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chapter7:become a teacher

私が教師だなんて! その2

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結局ディビッドがウルムに戻った一週間後、少年姿のジョナサンはマキシムと共に行きで使った車に乗って戻ってきた。

「もう二度とマキシムの車になんて乗るもんか!!!」

と行きと同じくらい大変な目にあったジョナサンは車から降りて荷物を抱えながらフィオーレ・ビアンコの住居スペースへ向かう階段をプンスカ怒りながら登る。

イライラしながらドアを開けると一冊の本を手にくつろぎながらお茶を飲んでるディビッドの姿が見える。

「あ!ジョナサンにマキシム戻ってきたんですね!」

「戻って来たって...お前俺を騙しやがってこのヤロー!!!!」

笑うディビッドにジョナサンは荷物を放り投げ元の2メートルの大柄な青年姿に戻ってディビッドの襟元を掴みながら怒る。

「まぁまぁ」

「まぁまぁじゃねぇよ!!!!」

宥めるマキシムにジョナサンは吠える。

「まぁこの件はその位にして、私達がバーレに戻っている間に事件があったようです」

とディビッドが話すと、ジョナサンの手は止まる。

「悪魔か?」

「ええ、なんで記念式典のあとに悪魔崇拝サバトなんてするんでしょうかねぇ、あの時にあれらの存在を公にしたようなものなのに」

「だからじゃ無いか?それこそサヴェリオ国王が国教として宣言したから今のうちに力を得ようと裏でコソコソやってたんだろう...」

マキシムがテーブルの上にあった資料を手に取り目を通す。

そこには悪魔崇拝を行った場所に10体の5歳から12歳くらいの子供の焼死体があったと記載されている。

「焼死体...証拠隠滅か?」

「いえ、建物自体は火災にあってなさそうですし、祭壇の状況からどうやら生きたまま焼かれたそうですよ、可哀想に...」

とディビッドは祭壇と思わしき念写画をマキシムに渡す。

丸く組んである石で出来た祭壇内部には見るにも耐えられない程の小さい焼死体が詰まっている状態で、マキシムは眉を潜める。

「酷いな...」

「封印式は無かったので、受肉の為の儀式を行った可能性が高いかと...今周囲の伝承やらを探って貰ってます」

「なるほどな...」

ジョナサンはディビッドの襟首を掴む手を離す。

「きっと更に力を得ようとして子供達を狙う可能性もあるんです、しかもこのエリアには丁度7歳からの8年制の学校もありましてね...」

「子供達が狙われそうだな」

ジョナサンは真面目な顔でそう答える。

「ですよね...と言うわけでジョナサン出番です!」

「へ?」

ディビッドは何処からか鞄を取り出してそこから一着の制服を取り出す。

丁度ジョナサンが少年姿になればピッタリなサイズのグリーンのジャケットとタータンチェックのスラックスのブレザーの制服だ。

「ジョナサンにはそこの学校の生徒として潜入してください!」

「はぁぁぁ?????」

ディビッドの提案に変な声を出すジョナサン。

「あはは!確かに丁度いいな」

ジョナサンの学生姿を想像して笑うマキシム。

「ちょっと待て!まだ俺は承諾してねぇぞ!」

「ジョナサン、その羞恥心と子供の命...どっちが大切なんですか?」

拒否しようとするジョナサンにディビッドは真剣な顔でそう尋ねる。

「ううっ...」

そう言われて言い籠るジョナサン、確かに恥よりも子供達の命の方が優先されるに決まっている。

「確かになぁ...直接子供をそうやって守れるのはジョナサンだけだしなぁ」

マキシムも畳み掛けるようにそう話す。

「くっ...分かったよ!やればいいんだろ!!!」

「いやぁジョナサンならやってくれると思ったんです!良かった!」

制服を渡すディビッドの笑顔に、ジョナサンはモヤっとした気持ちが湧くのだった。
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