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chapter7:become a teacher

赤宿し その16

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「サヴェリオ陛下の子ってどんな手を使ったらそんな事に...」

さすがのディビッドも頭を抱えてるわ、私もびっくりだもの。

「まぁ色々あるのよ、それにウルム王家と繋がりを持ち続けるにはそれが手っ取り早いし」

「姉上はウルムの王にでもなるつもりなんですか???」

「なる訳ないわよ!王族なんて面倒くさい!私はバーレで悠々自適に暮らしていきたいもの」

「でもエステルお姉様は今度王妃様から産まれてくる子の次に王位継承権があるようなものですよ!パーヴェル君は継承権剥奪されて一応幽閉されている身だし、王女ドロティーア様よりエステルお姉様の方が年上だし、小国ビュールの国力よりエアヴァルドやバーレの方が断然影響力が大きいもの」

ウルム王国の継承順位は基本男子優先だけど、後ろ盾次第で変わるもの。

特に国内の血統を重んじるし、エステルお姉様の祖先である聖マーシャは元々ウルム王家の追放された姫だった事を鑑みれば血統の話すら正統性を得られるもの。

「それはないわよ、次代の王はフォルトナータが産む男の子になるのは確定してるから...それに次代の王はウルム王国最後の王、私はパーヴェル君を守らなきゃならないからね...そんなモノに巻き込まれる訳にはいかないのよ」

そう言われて預言の一部を思い出す...今は平和に見えるけどサヴェリオ陛下の治世が急に終わって次の王が立った後に偽物である『神聖バーレ帝国』の誕生と崩壊、そして新たな支配者としてパーヴェル君が君臨する未来を。

「でも無理にサヴェリオ陛下の子供なんて設定にしなくても良かったでしょうに」

「それこそ色々あるのよ」

「姉上はどこかそうやって誤魔化しますよねぇ」

ディビッドが訝しむ目でエステルお姉様を見る。

「それはこの先起こる事の結果を簡単に他者に伝える訳にはいかないからよ、ディビッド」

「ティナ?」

「そうそう、気軽に知られる訳にはいかない内容だってあるのよ~、まぁもう私にはその力は無くなっちゃったけどね」

「だから私が代わりにその立場を得たのよ」

「...ティナには本当は背負わせたくなくても、神がそう望むなら仕方ないんですよね...」

ディビッドは私を心配してそう言ってくれる、確かに悪魔と関わる事は危険だものね。

「そうね、でも私も強くなったしディビッドやみんながいるもの、そんなに心配しなくても」

「わかってはいるんですが...うっ...」

ディビッドが急に心臓のあたりに手を当てて苦しみ出すわ。

「ディビッド???」

「ディブ、どうしたの!!!」

ベッドの上で倒れ込み、汗だくになって苦しみ悶えている。

身体中がまるでひび割れて光が漏れれいるような光り方をし始めるわ!

「ディビッド!ディビッド!!」

「うあぁぁっ!!」

光自体が強くなるにつれて痛みが身体に走るのかのたうち回るディビッド。

「ディブ!しっかりして!」

エステルお姉様も悲痛な声でディビッドに回復をかけるも全く効かない。

「これって何かの呪い???」

「違うわ...この光自体が神聖なもの、一体ディブに何が???」

そうしているうちにカッと大きく光ったと思ったら、ディビッドは気を失ったのかぐったりしたまま動かない。

「ディビッド...」

「このままゆっくり休ませましょう...ティナちゃん、ディブ最近何か変化はあった???」

「特には...でも何だか疲れてるのかも...って思う時がありました」

最近疲れているような気はしたけど、ここ最近の出来事で疲労が溜まってるからかも...って思ってたから。

「もしかして天使化と関係があるのかしら???」

エステルお姉様はディビッドを心配そうに見つめながらそう話す。

天使化によって身体に負担がきているって事???

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