677 / 841
chapter7:become a teacher
赤宿し その16
しおりを挟む
ーーー
「サヴェリオ陛下の子ってどんな手を使ったらそんな事に...」
さすがのディビッドも頭を抱えてるわ、私もびっくりだもの。
「まぁ色々あるのよ、それにウルム王家と繋がりを持ち続けるにはそれが手っ取り早いし」
「姉上はウルムの王にでもなるつもりなんですか???」
「なる訳ないわよ!王族なんて面倒くさい!私はバーレで悠々自適に暮らしていきたいもの」
「でもエステルお姉様は今度王妃様から産まれてくる子の次に王位継承権があるようなものですよ!パーヴェル君は継承権剥奪されて一応幽閉されている身だし、王女ドロティーア様よりエステルお姉様の方が年上だし、小国ビュールの国力よりエアヴァルドやバーレの方が断然影響力が大きいもの」
ウルム王国の継承順位は基本男子優先だけど、後ろ盾次第で変わるもの。
特に国内の血統を重んじるし、エステルお姉様の祖先である聖マーシャは元々ウルム王家の追放された姫だった事を鑑みれば血統の話すら正統性を得られるもの。
「それはないわよ、次代の王はフォルトナータが産む男の子になるのは確定してるから...それに次代の王はウルム王国最後の王、私はパーヴェル君を守らなきゃならないからね...そんなモノに巻き込まれる訳にはいかないのよ」
そう言われて預言の一部を思い出す...今は平和に見えるけどサヴェリオ陛下の治世が急に終わって次の王が立った後に偽物である『神聖バーレ帝国』の誕生と崩壊、そして新たな支配者としてパーヴェル君が君臨する未来を。
「でも無理にサヴェリオ陛下の子供なんて設定にしなくても良かったでしょうに」
「それこそ色々あるのよ」
「姉上はどこかそうやって誤魔化しますよねぇ」
ディビッドが訝しむ目でエステルお姉様を見る。
「それはこの先起こる事の結果を簡単に他者に伝える訳にはいかないからよ、ディビッド」
「ティナ?」
「そうそう、気軽に知られる訳にはいかない内容だってあるのよ~、まぁもう私にはその力は無くなっちゃったけどね」
「だから私が代わりにその立場を得たのよ」
「...ティナには本当は背負わせたくなくても、神がそう望むなら仕方ないんですよね...」
ディビッドは私を心配してそう言ってくれる、確かに悪魔と関わる事は危険だものね。
「そうね、でも私も強くなったしディビッドやみんながいるもの、そんなに心配しなくても」
「わかってはいるんですが...うっ...」
ディビッドが急に心臓のあたりに手を当てて苦しみ出すわ。
「ディビッド???」
「ディブ、どうしたの!!!」
ベッドの上で倒れ込み、汗だくになって苦しみ悶えている。
身体中がまるでひび割れて光が漏れれいるような光り方をし始めるわ!
「ディビッド!ディビッド!!」
「うあぁぁっ!!」
光自体が強くなるにつれて痛みが身体に走るのかのたうち回るディビッド。
「ディブ!しっかりして!」
エステルお姉様も悲痛な声でディビッドに回復をかけるも全く効かない。
「これって何かの呪い???」
「違うわ...この光自体が神聖なもの、一体ディブに何が???」
そうしているうちにカッと大きく光ったと思ったら、ディビッドは気を失ったのかぐったりしたまま動かない。
「ディビッド...」
「このままゆっくり休ませましょう...ティナちゃん、ディブ最近何か変化はあった???」
「特には...でも何だか疲れてるのかも...って思う時がありました」
最近疲れているような気はしたけど、ここ最近の出来事で疲労が溜まってるからかも...って思ってたから。
「もしかして天使化と関係があるのかしら???」
エステルお姉様はディビッドを心配そうに見つめながらそう話す。
天使化によって身体に負担がきているって事???
「サヴェリオ陛下の子ってどんな手を使ったらそんな事に...」
さすがのディビッドも頭を抱えてるわ、私もびっくりだもの。
「まぁ色々あるのよ、それにウルム王家と繋がりを持ち続けるにはそれが手っ取り早いし」
「姉上はウルムの王にでもなるつもりなんですか???」
「なる訳ないわよ!王族なんて面倒くさい!私はバーレで悠々自適に暮らしていきたいもの」
「でもエステルお姉様は今度王妃様から産まれてくる子の次に王位継承権があるようなものですよ!パーヴェル君は継承権剥奪されて一応幽閉されている身だし、王女ドロティーア様よりエステルお姉様の方が年上だし、小国ビュールの国力よりエアヴァルドやバーレの方が断然影響力が大きいもの」
ウルム王国の継承順位は基本男子優先だけど、後ろ盾次第で変わるもの。
特に国内の血統を重んじるし、エステルお姉様の祖先である聖マーシャは元々ウルム王家の追放された姫だった事を鑑みれば血統の話すら正統性を得られるもの。
「それはないわよ、次代の王はフォルトナータが産む男の子になるのは確定してるから...それに次代の王はウルム王国最後の王、私はパーヴェル君を守らなきゃならないからね...そんなモノに巻き込まれる訳にはいかないのよ」
そう言われて預言の一部を思い出す...今は平和に見えるけどサヴェリオ陛下の治世が急に終わって次の王が立った後に偽物である『神聖バーレ帝国』の誕生と崩壊、そして新たな支配者としてパーヴェル君が君臨する未来を。
「でも無理にサヴェリオ陛下の子供なんて設定にしなくても良かったでしょうに」
「それこそ色々あるのよ」
「姉上はどこかそうやって誤魔化しますよねぇ」
ディビッドが訝しむ目でエステルお姉様を見る。
「それはこの先起こる事の結果を簡単に他者に伝える訳にはいかないからよ、ディビッド」
「ティナ?」
「そうそう、気軽に知られる訳にはいかない内容だってあるのよ~、まぁもう私にはその力は無くなっちゃったけどね」
「だから私が代わりにその立場を得たのよ」
「...ティナには本当は背負わせたくなくても、神がそう望むなら仕方ないんですよね...」
ディビッドは私を心配してそう言ってくれる、確かに悪魔と関わる事は危険だものね。
「そうね、でも私も強くなったしディビッドやみんながいるもの、そんなに心配しなくても」
「わかってはいるんですが...うっ...」
ディビッドが急に心臓のあたりに手を当てて苦しみ出すわ。
「ディビッド???」
「ディブ、どうしたの!!!」
ベッドの上で倒れ込み、汗だくになって苦しみ悶えている。
身体中がまるでひび割れて光が漏れれいるような光り方をし始めるわ!
「ディビッド!ディビッド!!」
「うあぁぁっ!!」
光自体が強くなるにつれて痛みが身体に走るのかのたうち回るディビッド。
「ディブ!しっかりして!」
エステルお姉様も悲痛な声でディビッドに回復をかけるも全く効かない。
「これって何かの呪い???」
「違うわ...この光自体が神聖なもの、一体ディブに何が???」
そうしているうちにカッと大きく光ったと思ったら、ディビッドは気を失ったのかぐったりしたまま動かない。
「ディビッド...」
「このままゆっくり休ませましょう...ティナちゃん、ディブ最近何か変化はあった???」
「特には...でも何だか疲れてるのかも...って思う時がありました」
最近疲れているような気はしたけど、ここ最近の出来事で疲労が溜まってるからかも...って思ってたから。
「もしかして天使化と関係があるのかしら???」
エステルお姉様はディビッドを心配そうに見つめながらそう話す。
天使化によって身体に負担がきているって事???
0
お気に入りに追加
342
あなたにおすすめの小説
婚約を破棄したいと言うのなら、私は愛することをやめます
天宮有
恋愛
婚約者のザオードは「婚約を破棄したい」と言うと、私マリーがどんなことでもすると考えている。
家族も命令に従えとしか言わないから、私は愛することをやめて自由に生きることにした。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
自衛官、異世界に墜落する
フレカレディカ
ファンタジー
ある日、航空自衛隊特殊任務部隊所属の元陸上自衛隊特殊作戦部隊所属の『暁神楽(あかつきかぐら)』が、乗っていた輸送機にどこからか飛んできたミサイルが当たり墜落してしまった。だが、墜落した先は異世界だった!暁はそこから新しくできた仲間と共に生活していくこととなった・・・
現代軍隊×異世界ファンタジー!!!
※この作品は、長年デスクワークの私が現役の頃の記憶をひねり、思い出して趣味で制作しております。至らない点などがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。
私の愛する人は、私ではない人を愛しています
ハナミズキ
恋愛
代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。
物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。
母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。
『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』
だが、その約束は守られる事はなかった。
15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。
そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。
『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』
それは誰の声だったか。
でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。
もうヴィオラは約束なんてしない。
信じたって最後には裏切られるのだ。
だってこれは既に決まっているシナリオだから。
そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる