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9章 エルマさん攫われる!
逃亡の結果
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マックス氏視点がもうちょい続きます。
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エルマ様を隠し、馬を気付かれなく連れるまでうまくいった...人目を盗んでエルマ様と馬に乗る。
ローブが手に入らなかったが丁度いいスカーフがあったのでそれで頭を隠す。
基本エルマ様は慰問の際はただの司祭服しか着ないから顔さえ分からなきゃ普通の司祭としか思われないはず...別の街か村に入ったら即ローブを買って着せなきゃ...
南へ...ロストックを通って東側にあるテルニへ...テルニならウルムと違ってトラウゴット教の教会も無いから逃げるなら都合がいい。
馬を走らせ村から出る、南へ!南へ!
隣の村ではすぐにバレるから二、三離れた街へ、どこか宿を取って...
そう思った瞬間だ、馬の足が止まる。
「なっ!」
目の前に立っていたのは...あの燕尾服の男...明けの明星リュシフェル!
『アハハ...面白いですネ!本当に面白い!もしジルヴェスターが居なければ貴方の事をアスモデウスの受肉にしたい所ですネ!』
「やはりあの王子が悪魔アスモデウス...」
『私はね!この時を待っていたんでス!高貴な血を持つ貴方カ!あの因果に囚われた悲劇の少年カ!どちらかがその預言者サマを連れ出すその時をネ!』
「待っていただと!」
『そう...彼女が選ばなかった方は必ず預言者サマを連れ出ス筈...2人共のその深い嫉妬や執着は預言者サマを諦めたりなどしないからネ!ハハハ!』
馬が全く動かない...きっとリュシフェルの力で動かなくされたんだ!
『聖なる結界の張られたバーレから離れたその時、絶対にこの機会を狙う筈でしたからネ!さぁ預言者サマ...いいえ...『アスモデウスの花嫁』を頂いていきますヨ!』
「アスモデウスの花嫁!」
『アハハ!その預言者サマはネ、バーレの王の娘!生贄の娘でもあるからでス!アスモデウスの花嫁となってアスモデウスをバーレの地を血と淫行に塗れた地に戻す為の生贄となって頂くのでス!そして『現人神アスモデウス』をこの地に復活させるのでス!』
「なっ!」
「ううっ...」
エルマ様が目覚める。
「うう...マックス氏...ん...明けの明星!」
エルマ様はリュシフェルに気がつく。
『アハハ!お久しぶりですネ!預言者サマ!迎えに来ましたヨ!』
「迎えに...まさか...」
後ろを振り向くとそこにはあの、新年の行事の時と同じマスカレードマスクをつけたジル殿下が立っていた。
「ひっ!」
エルマ様はジル殿下の姿に恐れ慄く...エルマ様はあの襲われた件以降ジル殿下を見るととても恐れ固まってしまう...
「エルマ...我が花嫁...さぁこちらへ...」
ニヤニヤとジル殿下はこちらへ近づく。
僕はエルマ様をだき抱えながら馬から降りて何とか逃げるための道を探る。
今は異端審問官や教皇様やディビドがいない...しかもエルマ様がこうなってしまうと全く動けない...僕が何とかしないと...テルニへ逃げる為にも。
大剣を抜きエルマ様を庇うように構える。
ジリジリにじり寄る2人の悪魔にどうすべきか...そんな時に聞き覚えのある大きな声が響く!
『その赤く大きな輝きは星の命が絶える様!』
ゴォっという音と共に赤い光が2体の悪魔の間に輝く。
『爆ぜよ!ノヴァ・エクスプロージョン!』
光は爆発し悪魔達を吹き飛ばした。
『くくく...その威力...少年の父よりも素晴らしイ!流石賢者ジェセの息子!受肉のみでアンドラスを完全に目覚めさせた術士の系譜!』
よろめいたリュシフェルは術式を展開させた存在の方を見る。
「まぁこの程度で倒れるとは思いませんがね...」
リュシフェルの目線の先...そこには細い剣を持ったディビドが立っていた。
「星属性...賢者か...」
体制を立て直したジル殿下が剣を抜く。
「悪魔を封じる為の術式...アンドラスを封じた英雄マテウスから直に教えを扱い、それを身につけましたからね...明けの明星リュシフェル...そして悪魔アスモデウス、あとマックス!お前がやった事は許されない事だっ!言い訳は聞かないっ!処罰は免れないと覚悟せよ!」
ディビドが怒鳴りながらこちらを睨む。
「ただしエルマ様を大切と思うならこの場を切り抜ける為剣を振え!悪魔アスモデウスお前は私が相手をします!エルマ様はリュシフェルを!」
ディビドは剣をロッドの様に扱いながら術式展開させる。
『稲妻よ降り注げ!ブリッツシュラーク!』
ディビドは雷属性の最高術式を展開させ、アスモデウスに攻撃を仕掛け、命中させる。
「くっ!」
展開された術は命中するが、ディビドは実際に表面上の実害がない事に気がつく。
「...実態ではないか...面倒な...!」
さらに術式を展開させようとするディビドにジル殿下が剣で襲いかかる!それに気がつきディビドは保護の術式へ切り替える。
「守りの壁よっ我が前に!ディフェンシブ!」
展開された防御の壁の術式のおかげで護られるがその衝撃自体はダイレクトにくるのか若干押され気味だ。
マックス氏視点がもうちょい続きます。
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エルマ様を隠し、馬を気付かれなく連れるまでうまくいった...人目を盗んでエルマ様と馬に乗る。
ローブが手に入らなかったが丁度いいスカーフがあったのでそれで頭を隠す。
基本エルマ様は慰問の際はただの司祭服しか着ないから顔さえ分からなきゃ普通の司祭としか思われないはず...別の街か村に入ったら即ローブを買って着せなきゃ...
南へ...ロストックを通って東側にあるテルニへ...テルニならウルムと違ってトラウゴット教の教会も無いから逃げるなら都合がいい。
馬を走らせ村から出る、南へ!南へ!
隣の村ではすぐにバレるから二、三離れた街へ、どこか宿を取って...
そう思った瞬間だ、馬の足が止まる。
「なっ!」
目の前に立っていたのは...あの燕尾服の男...明けの明星リュシフェル!
『アハハ...面白いですネ!本当に面白い!もしジルヴェスターが居なければ貴方の事をアスモデウスの受肉にしたい所ですネ!』
「やはりあの王子が悪魔アスモデウス...」
『私はね!この時を待っていたんでス!高貴な血を持つ貴方カ!あの因果に囚われた悲劇の少年カ!どちらかがその預言者サマを連れ出すその時をネ!』
「待っていただと!」
『そう...彼女が選ばなかった方は必ず預言者サマを連れ出ス筈...2人共のその深い嫉妬や執着は預言者サマを諦めたりなどしないからネ!ハハハ!』
馬が全く動かない...きっとリュシフェルの力で動かなくされたんだ!
『聖なる結界の張られたバーレから離れたその時、絶対にこの機会を狙う筈でしたからネ!さぁ預言者サマ...いいえ...『アスモデウスの花嫁』を頂いていきますヨ!』
「アスモデウスの花嫁!」
『アハハ!その預言者サマはネ、バーレの王の娘!生贄の娘でもあるからでス!アスモデウスの花嫁となってアスモデウスをバーレの地を血と淫行に塗れた地に戻す為の生贄となって頂くのでス!そして『現人神アスモデウス』をこの地に復活させるのでス!』
「なっ!」
「ううっ...」
エルマ様が目覚める。
「うう...マックス氏...ん...明けの明星!」
エルマ様はリュシフェルに気がつく。
『アハハ!お久しぶりですネ!預言者サマ!迎えに来ましたヨ!』
「迎えに...まさか...」
後ろを振り向くとそこにはあの、新年の行事の時と同じマスカレードマスクをつけたジル殿下が立っていた。
「ひっ!」
エルマ様はジル殿下の姿に恐れ慄く...エルマ様はあの襲われた件以降ジル殿下を見るととても恐れ固まってしまう...
「エルマ...我が花嫁...さぁこちらへ...」
ニヤニヤとジル殿下はこちらへ近づく。
僕はエルマ様をだき抱えながら馬から降りて何とか逃げるための道を探る。
今は異端審問官や教皇様やディビドがいない...しかもエルマ様がこうなってしまうと全く動けない...僕が何とかしないと...テルニへ逃げる為にも。
大剣を抜きエルマ様を庇うように構える。
ジリジリにじり寄る2人の悪魔にどうすべきか...そんな時に聞き覚えのある大きな声が響く!
『その赤く大きな輝きは星の命が絶える様!』
ゴォっという音と共に赤い光が2体の悪魔の間に輝く。
『爆ぜよ!ノヴァ・エクスプロージョン!』
光は爆発し悪魔達を吹き飛ばした。
『くくく...その威力...少年の父よりも素晴らしイ!流石賢者ジェセの息子!受肉のみでアンドラスを完全に目覚めさせた術士の系譜!』
よろめいたリュシフェルは術式を展開させた存在の方を見る。
「まぁこの程度で倒れるとは思いませんがね...」
リュシフェルの目線の先...そこには細い剣を持ったディビドが立っていた。
「星属性...賢者か...」
体制を立て直したジル殿下が剣を抜く。
「悪魔を封じる為の術式...アンドラスを封じた英雄マテウスから直に教えを扱い、それを身につけましたからね...明けの明星リュシフェル...そして悪魔アスモデウス、あとマックス!お前がやった事は許されない事だっ!言い訳は聞かないっ!処罰は免れないと覚悟せよ!」
ディビドが怒鳴りながらこちらを睨む。
「ただしエルマ様を大切と思うならこの場を切り抜ける為剣を振え!悪魔アスモデウスお前は私が相手をします!エルマ様はリュシフェルを!」
ディビドは剣をロッドの様に扱いながら術式展開させる。
『稲妻よ降り注げ!ブリッツシュラーク!』
ディビドは雷属性の最高術式を展開させ、アスモデウスに攻撃を仕掛け、命中させる。
「くっ!」
展開された術は命中するが、ディビドは実際に表面上の実害がない事に気がつく。
「...実態ではないか...面倒な...!」
さらに術式を展開させようとするディビドにジル殿下が剣で襲いかかる!それに気がつきディビドは保護の術式へ切り替える。
「守りの壁よっ我が前に!ディフェンシブ!」
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