銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

ジョナサン試験を受ける その12

その日の深夜。

弱体化を辞めて元の大柄の姿に戻った異端審問官の衣装を纏ったジョナサンと異端審問官の数人は学校の敷地内に集まる。

学校内には何人もの異端審問官のメンバーが忍び込んで探る事もあったが、基本は学生の保護を目的としていた為大々的な捜査は今回が初めてになる。

今回は特に事件になり得る可能があった現場である実技試験場所を中心として学内を全て調べ尽くす予定である。

「じゃあこれから捜査を始める、いつも通りに三人で行動し何かあったら即報告をする事！勇足は厳禁、怪しい箇所は絶対に一人で確認する事が無い様に！俺は先に試験場所にいるから頼むぞ！」

とジョナサンは言うと全員がパッと全員がそれぞれ捜索する持ち場へと向かう。

ジョナサンは残った異端審問官5人ほどを引き連れて試験場所へと向かう。

その間ずっとジョナサンは気を読み、捜索をしているメンバーの行動や怪しい人物がいないかどうかの索敵する。

ちなみに学校側の警備員スタッフにはジョナサン自ら術式を使って深く眠って貰っており、後でディビッドの家の使用人達に記憶改竄をお願いしている。

気を読んでの広い範囲の索敵はかなりの集中力が必要な為、有能なジョナサンとはいえ自分のキャパシティの半分以上を使うので5人の異端審問官達がジョナサンを中心に守るような形での配置となる。

目的地に着く、特に何もおかしな点は無いようだが相手は狡猾な存在だ、慎重に動かなければならない。

「何も無いなら良いんだけどな...」

とジョナサンは呟きながら試験場所で生徒の立ち位置に立ち的の方へ目を向ける。

「何かあれば日中の時点で分かるか...ん？？？」

ジョナサンは足元に違和感を感じて下を見る、床は石畳なのだが目地が新しい事に気がつく。

いや...もしかすると...と思いジョナサンは一度索敵を止めてしゃがみ込み足元を良く見る。

ジョナサンは石畳に軽く拳を叩き込むとバリン！と石畳は簡単に割れ、そこから石畳の割れたかけらを剥がすとそこには血のようなもので太い線が描かれていた。

「これは一体...」

「モレクの印章シジルの一部かもしれない」

ジョナサンの言葉にその場にいた異端審問官達がざわつく。

「この感じだと余程デカく...この試験場の床下全体に描かれているかもな...」

ジョナサンは片っ端から石畳割って剥がしていくとそこには牛を表すような象形文字の一部が大きく描かれている。