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chapter7:become a teacher
友よ、どうか安らかに その1
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モレクの事件が終わった次の日。
禁忌とされた合成獣に手を出し、あろう事か人間にも手を出して合成していたイルダは、ウルムの軍により確保され、犯罪者などを運ぶ頑丈そうな護送車に乗せられて、人気の無い場所を走っていた。
行き先は凶悪な犯罪を犯した術士や悪魔に受肉されたりした犯罪者を隔離する特別な収容所である。
ここでは彼らの力を封じて監視がメインではあるが、裏では過酷な実験台として扱われる監獄でもある。
だいぶ日も暮れてきた頃合いで、そろそろ目的地にたどり着くだろう。
イルダはベースとなっているレナートの姿になったまま色々と考える、人と対峙出来ればその人間を乗っ取ればなんとでもなる、と楽観視しているのだ。
ただ今まで隠しながら行っていた実験施設としてのイルダの自宅はもう家宅捜査で作成してきた合成獣や合成人間達は全て押収されたりしているだろう、でも合成獣の作成に関しては全て頭の中にあり、一からやり直せば済むだけだ。
それにどうやらベル・ハモンの神モレクの復活は失敗に終わったらしい所を考えれば自身の手で作り出すに越した事はないのだろう...そうイルダは思っていたのだ。
ガタン、と大きく揺れが起こり車が停まる。
何だか一時騒がしかったがそれはすぐに終わって護送車のがっしりした扉が開かれる。
何かの助け?それこそあのリュシフェルとかいう胡散臭い男が助けに?とイルダは思うがそこに立っていたのは全く想定外の人物だった。
「やぁ、可哀想なレナート君を利用し尽くしたイカレクソ女君!」
ニコニコと笑顔を見せるその男はレナートと同世代の筈なのにどう見ても20代にしか見えない赤毛で若草色の瞳を持った人の良さそうに見える優男、しかし言葉使いのチョイスが何ともちぐはぐだ。
しかしその目は柔和そうな色合いと違ってまるでカミソリのような鋭さを感じる視線、上等なストライプのスーツを着ているのにそれに片手に持っているどこから拾ったかわからない、錆びついて切れ味の悪そうな妙に長い鉈があるのもちぐはぐだ。
「なっ...お前は!」
レナートの記憶の中では目の前の赤毛の男はお人よしで騙されて続けて家を傾けさせてしまった無能な男と読み取っていた...しかし対峙しているその姿は全くと言っていいほど違う。
「いくらレナート君と合成して記憶を共有出来たとしても、完全じゃあないみたいだねぇ~僕が本来どんな人間だったかを知らないみたいだし」
カツン、カツン、と護送車の床に鉈の刃先で叩きながら近寄る。
禁忌とされた合成獣に手を出し、あろう事か人間にも手を出して合成していたイルダは、ウルムの軍により確保され、犯罪者などを運ぶ頑丈そうな護送車に乗せられて、人気の無い場所を走っていた。
行き先は凶悪な犯罪を犯した術士や悪魔に受肉されたりした犯罪者を隔離する特別な収容所である。
ここでは彼らの力を封じて監視がメインではあるが、裏では過酷な実験台として扱われる監獄でもある。
だいぶ日も暮れてきた頃合いで、そろそろ目的地にたどり着くだろう。
イルダはベースとなっているレナートの姿になったまま色々と考える、人と対峙出来ればその人間を乗っ取ればなんとでもなる、と楽観視しているのだ。
ただ今まで隠しながら行っていた実験施設としてのイルダの自宅はもう家宅捜査で作成してきた合成獣や合成人間達は全て押収されたりしているだろう、でも合成獣の作成に関しては全て頭の中にあり、一からやり直せば済むだけだ。
それにどうやらベル・ハモンの神モレクの復活は失敗に終わったらしい所を考えれば自身の手で作り出すに越した事はないのだろう...そうイルダは思っていたのだ。
ガタン、と大きく揺れが起こり車が停まる。
何だか一時騒がしかったがそれはすぐに終わって護送車のがっしりした扉が開かれる。
何かの助け?それこそあのリュシフェルとかいう胡散臭い男が助けに?とイルダは思うがそこに立っていたのは全く想定外の人物だった。
「やぁ、可哀想なレナート君を利用し尽くしたイカレクソ女君!」
ニコニコと笑顔を見せるその男はレナートと同世代の筈なのにどう見ても20代にしか見えない赤毛で若草色の瞳を持った人の良さそうに見える優男、しかし言葉使いのチョイスが何ともちぐはぐだ。
しかしその目は柔和そうな色合いと違ってまるでカミソリのような鋭さを感じる視線、上等なストライプのスーツを着ているのにそれに片手に持っているどこから拾ったかわからない、錆びついて切れ味の悪そうな妙に長い鉈があるのもちぐはぐだ。
「なっ...お前は!」
レナートの記憶の中では目の前の赤毛の男はお人よしで騙されて続けて家を傾けさせてしまった無能な男と読み取っていた...しかし対峙しているその姿は全くと言っていいほど違う。
「いくらレナート君と合成して記憶を共有出来たとしても、完全じゃあないみたいだねぇ~僕が本来どんな人間だったかを知らないみたいだし」
カツン、カツン、と護送車の床に鉈の刃先で叩きながら近寄る。
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