銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

悪魔モレク その10

「確かにそれも考えられそうだね」

ピッピちゃんの意見にそう同意するグラート会長。

「確か奥様は妊娠して出産の為に学校を一時的に休む関係で私が臨時教師をお願いされた訳だけどまさか？？？」

「それはあり得そうだけど、この手紙の内容では人質を取られてるとは判断出来ないよ...一体どうしてこんな書き方をしたんだろう？」

ジョナサンが人質に取られている説を否定するわ。

「今教師のレナートの周辺を調べて貰っているからその辺はすぐにでも分かると思う...次に何か仕掛けてくる前の時間稼ぎとしては一日増えたのはありがたいがバレンティナ嬢の知り合いって事だと正直複雑だな...」

マキシムさんが私の心情を鑑みてくれるのかこちらを見てそう話すわ。

「レナート先生はパパの親友で、シルヴィオお兄様が寄付金を出せないせいで貴族の学校に入る事が出来ない時に親身になって軍の士官学校へ入るのを手伝って下さった人なのよ...それ以外にもいろいろ大変な時期に助けてくれた事もあった人なのに...」

どうしても私たち家族に親身になってくれた人であり、真面目に教師の仕事をしているレナート先生と子供達を悪魔崇拝の為に焼き殺す犯人が同一人物とは思えないもの。

「...そう言えばレナート先生の奥さんであるイルダ先生の事ですが結構急な話だったんですよ」

グラート会長がふと思い出したかのようにそう話すわ。

「出産の件が？」

「いいえ、結婚した件です...それにレナート先生と付き合っていたなんて誰も信じられなかったし」

グラート会長の言葉に皆が『え？』と疑問の表情をするわ。

「え？？？それってどう言う事？？？」

「年齢差もだけど、教育熱心なレナート先生と違って教師の資格も無さそうな人だったんですよ...よくレナート先生に注意されてるのも目撃してる生徒達もいたし...それこそ貴族に取り入る為に教師になったんじゃないかな？イルダ先生は」

グラート会長はそう答える。