銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

ジョナサン試験を受ける その17

エイモスと名乗る天使はジョナサンの脇腹に触れるとまだ再生しきれてない内臓部分が癒された上に、失った血も再生されたのか身体が楽になっていくのをジョナサンは実感する。

「それって貴方が俺の祖先だと...」

ジョナサンの言葉にエイモスは頷く。

そしてジョナサンはエイモスの言葉の意味を知る、目の前にいる天使こそがジョナサンの祖先の1人であり、自身が赤宿しとして産まれたのは突然変異ではなくエイモスの血の発現である事を。

『この時代に...我によく似たお主が誕生した事...それは創造主にして忠誠なるトラウゴッド神の意志でありその意志を阻む事は出来ないのだ...それがこの地で最も力ある者や甘言を述べて唆す者だったとしても...』

「神の御意志？御意志とはなんですか？？？」

『それは我ら四兄弟の末・弟・の・再・誕・...真の目覚めの時がやってくる...大いなる祝福の時でありそれを支える1人がお主だからだ...』

エイモスはそう言うと立ち上がり、翼を羽ばたかせ身体を宙に浮かせる。

「エイモス様、その天使って！目覚めって！！！」

ジョナサンは頭の中で末弟と呼ぶ天使の事を尋ねようとする、それはきっと間違いなくディビッドの事を指すのだろうから。

そして真の目覚めの意味が何を意味するのかを聞きたく思ってだ。

『それは時が来たらわかる...さらばだ...』

「あっ！」

エイモスはそのままスウっと消えて行く。

「目覚めって...まさか...」

天使化し始めて疲れやすくなり、最近になって急に苦しみ出す事になったディビッド...それこそ天使化したアイザック王の件を再度思い出されると心臓の鼓動が早まる。

「...ジョナサン様、天使様に回復して頂いたとは言え顔色が悪いです、早く戻りましょう...」

「...そうだな...」

異端審問官の1人にそう言われ、ジョナサンは異端審問官達とその場を離れる事にする...その心の内に強い不安を抱えながら。