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8. 私の計画失敗
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二人で階段を降りて、ダイニングのテーブルの席に着くと、茜のママが料理を運んで来たので、美雪はさっと立ち上がって挨拶した。
「こんばんは、夕飯までご一緒させていただき申し訳ありません。」
「いえいえ、こちらこそお土産まで頂いて、ありがとうね、美味しかったわ。」
茜はびっくりして
「えー、ママは下で先に食べたの?」
美雪と紅茶を入れた時に残りはテーブルの上に置いて行ったからだ。
カチャっと音がしてお爺ちゃんが入って来た。
テーブルに来たお爺ちゃんは美雪を見て驚いたように目を丸くした。
「おや、あなたは確か?」
美雪もお爺ちゃんを見て驚いた顔をしている。
「あっ、はい、その節はお世話になりありがとうございました。
それと私、興奮して失礼な事も言ったみたいで、次会った時に謝ろうと思ってたんです。
どうもすみませんでした。」
「ご家族が怪我させられたんですから当然ですよ、気にしないで下さい。」
茜は、唇に指を引っ掛けるような仕草をして、美雪とお爺ちゃんの顔を交互に見てあわあわしている。
「えっ、えっ?」
「ま・さ・か・美雪が素敵なおじ様って言ってたのって、お爺ちゃんのことぉ~」
こくりと頷く美雪。
時計が暫く止まっていたかのような放心状態の茜は次の言葉が出てこないでいると、お爺ちゃんと美雪が二人で話始めた。
「お名前は美雪さんで良かったかな?」
「あ、はい…」
「先日お母さんの怪我の方も良くなり、通院の方も終わるそうなので、運転していた西本と美雪さんを入れた四人で食事でもしながら今後の事を相談しようと思っていたんです。」
「その事なら母からも聞いてます。
武田さんとって言ってましたのでピンと来なかったんですが、藤田さんじゃ無いんですね?」
やっと茜が口を開いた。
「武田はママの旧姓、藤田はパパ方の姓で、二人が離婚したらママも武田になるのかなぁ?…あはは」
みんながプッと吹き出すくらいの笑いの後、止まっていたスプーンがカチャカチャと動き出した。
その後もお爺ちゃんと美雪はお母さんの事などを話していたようだった。
みんなの食事も終わり差し掛かった頃だけど、美雪は顔が少し赤いようで食事も進んでいない。
「美雪、大丈夫?、食事が進んで無いようだけど…?」
「大丈夫、さっきケーキ食べたからかな…ごめんなさい、少し残しちゃって」
「いいのよ、年頃の女の子は茜みたいにパクパク食べないものよ、ママも少し張り切りすぎて多く入れちゃったかも…」
そして茜の計画は二人が知り合いだった事から失敗に終わった。
「こんばんは、夕飯までご一緒させていただき申し訳ありません。」
「いえいえ、こちらこそお土産まで頂いて、ありがとうね、美味しかったわ。」
茜はびっくりして
「えー、ママは下で先に食べたの?」
美雪と紅茶を入れた時に残りはテーブルの上に置いて行ったからだ。
カチャっと音がしてお爺ちゃんが入って来た。
テーブルに来たお爺ちゃんは美雪を見て驚いたように目を丸くした。
「おや、あなたは確か?」
美雪もお爺ちゃんを見て驚いた顔をしている。
「あっ、はい、その節はお世話になりありがとうございました。
それと私、興奮して失礼な事も言ったみたいで、次会った時に謝ろうと思ってたんです。
どうもすみませんでした。」
「ご家族が怪我させられたんですから当然ですよ、気にしないで下さい。」
茜は、唇に指を引っ掛けるような仕草をして、美雪とお爺ちゃんの顔を交互に見てあわあわしている。
「えっ、えっ?」
「ま・さ・か・美雪が素敵なおじ様って言ってたのって、お爺ちゃんのことぉ~」
こくりと頷く美雪。
時計が暫く止まっていたかのような放心状態の茜は次の言葉が出てこないでいると、お爺ちゃんと美雪が二人で話始めた。
「お名前は美雪さんで良かったかな?」
「あ、はい…」
「先日お母さんの怪我の方も良くなり、通院の方も終わるそうなので、運転していた西本と美雪さんを入れた四人で食事でもしながら今後の事を相談しようと思っていたんです。」
「その事なら母からも聞いてます。
武田さんとって言ってましたのでピンと来なかったんですが、藤田さんじゃ無いんですね?」
やっと茜が口を開いた。
「武田はママの旧姓、藤田はパパ方の姓で、二人が離婚したらママも武田になるのかなぁ?…あはは」
みんながプッと吹き出すくらいの笑いの後、止まっていたスプーンがカチャカチャと動き出した。
その後もお爺ちゃんと美雪はお母さんの事などを話していたようだった。
みんなの食事も終わり差し掛かった頃だけど、美雪は顔が少し赤いようで食事も進んでいない。
「美雪、大丈夫?、食事が進んで無いようだけど…?」
「大丈夫、さっきケーキ食べたからかな…ごめんなさい、少し残しちゃって」
「いいのよ、年頃の女の子は茜みたいにパクパク食べないものよ、ママも少し張り切りすぎて多く入れちゃったかも…」
そして茜の計画は二人が知り合いだった事から失敗に終わった。
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