銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

またいつか会えるっすから！ その4

『いやーエステル様、生き返ってくれて良かったっす！』

いつものヘラヘラした笑顔をみせるサムだわ。

「「「サミュエル！！！」」」

みんながサムに変化したティナちゃんを見て驚くわ！

『いやぁうっかりボッコボコにされたっすよー』

「お前まさかティナのふりをずっとしてたんですか？？？」

『んな訳ねぇっすよ坊ちゃん...お嬢様が身体を一時的に貸してくれるって言うからね、まぁこ・の・時・代・の・身・体・を失ったしちょっとしたら行かなきゃならない所があるんで、最後にみんなにお別れをね～』

「サム...まさか...」

『エステル様泣かないで下さいよぉ...別に死んだ訳じゃないっすから...それにしてもこんなに小さくなっちゃって...』

サミュエルが頭を撫でてくるわ。

「小さいは余計なお世話よ！馬鹿！」

『あはは...さて...じょにーさん、年少さんのじょにーさんには辛い判断をさせたっすね、こっちの2人が不甲斐ないばっかりに～』

サムはディブとマキシムを指差した後にジョニーに向かってメソメソしているジョナサンの肩にポンポン手を叩きながら話をするわ。

「年少扱いすんなよ！全く...」

膨れっ面のジョニー、でも目に涙を浮かべてる。

『はは、でもあん時一番冷静に判断出来たのはじょにーさんだけっすから、さっすが聖サンソンの子孫だけあるっすよ！頭も良いんだしこれからも自信を持って胸張って生きていくっすよ～、そうすればじょにーさん絶対幸せになれるんで！』

そうアドバイスしたら今度はマキシムへ。

「サミュエル...すまない...」

下を向いて申し訳なさそうにしているマキシム。

『王子サマ、まぁあん時の状況で王子サマの気持ちを知ってれば冷静になれないのは分からなくも無いっすけどね...まだ若いから仕方ねぇっすけど今度はあんたが坊ちゃんとエステル様を守るんすよ！だから常に冷静さを失わねぇ事を...身体張って守る所は守り、逃げる時は逃げる判断をしっかりできるように！ね！！！』

「なんだよ...いつもヘラヘラしてばっかりなのに今日は説教くさい事ばっかり言いやがって...」

マキシムにそう語った後にパーヴェル君の元へ。

『パーヴェル君、エステル様は昔っから暴走気味な所があって君はこれからずっと振り回されると思うっすけど、その行動は純粋に人の為のものなんです、エステル様からよくそこを見て学んで下さい...それは必ず君の将来の糧となるっすから』

「は...はい」

『素直でいい子っすねぇ、君の未来に祝福があるように』

パーヴェル君にそう話し終えると最後にディブの方へ向かう。

『坊ちゃん...坊ちゃんにゃマジでいろいろ言いたい事が多すぎるくらい文句があるんすけど、結局すんなりなんでも上手くいく『神に愛されし者』だから特には言う事はねぇっす...でもじょにーさんや王子サマはともかくエステル様やお嬢様を困らせないようにするんすよ！まぁそんな事言っても坊ちゃんは変わらないとは思うけど』

と拳を作ってディブの肩にポン、と叩く。

「なんなんですか...サミュエル」

皆に対する励ましやアドバイスとは違って注意しか受けない為に困惑げな顔をするディブにサムは笑う。

『まぁ坊ちゃん...『白の射手』である坊ちゃんとはまた顔を合わせる機会があるから、それはエステル様やお嬢様にも言えるっすけどね～』

「顔を合わせる？？？」

『この格好見れば分かるっしょ？』

ディブの問いにサムはにっこり笑ってくるっと回るとばっとみんなでサムに視線が行く。

そう、その格好は預言者のものだもの...そして『サミュエル』と言う名前は聖典にあるエアヴァルド建国と守護に関わる預言者の名前。