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chapter6:Be baptized

VS 大淫婦カ・デミィラ その9

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「そうですよ、お前のような悪魔が姉上の顔のままでいる事なんて許せません!」

ディビッドは蝗に襲われてぼろぼろになっていくカ・デミィラに更に追い討ちをかけるように聖典の一節を読み上げる。

『邪悪な者!神に逆らいし傲慢で強欲なる者!淫行に耽る愚かなる者よ!神は望まれた!天よりの裁きを身に受けよと!』

すると天井を突き抜けてドォン!と大きな音を立てながら紫色に光る稲光...神罰の雷がカ・デミィラと獣に直撃する。

『ギャアアアア!!!!』

カ・デミィラは聖属性の雷に打たれて、身体をガクガクと振るわせながら叫び声を上げる。

『このままで済むと思うてか...許さぬ!許さぬぞぉぉぉ!!!!』

カ・デミィラは人の姿をだんだん維持出来なくなってきたのか黒い霧をじゅうじゅう漏れさせ、その肉はドロドロに溶け出してまるで墓から這い出た死者グールのようになるが、そのドロドロと溶けた肉が赤黒く変色しながら再構成されていく。

人のサイズから倍の大きさに変化し、肌は真っ白で髪色も緑から赤黒く変色した姿を構築していく。

そしてその顔はエステルの顔は消える...いや...顔の構成するものが無くなり、あるのは窪んで底の分からない程の目があった場所、削ぎ落とされて穴だけしかない鼻、そして真っ赤で顎まで裂けた口だ。

「うわっ...」

そのグロテスクな姿にジョナサンは顔を顰める。

『ああああ...新しい美しい顔を!それこそ其方の顔ならば!!!』

とカ・デミィラはディビッドに向かって手を...大量の悪霊達がディビッドに捕まえるつもりで向かう。

姿を維持する為になりふり構わないのか、ディビッドを贄とするつもりなのだろう、しかもエステルと同じ顔立ちだ。

「「ディビッド」」

「ううっ!」

神罰を扱うよりも早くマキシムやサミュエルを掻い潜りディビッドを捕縛し、聖典の一節を述べられないように口を塞いでしまう。

『あああ...捕まえた...さぁお前も贄に!妾の贄に!!!』

捕縛され宙吊りにされたディビッドの下にどこからとも無くゴブレット型の金の杯が現れる。

「あれはっ!」

それこそエステルが殺されてその杯に沈められて贄にされた事をマキシムとジョナサンは思い出す。

ディビッドはもがきなんとかしようとしているが、それに対して悪霊達はまるでディビッドの身体を潰して血を搾り出そうと締め上げる。

「ピィ!だめぇ!!!」

とピッピちゃんが叫ぶと同時にピッピちゃん自体がパァッと光るとそこにはバレンティナが、ピッピちゃんを通して幻影として姿を現す。

その光そのものが浄化の力があったのか、強力な悪霊達がその光に当たると消えていく。

ディビッドは自由になり、杯から離れて体勢を整える。

『生意気な小娘がぁ!!!』

カ・デミィラはバレンティナに対して怒り叫ぶのだった。
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