お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー！

人身事故

保健室

「しえちゃん！」

目を開くと泣きそうなひなたの顔が飛び込んできた。

「おや？ひなた？？？」

「おや？じゃないよぉ...高島に呼び出されてどうしたかと思ったら突き落とされたんでしょ？酷い！」

あーそうだった...なんだか身体のあちこち痛い...けどなんだか痛みは和らいだ様だ...

「そういえばひなたよ...メガネが欲しい...何も見えないのだ...」

「あー壊れてもうかけられないみたいだよ...ほら」

とメガネを渡される...レンズヒビ入ってるしフレームが割れて真っ二つじゃ無いか！

「困ったなぁ...」

まぁ家に中学時代かけてたのがあるから、新しいの作るまではそれをかけるとして...家まで帰るのに苦労しそうだな...こりゃあ。

「今日は私が手を引いてあげるから一緒に帰ろ？」

「ありがとう、ひなた...」

「にしても近衛君が偶然見てて良かったよ...今高島達先生に怒られてる最中、下手したら停学もあるかもね」

「そうかぁ」

確かに近衛が来て助けてくれたが...一瞬目が赤かった...何なのだろう...あの赤い目は...

「お礼した方が良いかも...そう言えば近衛君しえちゃんの作ったケーキ美味しい言ってたから作ってあげれば良いかもね！」

「え？」

「お礼だよ！なんか近衛君ってもしかしてしえちゃんの事が好きなんじゃないかなぁ」

「ﾌｧｯ！それは無い！スクールカースト下位の私だぞ！」

「私はそうは思わないけどなぁ～」

んな事になったらまず学校中の女子に殺されかねん...恐ろしい...

まぁそれ以前に私としては近衛が怖い...これはきっと純粋に恐怖なんだろう、何故そう思うのかは分からないけど...

ただ助けてくれた事には礼を言わねばならぬよな。

「まぁ喜ぶかどうかは分からんが、礼は言わねばだよなぁ」

「そうそう、とうとうしえちゃんにも春が来た！」

ひなたはそう言うがこっちは更々そんな気はないのだが...とほほ。

「まぁ帰ろうか、階段から転げ落ちたから痛いんじゃ無い？」

「うーん最初はめちゃくちゃ痛かったけど、今は全然なんだよねぇ」

確か明らかに顔と膝に擦り傷もあったはずなのに...