったよぉ…ねぇ空、お土産屋さんで着替え買うから着いて来て?」
さっきのフラッシュが気になり耳を澄まして周りの会話に集中する空。
近くで5人組が丸くなり携帯の画像を確認しているのが見えた。
「よし!」とガッツポーズの男子。
空が5人の方に行こうとすると、水月が手を引いた。
「早く着替えないと、風邪ひいちゃうよぉ」
仕方なく空は水月と一緒にお土産屋行き、水月が遊園地のキャラクターパンツとスエットを買って、トイレで着替えて来た。
「こんな格好じゃもう楽しめないよ」水月はがっかりした表情で言う。
「だったら、入場ゲートの近くにあった顔ハメ看板で写真撮って帰ろう?」
空にそう言われて、二人は入場ゲートの方へと歩いて行った。
顔ハメ看板の所で交互に写真を撮っていると着ぐるみのキャラクター達がやって来て一緒に写真を撮ろうと手招きしている。
「どうする?」空が言うと
「ちょっと待って」と水月がカバンからリップを取り出して唇に塗り、いいよとキャラクター達の所に来た。
空が携帯のカメラで写真を撮り、出来上がった写真を見て驚いた。
なんとスエット姿の水月の姿が、ちゃんと朝きた時の格好で写真に写っていた。
「次はソラの番だよ」と呼ぶ水月の声で我にかえった空は、水月と入れ替わり写真を撮ってもらった。
帰りの電車で、空は水月に写真を見せながら尋ねた。
「水月の姿が、スエットじゃなくスカートで写ってるんだよ?」
「うふっ」
「空と出会ったあの事故の後から、唇にリップを塗った時に思った事が叶う様になったのよ…」
「事故の時も、自転車が宙を舞うし、私って特殊な能力があったんだなぁって最近知ったのよ、空には話したけど、皆んなには黙っててね、そうじゃ無いと変人扱いされたらいやだもの?」
「うん」と空は言い、自分の能力の事はこの時はまだ言えなかった。
「ママぁ、これでどうかなぁ?…」
「ちょっと待って、もうお弁当できるから」
「早くぅ…」
「はいはい…あら、いいじゃない…でもちょっとスカート短くない?」
「いいの、私服の時くらい、おしゃれしなきゃ」と昔も今も気持ちは同じである。
「行ってきまーす!」と水月は元気よく家を出た。
今日は校外学習で、遊園地に行くことになっている。現地集合なのでパスと電車を乗り継いでやっとついた。
入場ゲート前の一画に同年代の集団を見つけ駆け寄ると、空の姿を見つけ、ここで間違い無いと確信した。
水月は人の名前と顔を覚えるのが苦手で、クラスの中で顔と名前が一致するのは空だけだった。
「ソラ~…おはよう!」
手を振って空の隣に行くと
「おはよう、てか、スカート短く無い?…そんなんで遊園地来たらパンツ見えんぞ!」
「パンツくらい見えてもいいよ…このスカート可愛いでしょ?」
空は、少し顔を赤らめ水月のスカートを見た。
「うん、そうだね」
「まだクラスに馴染めて無いんだぁ、だから空、私と一緒に行動してよ?」
「え~…二人で行動したら付き合ってると勘違いされるよ…」
「いいじゃん、その時は付き合ってる事にすれば…あはは」
空の顔はさらに赤くなった。
担任の集合の呼び掛けに、更に集団は小さくまとまった。
「どうした、西野、顔が赤いけど熱でもあるのか?…体調悪い時は早めに言えよ」
「それでは、注意事項を言うぞ…今から渡すチケットで中に入ったら自由行動だ…そして、皆んな持ってる携帯で遊園地の中の写真を撮って、お気に入りの一枚を学校に提出する事、それが今日の出欠になる。…携帯忘れた奴は、昔のデジカメ貸してやるから言いに来い…あと自由解散だからチケット貰ったら後は勝手にしてくれ…くれぐれも問題を起こさないように…特に男子、パンチラ撮影は軽犯罪だからなぁ」
みんながどっと笑った。
最後に笑いで締め括るのが、担任の癖である。
チケットをもらって、それぞれに中に入って行った。
「変なの?…写真撮って終わりなら、ネットで検索して適当に出せば、出席じゃん?」
「それがこの学校の変な所で、提出した写真をネット検索して、他の誰かの写真のコピーか、どうかをわざわざチェックするんだよ…」
「え、え~」
「だから皆んな建物をバックに自分の姿を撮る人が多いんだ」
話しながら歩いていると、急流滑りの乗り場に着いた。
「わぁ、私、遊園地でこれが一番好きなのよねぇ…もちろん一緒に乗るよね空?」
二人の後ろを何か悪巧みを考えてる女子3人と男子2人の5人のクラスメートがいた。
「いい、あんた達、あの子のパンチラ写真を撮って学校の提出用に混ぜて出してやろう」
空達の後ろに女子3人が並び、男子は最後の急流の所でスタンバイしている。
偶然にも6人乗りのイカダ型の乗り物に5人が乗り込んで、水の中を進んで行った。
途中の小さな滝では、キャっと小声が出る程度だったが、最後の滝はこの遊園地でも目玉のビルの4階位からの急降下で、水飛沫も特別なものとなっている。
いよいよ5人を乗せたイカダが大滝の所へやってきた。
空も怖いのか、安全バーを握る手に力が入る。
女子達のキャ~の声と同時にフラッシュが焚かれ、誰かが写真を撮ったのがわかったのと水月のスカートが捲れてるのもわかった。
「いやだぁ、まだ来たばかりなのに、パンツまで濡れちゃったよぉ…ねぇ空、お土産屋さんで着替え買うから着いて来て?」
さっきのフラッシュが気になり耳を澄まして周りの会話に集中する空。
近くで5人組が丸くなり携帯の画像を確認しているのが見えた。
「よし!」とガッツポーズの男子。
空が5人の方に行こうとすると、水月が手を引いた。
「早く着替えないと、風邪ひいちゃうよぉ」
仕方なく空は水月と一緒にお土産屋行き、水月が遊園地のキャラクターパンツとスエットを買って、トイレで着替えて来た。
「こんな格好じゃもう楽しめないよ」水月はがっかりした表情で言う。
「だったら、入場ゲートの近くにあった顔ハメ看板で写真撮って帰ろう?」
空にそう言われて、二人は入場ゲートの方へと歩いて行った。
顔ハメ看板の所で交互に写真を撮っていると着ぐるみのキャラクター達がやって来て一緒に写真を撮ろうと手招きしている。
「どうする?」空が言うと
「ちょっと待って」と水月がカバンからリップを取り出して唇に塗り、いいよとキャラクター達の所に来た。
空が携帯のカメラで写真を撮り、出来上がった写真を見て驚いた。
なんとスエット姿の水月の姿が、ちゃんと朝きた時の格好で写真に写っていた。
「次はソラの番だよ」と呼ぶ水月の声で我にかえった空は、水月と入れ替わり写真を撮ってもらった。
帰りの電車で、空は水月に写真を見せながら尋ねた。
「水月の姿が、スエットじゃなくスカートで写ってるんだよ?」
「うふっ」
「空と出会ったあの事故の後から、唇にリップを塗った時に思った事が叶う様になったのよ…」
「事故の時も、自転車が宙を舞うし、私って特殊な能力があったんだなぁって最近知ったのよ、空には話したけど、皆んなには黙っててね、そうじゃ無いと変人扱いされたらいやだもの?」
「うん」と空は言い、自分の能力の事はこの時はまだ言えなかった。
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