1 / 10
空の巻
1. 誕生の時
しおりを挟む
西野楓と旦那の守には、子供がいなかった。
結婚して9年、楓も40歳になろうとしていて、今年こそと思っていると、2月に念願の妊娠の兆候があったのだ。
やっと授かったこの命、大事に育てようと夫婦二人で泣いて喜んだ。
暑かった8月も終わり、9月の初旬に無事出産し、待ち望んだ子が産まれたが普通の子と少し違ったように楓達は感じた。
それは、泣き声が凄く小さいのだ。
他の保育器の子と比べての事だったが、やはり声が小さい、それでも、やっぱり自分の子が一番可愛いと思った。
自宅に帰ってからの生活は、思っていたより大変だけど、空は、本当にいい子で楽だった。
そうそう子供の名前は、産まれてから三日三晩主人が寝ずに考えたらしい。
名前の候補は、産まれてくる子は、男でも女でもどっちでも使える名前で考えてて、私達夫婦も一文字なので一字とするなどなど…
我が家にとっては、子供は希望の光だったので"光"と書いて"ひかる"。
子供が私達夫婦の"希望"から一字とって"のぞみ"とか、何故か私達夫婦寄りの名前になっていると、主人に入院中の病院からダメ出しの電話を掛けたのも懐かしい思い出となった。
あとは、初めての子だから"一"と書いて"はじめ"とかあったが、私の頭からは抜け落ちていた。
最終的に"光"は、西野光という呼び名が芸能人みたいで却下し、"希"は名字と合わせると"にしののぞみ"で、のが2つ続くので却下した。
その事を主人に伝えると、
「そらないでぇ…」と言われた時、
「そう!…空じゃだめ?」と逆に聞き返した。
「そら良かった」と駄洒落で返してきた。
そして、9月9日生まれの西野空で出生届を提出した。
~~~
一年後
~~~
産まれてから1年が過ぎ9月9日の空の誕生日に主人の母がプレゼントを持ってやって来たので、楓は形式的な挨拶で出迎えた。
「お母さん、遠いところすいません」
「いいのよ、楓さん、可愛い孫の誕生日ですからね…」
主人の母を居間へ案内した。
居間では主人が空をあやしていた。
「ソラ、おばあちゃん きたよ~」
「…」
空がぐずり出した。
楓が台所で料理を盛り付けてると、"ピンポン"とインターフォンが鳴った。
宅配便業者が荷物を届けてくれた。
空宛ての荷物だった。
何処からだろう?伝票を見ても宛先が水で濡れたように滲んで最後の協会だけが読み取れた。
荷物を持って、空達のいるリビングに行き、守に空宛ての荷物が届いた事を伝えて渡した。
中身は赤ちゃんのおしゃぶりだった。
姑が
「あら~、良かったわねぇ~、ソラぁ」
治ってた空がまたぐずり出した。
「ソラは人見知りなのかねぇ、おばあちゃんちょくちょく来るようにするからねぇ」と
更に大きく空がぐずった。
「うっ、もう!」と少し気分を害した様だ。
楓も少し離れて姑から見えない所で"クスッ"と笑った。
料理とケーキをお盆に乗せてリビングに持って行った。
この時、空はおしゃぶりを口に咥えていた。
「お待たせしました。」
誕生日ケーキを口に運びながら姑が
「楓さん、今まで暑かったから外に出るのも大変だったでしょうが、これからは過ごしやすくなるでしょうから、もっとソラを外に出して色んな人と接触しないと…人見知りが…」
空が、姑の方を見た。
するとポロッとケーキが洋服に落ちた。
「まぁ、私ったら、落としちゃって…楓さん、タオル持ってきて」
タオルを手渡すと今度は
手が勝手に動くのか?洋服に着いたクリームを塗り広げている。
「あら、嫌だ、どうなっちゃったの?」
空が"ケラケラ"笑っている。
姑は自身の変な行動に首を傾げながら、途中退席して帰ってしまった。
この時、守は、空の特殊能力には気付いていなかった。
結婚して9年、楓も40歳になろうとしていて、今年こそと思っていると、2月に念願の妊娠の兆候があったのだ。
やっと授かったこの命、大事に育てようと夫婦二人で泣いて喜んだ。
暑かった8月も終わり、9月の初旬に無事出産し、待ち望んだ子が産まれたが普通の子と少し違ったように楓達は感じた。
それは、泣き声が凄く小さいのだ。
他の保育器の子と比べての事だったが、やはり声が小さい、それでも、やっぱり自分の子が一番可愛いと思った。
自宅に帰ってからの生活は、思っていたより大変だけど、空は、本当にいい子で楽だった。
そうそう子供の名前は、産まれてから三日三晩主人が寝ずに考えたらしい。
名前の候補は、産まれてくる子は、男でも女でもどっちでも使える名前で考えてて、私達夫婦も一文字なので一字とするなどなど…
我が家にとっては、子供は希望の光だったので"光"と書いて"ひかる"。
子供が私達夫婦の"希望"から一字とって"のぞみ"とか、何故か私達夫婦寄りの名前になっていると、主人に入院中の病院からダメ出しの電話を掛けたのも懐かしい思い出となった。
あとは、初めての子だから"一"と書いて"はじめ"とかあったが、私の頭からは抜け落ちていた。
最終的に"光"は、西野光という呼び名が芸能人みたいで却下し、"希"は名字と合わせると"にしののぞみ"で、のが2つ続くので却下した。
その事を主人に伝えると、
「そらないでぇ…」と言われた時、
「そう!…空じゃだめ?」と逆に聞き返した。
「そら良かった」と駄洒落で返してきた。
そして、9月9日生まれの西野空で出生届を提出した。
~~~
一年後
~~~
産まれてから1年が過ぎ9月9日の空の誕生日に主人の母がプレゼントを持ってやって来たので、楓は形式的な挨拶で出迎えた。
「お母さん、遠いところすいません」
「いいのよ、楓さん、可愛い孫の誕生日ですからね…」
主人の母を居間へ案内した。
居間では主人が空をあやしていた。
「ソラ、おばあちゃん きたよ~」
「…」
空がぐずり出した。
楓が台所で料理を盛り付けてると、"ピンポン"とインターフォンが鳴った。
宅配便業者が荷物を届けてくれた。
空宛ての荷物だった。
何処からだろう?伝票を見ても宛先が水で濡れたように滲んで最後の協会だけが読み取れた。
荷物を持って、空達のいるリビングに行き、守に空宛ての荷物が届いた事を伝えて渡した。
中身は赤ちゃんのおしゃぶりだった。
姑が
「あら~、良かったわねぇ~、ソラぁ」
治ってた空がまたぐずり出した。
「ソラは人見知りなのかねぇ、おばあちゃんちょくちょく来るようにするからねぇ」と
更に大きく空がぐずった。
「うっ、もう!」と少し気分を害した様だ。
楓も少し離れて姑から見えない所で"クスッ"と笑った。
料理とケーキをお盆に乗せてリビングに持って行った。
この時、空はおしゃぶりを口に咥えていた。
「お待たせしました。」
誕生日ケーキを口に運びながら姑が
「楓さん、今まで暑かったから外に出るのも大変だったでしょうが、これからは過ごしやすくなるでしょうから、もっとソラを外に出して色んな人と接触しないと…人見知りが…」
空が、姑の方を見た。
するとポロッとケーキが洋服に落ちた。
「まぁ、私ったら、落としちゃって…楓さん、タオル持ってきて」
タオルを手渡すと今度は
手が勝手に動くのか?洋服に着いたクリームを塗り広げている。
「あら、嫌だ、どうなっちゃったの?」
空が"ケラケラ"笑っている。
姑は自身の変な行動に首を傾げながら、途中退席して帰ってしまった。
この時、守は、空の特殊能力には気付いていなかった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる