銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

悪魔モレク その13

「ところで2人とも話って？？？」

「レナート先生の事で...」

「彼は何かによって脅され、ティナに危険が及ぶ可能性があるのでご相談をしに来ました」

「ディビッド！」

「え？？？」

「義父様、こちらを」

と私から奪い取った嘆願書をポケットから取り出してパパに渡すと、パパは顔を青ざめるわ。

「...確かに筆跡もレナート君のものだけど...まさか本当に悪魔が関係しているのかい？？？僕が意図しないでも呪われてずっと感情を封じられていたように」

パパが片手で顔を覆いながらそう話す。

「私は彼が呪われたとは思いません、こんなにもはっきりとした意志を持って誰かに自分を殺して欲しいと願う事を伝えないですから...だから脅され、監視のない時間を使ってこの手紙を書いたのだと思うんです」

「脅されて？？？」

「パパ、それこそレナート先生もだけど先生の奥様にも危害が起こる可能性もあるの...だからパパが知っている限りの事を教えて？レナート先生に先生の奥様の事で知ってる事を...お願い」

「...ごめんねティナ、実は僕も奥さんの事はそこまで分からないんだよ、それに出来ちゃった婚なんてレナート君が？？？とも思ったんだよね、僕と違って彼は真面目だしいろいろあって結婚はしないって言ってたからね」

そこの話はグラート会長の言ってる事と通じるところがあるわね。

「そう言えば何でレナート先生は結婚をしないって言ってたのかしら？国でも術士は結婚して子供を持つ事を半強制的に行われてるのに？」

確かにこんな歳で、とか結婚は無理だろう...って思ってたってよく言ってたのよね。

「...それはレナート君は若い時に人生を共にするって決めた平民の女性がいたんだけど、彼女を彼女の家族が成金の貴族に売り払ったんだよ...彼女は術士ではなかったけど能力が強かったから子供を産ませる為に妾にされてね、レナート君はそれがショックでね...やっとその心の傷が癒えたのかな...と思ったのに...」

パパが声を詰まらせながらそう話すわ。