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早い夏休み
衝動
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「じゃあ勉強はじめる?」
とひなたが言った途端にスマホのコール音が響く。
「あ!ごめん、誰かな???」
とひなたが鞄からスマホを取り出し、電話を受ける...話が進むうちに顔色がどんどん悪くなっていく。
「...ごめんしえちゃん...帰らなきゃ」
「どうしたのだ?」
「お父さんが仕事中に倒れて入院したって」
「え?」
「すぐに病院に向かう事になっちゃったから、ごめんね」
「ううん...おじさん無事だといいけど...」
ひなたは荷物をまとめるとごめんね、と言いながら玄関へ。
「じゃあね...もしかしたらちょっと一緒に遊べないかもだけど...」
「家族の方が大事だよ、ひなた」
「しえちゃん...ありがとう、じゃあまたね」
とひなたは帰って行ってしまった...おじさん大丈夫ならいいけど...
茶の間に戻ると近衛が待っていた。
「心配だね」
「今日はこれでお開きに...」
そう言いかけた時、伊藤の一件を思い出す。
「そう言えばあの件からお礼も言ってなかった...ありがとう...」
「?」
「伊藤の一件...助けてくれた事も...黙ってくれって頼んだ事も」
近衛が来なければ、伊藤に酷い事をされる所だった事もその件を黙ってくれた事もだ。
「ああ...良いんだ...市橋さんが無事ならね」
そう言ってにこっと笑みを浮かべる。
「でも...ちょっと不用心かもね、市橋さんは」
「え?」
「君は君が思っている以上に魅力的だって事だよ」
「いやぁ...どう見てももっさりでオタク女子だし...」
そう言いかけた時、近衛の目は此方に向けて居る事に気がつく...ざわりと背中に何かが走る。
「伊藤の件だってそうだし、クラスの男子達だって何人も君を見ていたし...」
ああ...なんかひなたも言ってたけど、きっとそれは胸のせいだし...いや待て、近衛一体何言おうとしてるのだ???
「伊藤はきっと大人しそうな...言うことを聞きそうな子を狙っただけだし、きっと男子だって...」
そう言いかけた時に近衛が近づいてそのまま抱きつかれてしまう!
「なっ!」
「ああ...甘い匂いがする...」
「何するんだ!痛っ!!!」
首筋のあたりの匂いを嗅がれあろう事か首筋を思いっきり噛みつかれた!
まるで首筋を食いちぎられそうな勢いで噛み付くのを辞めない。
「きゃああっ!痛いっやめてっ!」
「!」
近衛は私の悲鳴に正気に戻ったのか噛み付くのを辞めて、ばっと離れる。
「ご...ごめん....」
近衛自身も自分がなんて事をしてしまった、と言った表情をしている。
「な...何で...」
噛みつかれた首筋を押さえる...じんじん痛むし怖い。
近衛は俯きながら荷物を持ち玄関へ急いで向かい、きっと家から出たのか玄関の開け閉めの音が聞こえた。
とひなたが言った途端にスマホのコール音が響く。
「あ!ごめん、誰かな???」
とひなたが鞄からスマホを取り出し、電話を受ける...話が進むうちに顔色がどんどん悪くなっていく。
「...ごめんしえちゃん...帰らなきゃ」
「どうしたのだ?」
「お父さんが仕事中に倒れて入院したって」
「え?」
「すぐに病院に向かう事になっちゃったから、ごめんね」
「ううん...おじさん無事だといいけど...」
ひなたは荷物をまとめるとごめんね、と言いながら玄関へ。
「じゃあね...もしかしたらちょっと一緒に遊べないかもだけど...」
「家族の方が大事だよ、ひなた」
「しえちゃん...ありがとう、じゃあまたね」
とひなたは帰って行ってしまった...おじさん大丈夫ならいいけど...
茶の間に戻ると近衛が待っていた。
「心配だね」
「今日はこれでお開きに...」
そう言いかけた時、伊藤の一件を思い出す。
「そう言えばあの件からお礼も言ってなかった...ありがとう...」
「?」
「伊藤の一件...助けてくれた事も...黙ってくれって頼んだ事も」
近衛が来なければ、伊藤に酷い事をされる所だった事もその件を黙ってくれた事もだ。
「ああ...良いんだ...市橋さんが無事ならね」
そう言ってにこっと笑みを浮かべる。
「でも...ちょっと不用心かもね、市橋さんは」
「え?」
「君は君が思っている以上に魅力的だって事だよ」
「いやぁ...どう見てももっさりでオタク女子だし...」
そう言いかけた時、近衛の目は此方に向けて居る事に気がつく...ざわりと背中に何かが走る。
「伊藤の件だってそうだし、クラスの男子達だって何人も君を見ていたし...」
ああ...なんかひなたも言ってたけど、きっとそれは胸のせいだし...いや待て、近衛一体何言おうとしてるのだ???
「伊藤はきっと大人しそうな...言うことを聞きそうな子を狙っただけだし、きっと男子だって...」
そう言いかけた時に近衛が近づいてそのまま抱きつかれてしまう!
「なっ!」
「ああ...甘い匂いがする...」
「何するんだ!痛っ!!!」
首筋のあたりの匂いを嗅がれあろう事か首筋を思いっきり噛みつかれた!
まるで首筋を食いちぎられそうな勢いで噛み付くのを辞めない。
「きゃああっ!痛いっやめてっ!」
「!」
近衛は私の悲鳴に正気に戻ったのか噛み付くのを辞めて、ばっと離れる。
「ご...ごめん....」
近衛自身も自分がなんて事をしてしまった、と言った表情をしている。
「な...何で...」
噛みつかれた首筋を押さえる...じんじん痛むし怖い。
近衛は俯きながら荷物を持ち玄関へ急いで向かい、きっと家から出たのか玄関の開け閉めの音が聞こえた。
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